「タカラヅカスペシャル2009」12/20(日)16:00の部のライブ中継に行ってきました。


宝塚のイベントライブ中継に参加するのは6月の「百年への道」に続いて2回目。スクリーンといえどもやはりそのイベントをノーカットで同時に味わえる臨場感は、簡単に現地に行けない身にはありがたいなと思います。


最近は細々と観ているだけの宝塚ではありますが(^^ゞ私なりに思ったこと、感じたこと、印象に残ったことなどを・・・。


2日間、2回公演の最終回だったこともあったのか、トップの皆さんはちょっと声に疲れが見えました。

最近の宝塚事情はよくわからないのですが、お稽古期間も短い中、2日間4回公演というのはちょっと負担が大きいのではないかなと。

私が知っている頃のイベントは1回かせめて2回くらいだったような気がします。

宝塚の人たちは普段からハードスケジュールに慣れていることもあって、きっとこなしている(こなさざるをえない)と思うのですが、無理な状態で歌ってしまうよりは、少しでも余裕を持って聴いてもらうほうが名曲の数々もファンの心に残るのではないかな・・と思いました。

このイベントも梅田芸術劇場主催になったということですが、やはりあの大劇場の大階段を各組のスターが入れ替わり立ち代わり降りてくるからこそ、貴重で贅沢で豪華なイベントでもあったと思うのです。

諸事情があるにせよ、ファンがわくわくするような夢のイベントを演出するという気持を劇団サイドがもっと強く持ってほしいと思いました。


・・と劇団への苦言を書き出すとキリがないのでf^_^; 個々に印象に残ったことを思いつくままに・・。


1部は今年の宝塚を振り返って


専科の轟さんはちょっとナンバーが多いのでは。。と感じました。

こういう場も貴重な経験だと思うので、できればもう少し譲って下級生にも歌わせてあげてほしかった。

キャリアを積んだ方なら、少しの場面でも存在感がありますし、じゅうぶん下級生に影響があるものだと思います。とはいえ、「エリザベート」からのナンバー「キッチュ!」は表情もルキーニそのもので、さすがにはまり役と言われただけのことはあるなあと。初演を経験しているのは大きいことだなとあらためて感じました。


トップ娘役さんが皆歌が響かないことも非常に気になりました。(「百年への道」のときも感じたことですが)

柴田先生が対談集の中で「歌えない娘役ほど困るものはない」と話されていましたが、このようなイベントのみならず通常の作品でも主要な人が歌えなかったら主題歌すら心に残らないのでは・・と思います。


各組のパロディはそれぞれの特色が出ていて楽しかったです。

本当は全組観て見たいところですが、通年公演で強行スケジュールの中のイベントでは叶わないですね・・。


1部最後は「ミーアンドマイガール」から全員でランベスウォーク。やはりこのナンバーには心沸き立つ、観客を楽しませてくれる力があるんだなあと思わず映画館で笑顔になっているうちにあっという間に1部が終わってしまいました。


2部は宝塚95年を振り返って


多くの方が書かれていますが、圧巻は彩吹さんの「セ・シャルマン」。

本当に素晴らしかったです。

劇場はもちろんのことだと思いますが、映画館もその歌声に包まれて感動が広がりました。

もうどうにもならないことではありますが、彩吹さんの退団が本当に残念でたまりません。

歌唱力を持ちながら、その歌声に自らが酔うのではなく、心の深いとこから発せられる歌声。

きっと大階段の上で劇場中の人を幸せに満たしてくれたであろうその歌声。

宝塚にもこんな風に歌える人がいるんだということをさらに多くの人に知ってもらうチャンスを失ったことは、劇団にとって大きな損失なのではないかと感動と無念さが心をよぎりました。


先月亡くなった大浦さんのナンバーはどれも懐かしいものばかりでしたが、その中でも蘭寿さんが歌った「ジタン・デ・ジタン」が心に響きました。心を込めてその時代の作品に敬意と愛情を持って大事に歌っていることが強く感じられる熱唱で、あの舞台が蘇ってくるようでした。


その他では、柚月さんの「セ・マニフィーク」が印象に残りました。1部ではちょっと声が疲れているかなと感じたのですが、この曲は生き生きと歌っているように思いました。「セ・マニフィーク」というと鳳さんというイメージがありますが、柚月さんも又違った持ち味で、このようなちょっとクラシックなナンバーが似合うなあと感じました。


ラストの2番手男役だけでの黒燕尾のボレロ、三角形の真ん中に彩吹さんが現れた瞬間、劇場の空気がはりつめたように感じられました。貴重な時間を皆で大切に味わっているような・・。

かつて同じ組で苦楽を共にした蘭寿さん、凰稀さんと並ぶ彩吹さんの姿は胸に迫るものがありました。

スクリーンであってもこのボレロを観ることができて本当によかったです。

このような感動はやはり演出家の先生の愛情もあればこそだと思うのですが、このようなイベントだけでなく、常にそのような愛情を持ち続けてほしいと切に感じました。