ちょっとコピーを取りに行って、3分後に席に戻ったら――椅子がない。
え? どこ行った?? さっきまでそこにいたじゃん、俺の相棒!
一瞬、ホラー現象かと思う。ついさっきまでそこに鎮座してた椅子が、忽然と姿を消してるんですわ。背筋が凍る。
まあ実際はホラーじゃなくて、「急ぎで来客用の椅子が足りないから借りました」っていう、**“誰かの勝手な持ち出し”**パターンなんだけど。
いや、言って。せめて一言。黙って持っていくって、現代社会でやっていい行動じゃないから。
しかもなぜかその椅子、二度と帰ってこないのよ。次に戻ってくるときは別の会議室に魂が転生してて、微妙に座面の高さも違う。「あれ、こんなギシギシ言ってたっけ?」みたいな違和感と共に。
そして数日後、自分の席に戻ってくる「別の誰かの椅子」。クッションへたってるし、肘掛けグラグラだし、明らかに使用感マシマシのやつ。完全に“中古住宅に勝手に引っ越された気分”です。
なんなら、たまに「そこ、今ちょっとだけ座らせてもらってます」って、他人が座ってることすらある。いや、ホテルのラウンジじゃねえんだぞ。マイルールで座らんでくれ。
椅子って、ただの家具に見えて、実は職場におけるアイデンティティの一部だと思うんですよ。
それを勝手に奪われるって、意外とダメージ大きいんです。

