「じゃあ、このあと会議室でちょっと話そうか」
――その一言から、社内の七不思議が動き出す。

早速予約システムを開いてみると、空きゼロ。AもBもCもZまで全部「使用中」になっている。いや待て、うちの会社、そんなに活発に会議してたっけ?

で、しぶしぶフロアをぐるっと回ってみると…案の定、誰もいない空の会議室だらけ。電気も消えてるし、机の上には何の気配もない。なのに予約は埋まってる。この現象、まるで会議室にだけ幽霊社員が存在してるレベル。

なぜかと言えば、大体は「とりあえず仮で押さえてる」パターン。実際に使うかは未定、でも取られたら困るから確保だけはしておく。いわば会議室版“場所取りタオル”である。使うか分からんレジャーシートで砂浜を独占するあの感じ。
しかもキャンセルしない。永遠に「使うかもしれない未来」にキープされている。無限の保留ボタン。

そして、ごくまれに「この会議室、誰か使ってる?」って入ってみたら、1人だけ座ってZoomしてる人とかいる。いや、それデスクでよくない?会社全体が**“会議室ラブ勢”**かよ。

会議室が足りない?違う。マナーが足りない。

結局、会議は廊下のソファで立ち話スタート。なのに通りすがりの人には「ちゃんと打ち合わせしてます」みたいな空気を装わなきゃいけない、微妙な緊張感もセット。なんなんだこれ。

会議室って、予約は簡単だけど、使うことが一番難しい施設かもしれない。