所用があり有楽町へでかけたので、気になっていたマイク・ミルズ監督、ホアキン・フェニクス主演映画「カモン カモン」を観てきました。(ミニシアター系なので、まだロングランしていてよかった)

マイク・ミルズは「人生はビギナーズ」で知った監督、これが大好きな映画だったので今回も期待していましたが、期待以上に心に残るものでした





アメリカ各地の子供たちに、未来についてインタビューするラジオジャーナリスト、ジョニー。
遠くにいる妹の夫が体調を崩しケアするため、代わりに9歳の甥っ子ジェシーを預かることになり・・。

全編通じてのモノクロ映像、ジョニーが巡るアメリカ各地の景色も色がないからこその美しい背景になって、二人の会話、声が余計なフィルターなく、すんなり心にはいってきて。ジョニーと同じ大人の気持ちになったり、子供時代の気持ちを思い出したり。

甥っ子ジェシーは、感受性強く、鋭いことを大人に言って強がったり、振り回したりするけれど、心の中にはいつも不安があって。
やっぱり子供はいつも大人に安心させてほしいものなんだなあと。

色々な後悔や失敗を重ねてきた主人公が甥っ子との対話の中で、自分も前進していく姿にじんわりしました。

ジョーカーとはまた違うリアルな中年男性を演じたホアキン・フェニクスも、甥っ子のウディ・ノーマンも自然でとてもよかった。

映画の中で流れるインタビューは、ホアキン・フェニクスが台本なくアメリカの子供たちにインタビューした映像だそうで、ドキュメンタリーと物語が違和感なく溶け込んでいて、心に響く言葉が沢山ありました。

映画の中で主人公が甥っ子に読む絵本「星の子供」の1節がとても心に残り、読みたい!と検索したものの、日本語訳は出ておらず、原書も今は取り扱いがないようで💦

絵本「星の子供」(Star Child)の1節が流れる予告編です。



主人公ジョニーの台詞と同じく「すごい本だな」と涙が出そうになりました。

人として、星から地球にきて、束の間、喜び、悲しみ、驚き、すべてを味わい、また星に還る。

その体験ができる地球という場所。


シンプルだけど人の人生は、これがすべてなんじゃないかなとも思えるような。

いつか原書でもいいから、読んでみたいと思っています。