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ようやく開いたタイミングで、久しぶりに宝塚を観劇しました。

1939年のオペレッタ映画「鴛鴦歌合戦」の舞台化。
この映画にちょっと興味があったところに、あまり宝塚を観ない演劇好きの方たちに好評だったり友人からお芝居がよかったと聞いたり、、ますます気になっていたところにご縁があって急遽、久しぶりの宝塚、久しぶりの花組(4年ぶり!)に行ってきました。

これが評判通り、そして想像以上の楽しさ!!
笑って笑って、最後にホロっと泣けて。

長屋に住む市井の人々からお殿様まで、色々な階級の人たちが入り乱れての人情喜劇。
役が沢山あって、皆がイキイキ演じているのも嬉しい。街中の女性に人気ある浪人礼三郎をめぐる恋のさやあてや、映画にはなかったお家の秘密などがコンパクトにぎゅっとおさめられているのも見やすかったなあ。

久しぶり過ぎてパンフレットを買ったら、小柳先生がこの音なくしては「鴛鴦歌合戦」ではなくなってしまうと、映画オリジナルの楽曲を使用することにしたと書いてあり、この楽曲を使ったのは大正解だなあと。
古いけれど新しさがあって馴染みやすくて。
アレンジも宝塚の舞台にマッチしていて、何より聞いていて楽しくなってくる曲ばかり♪

浪人礼三郎の柚香さん(トップになって初めて拝見)、力の抜けたお芝居が味わい深くて包容力があり、男役の集大成のよう。
表面だけのカッコよさだけじゃなくて、その生き方、潔さみたいなものが最後の台詞に現れていて泣けてしまった。
こういうのがまさに男役ならではのカッコよさだなあと感じさせてもらいました。

これで退団される航琉ひびきさん、和海しょうさん、春妃うららさん。
骨董屋の六兵衛や、ヒロインお春の父のお芝居、殿の正室麗姫(うらら姫という役名にも愛がある)のきりっとした美しさ、最後の舞台へのはなむけになるような役柄なのもよかった。
(まだ若手時代のイメージがあり、ベテランになった皆に感慨深いものが・・)

宝塚の日本物の魅力、心の機微と笑いがあって楽しく幸せな気持ちになれる作品。

1939年という戦争に向かう最中に作られた映画だからこその、あふれる夢と笑いの多幸感。(昭和の先生たちの作品にもどこか通じるものが)

元の映画はあれど、宝塚オリジナル作品のような適材適所の配役。
それぞれの生徒の個性を引き出すオリジナル作品がベースにあってこそ、皆が輝いてスターを照らすことができる舞台が生まれるんじゃないかと思うのです。
宝塚だからこそ味わえる幸せな舞台。宝塚にしかできない舞台。

ミュージカルもいいけれど・・人気原作もいいんだけれど・・でも
「他でできる舞台は、他にまかせておけばよい。宝塚は宝塚でしかできないことを追求するのがよいのです!」とゾフィーになったつもりで(笑)思わず心の中でつぶやいてしまった観劇でした。

久しぶり、本当に久しぶりに宝塚らしい舞台。
私にとっての原点である宝塚がそこにありました。
幸せな時間でした。