劇作家であり演出家のつかこうへいさんが亡くなりました。


映画でも有名な「蒲田行進曲」がニュースでも取り上げられていましたが、私にとって忘れられない作品は、「熱海殺人事件」です。


つかこうへい事務所という劇団の名前は知っていたものの、当時は宝塚一色で(^^ゞストレートプレイなどあまり観ることもなく・・その機会も勇気もないままだったのですが、そんなある日、紀伊国屋ホールで「熱海殺人事件」が上演されるということを知りました。あの風間杜夫さんや、平田満さんが出演されていた作品、しかも料金は1000円!これは観るしかない!と思い切ってチケットを購入。


それは池田成志さん、春田純一さん、酒井敏也さん、平栗あつみさん、長与千種さん出演のニューバージョン「熱海殺人事件」でした。


思い切って飛び込んだつかさんの世界は、当時の私にはそれはそれは衝撃的でした。

鋭い笑いの中にも心をえぐるような台詞の数々、音楽。演劇のエネルギーとはこういうものなのかと感じたことを今でも覚えています。


その後色々な舞台を観るようになり、多くの劇団・演劇人がつかさんの影響を受けていること知りました。

絶大な人気を誇る劇団新感線も、今年解散する劇団M.O.Pも創成期はつかさんの作品を上演することから始まったこと・・・それは音楽に惹かれた人たちが影響を受けたバンドの曲をコピーするように、演劇に惹かれた人たちにとっては、つかさんの作品を演じることは原点だったのではないかなと感じます。


今観ている多くの舞台は、つかさんの作品がなければここまでこなかったものもあるのでは・・と、そのことを思い、これまでの功績に感謝したいと思います。


心からご冥福をお祈りします。