8/22夜、てあとるらぽうにてミュージカル「ラストファイブイヤーズ」を観てきました♪


台本・作詞・作曲 ジェイソン・ロバートブラウン

日本版演出    栗原崇

キャスト       石田佳名子(キャサリン) 清水裕明(ジェイミー)

ミュージシャン   村井一帆(ピアノ) 古川麦 (ギター) 湯口太郎(バス)   原田百恵実(ヴァイオリン) 岡部恵理(チェロ1st) 堀内実紀子(チェロ2nd)           


2001年にオフブロードウェイで上演され、日本では山本耕史さんで2度上演されているミュージカルですが、この作品の存在すら知らなかった私あせるが今回観劇することになったのは、先月行ったカフェでのライブがきっかけでした(そのときの記事は→コチラ ) 

このライブで友人のEmilyさんが歌ったナンバーがこの作品の1曲で、Emilyさんの情感あふれるヴォーカルとともにメロディーが心に残り、早速BW版のCDをリピートする日々に・・♪もっとこの作品を知りたいと調べていたら、なんと8月に上演されることを知り、劇場もキャストのお2人も初めてだったのですが、これは何かのご縁!とチケットを申し込んだのでしたニコニコ


劇場のてあとるらぽうは、収容50人強(私の印象では)の小ぢんまりとした地下劇場。目の前というよりは劇場全体がステージのようで、とても贅沢な空間でした。

ステージ上手には6名のミュージシャンが。余分なものはほとんどないステージの中央には時計があり、真ん中から逆向きになっていて2人の時間軸が逆に進んでいることがわかる印象的なセットでした。

このシンプルな空間で2人の男女が出会って結婚し別れるまでの5年間がそれぞれの歌を中心に描かれていきます。


キャサリンは現在からスタートして出会いまでを、ジェイミーは出会いからスタートして別れにいたる現在までを、交互にそれぞれ思いをナンバーにのせて歌い、途中一箇所だけ2人の時間軸がひとつになり、最後は5年後のジェイミーが永遠の別れを歌う横で出会った頃のキャシーが明日までの別れを歌う・・実に洒落た構成で大人のミュージカルだなと感じました(ヘレナ・ボナム・カーターの映画「カンバセーションズ」をちょっと思い出してしまいました)


現在から過去に時間を辿るキャサリンは時間経過が逆になるので大変なのではないかなと思っていたのですが、石田さんの冒頭の歌からすっかりひきこまれました。もう共にいることはできないジェイミーをまだ想う苦しさ、前に進めない思いを歌うキャサリンの哀しい表情に、幕開きから思わず涙が出そうになりました。

どのナンバーも聴き応えたっぷりだったのですが、特にいいなあと思ったのは「Summer in Ohio」。CDでも大好きなナンバーだったのですが、軽いタッチからショーアップしてボリューム満点のパートまでこれぞミュージカル!というエンタテインメントを味わわせてくれる素晴らしい歌唱でした。小さな空間で聴くにはあまりにももったいなくて是非もっと沢山の人と一緒に聴きたい!と思ってしまいました。

またほとんどが1人で歌うナンバーでありながら、いつも傍らにジェイミーの姿が見えるように感じられてより歌の内容が心に響きました。


観客と一緒に過去から現在に進んでいくジェイミー。清水さんの冒頭の歌はちょっと苦しそうに感じましたが、出会いのはつらつとしたジェイミーを元気よく演じていました。ジェイミーは作曲のジェイソン・ロバート・ブラウン自身が反映されているとのことですが、ジェイソンが経験した苦しさや葛藤がよく現れていると思いました。後半の「Nobody Needs To Know」は淡々としたメロディーなのでここはもうちょっと場が持つといいなあと。

ラストのナンバーは後に戻れない時の残酷さが感じられて胸に迫るものがありました。


どのナンバーもバラエティに富んでいて聞き応えのあるものばかりですが、ピアノの村井さんを初めミュージシャンの皆さんの演奏も素晴らしくこのミュージカルの世界に心地よく身をゆだねることができました♪


ほとんど歌だけで男女の気持のすれ違いを描き、舞台にいるキャストは2人だけ、休憩なしの1時間半という構成は、シンプルなだけに役者さんの力量が問われる作品だと思うのですが、お2人とも歌唱力がありいい形でこの作品を創りあげていたのではないかなと思います。


それにしてもオフブロードウェイで毎年このような作品が作られていると思うと、あらためてアメリカの層の厚さを思わずにはいられません。日本では興行面からどうしてもミュージカルといえば大作ミュージカルばかりになりがちですが(もちろん大作にも魅力はありますが)このように知られていない佳品がもっと沢山の人に触れる機会があったら・・と思います。

石田さん、清水さんはこの後東宝ミュージカルにご出演とのこと。それも楽しみですが、やはりお2人が芯になった今回のような舞台ももっともっと観てみたい・・とそんなことを思わせてくれたミュージカルでした♪


素敵な舞台をありがとうございました・・・ドキドキ

そしてこのミュージカルの存在を教えてくれたEmilyさん、ありがとうございました♪


BW版「The Last 5 years」のCDです。

Amazonで購入できますので興味ある方は是非♪


The Best of Times