夏になると手が伸びる「エアコンのリモコン」。つい「28℃だと暑い、じゃあ26℃!」と温度を下げて調整しますよね。
でも、ここで疑問。設定温度ってどうやって冷え方を変えているの? 単純に「冷たい空気を出す量を変えてる」だけじゃないんです。
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① 基本は「室温」と「設定温度」の差で動く
エアコンは「室温を設定温度に近づける」ように動きます。
たとえば室温30℃で設定26℃にすると、**「よし、あと4℃下げなきゃ!」**と全力で冷やしにかかります。
逆に28℃に設定すると差が小さいので、冷やす力も控えめ。
つまり 温度設定は“ゴール地点”を変える指示なんですね。
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② コンプレッサーの強弱を自動調整
エアコンの心臓部「コンプレッサー(圧縮機)」が冷房の強さを決めています。
設定温度と室温の差が大きい → コンプレッサーがフル回転!
差が小さい → 回転数を落として省エネ運転。
最近のインバーターエアコンは、この回転数をきめ細かくコントロールできるので、無駄に冷やしすぎず効率よく運転してくれるのです。
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③ 室温に近づくと“冷風の出し方”を変える
設定温度に近づくと、いきなり冷風を弱めたり止めたりします。これは「サーモオフ」と呼ばれる状態。
最初は「強風で一気に冷やす」
ゴールが近いと「弱風でキープ」
と、マラソン選手がラストスパート後にペースを落とすようなイメージですね。
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④ 送風運転との違い
「じゃあ送風にすれば電気代タダ?」と思いがちですが、送風は単に扇風機のように風を回してるだけ。
コンプレッサーは動かないので室温は下がりません。あくまで体感を涼しくする補助的な機能です。
⑤ 温度設定のコツ
まず低めに設定(25〜26℃)で一気に冷やす
室温が落ち着いたら28℃前後でキープ
こうすると効率よく涼しく、電気代も節約できます。
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まとめ
エアコンは「設定温度ごとに冷たい風の温度を変えている」のではなく、
“コンプレッサーの動き”と“運転モード”を変えて冷え方を調整しているのです。
次にリモコンを手にするときは「温度=ゴール地点」だと思いながら操作してみてください。ちょっとエアコン博士になった気分になれますよ。

