シルバーウィークに出鼻をくじかれたせいであせる劇場からちょっと足が遠のいてしまっていた今日この頃・・そんな状況を見透かされたかのように!?レンタルショップから半額のお知らせがきたので(笑)久しぶりにDVDで映画鑑賞の日々を過ごしております映画


まず観たのは・・去年映画好きの友人に「とっても幸せな気持になれる映画」とオススメされてずっと気になっていた作品

「地上5センチの恋心」(原題:ODETTE TOULEMONDE 製作:フランス/ベルギー 2006年)です♪



The Best of Times


10年前に夫を亡くしたオデット(カトリーヌ・フロ)は、女手一つで息子(ファブリス・ミュルジア)と娘(ニナ・ドレック)を育ててきた。昼間は百貨店勤務、夜は羽飾りの内職で忙しい彼女の唯一の楽しみは大ファンの作家バルタザール(アルベール・デュポンテル)の小説を読むこと。ある日、彼女はあこがれの作家のサイン会に出かけるが……。~Yahoo!映画より~


ヒロインのオデットが何とも言えずチャーミングですドキドキ


日々の色々なことに直面しながら家族を支え続けているオデットの心の支えは、バルタザールの小説。彼の本を読んでいるときは普段地に足をつけてしっかり歩いている(いなければならない)オデットの身も心も宙に浮いているように幸せ。

そんな彼女の気持を上手くあらわした映像に思わず顔がほころんでしまいます(*^.^*)


ずっと憧れだった彼のサイン会にドキドキしながら出かけたものの緊張のあまり自分の名前がちゃんといえなくて落ち込む姿・・作家でもスターでもどんな人でもいい、誰かに憧れてその存在のおかげで救われたり、自分が元気でいることができる、そんな経験をした人なら誰でも「わかるわかる」と身につまされたり(笑)彼女を愛おしく感じることができるのではないでしょうか。

話せないなら手紙で思いを伝えたらと息子に励まされてオデットが書いたファンレター。感謝の気持が詰まったピュアな手紙はバルタザールならずとも心を動かさずにはいられない素敵なもので、思わず涙してしまいました。


そんな彼女の憧れバルタザールも、心無い酷評に傷つき、自分に自信をなくすひとりの人間。人に何かを発信する、創りだす側の人間の苦しみや挫折に、皆こんな思いをしているんだなあとただ受信するだけの自分をふりかえらされます。だからこそ、ピュアな愛情と感謝の気持を持ったオデットが彼には必要だったんだなあと思いました。


2人の出会いは映画ならではのファンタジー、夢でもあるかなと思うのですが、それがただの甘いおとぎ話ではなく、説得力をもって心に響いてくるのは、色々なことの起きる人生に直面して生きてきた大人をちゃんと描いているからなのではと思います。

一見夢見がちのようなヒロインもちゃんと自分を持って、亡くなった夫を、家族を大事に思い、辛いことや大変なことが沢山あって、それを大げさすぎず深刻すぎず等身大の人間として魅力的に見せているからこそ、大人のファンタジーが成立するんだなあと。


こういう中年の女性をきちんと魅力的に描くことができるヨーロッパ映画を心から羨ましく思います。


自分を励まし勇気づけてくれるものがこの世に存在することのありがたさ。

それをじわっと温かく感じさせてくれる素敵な素敵な大人の映画でしたドキドキ