「○○さん、声出てません!」
…あの瞬間、全サラリーマンが震える。

リモートワークもすっかり定着した今日このごろ。通勤ラッシュと満員電車に別れを告げ、「在宅最高〜♪」なんて思っていたのも束の間。新たに襲いかかってきたのが、“無音の恐怖”、つまり「ミュート地獄」である。

発言の番が来て、ちょっと緊張しながらも資料に目を落とし、自信満々にプレゼンを始める。だが、画面越しの皆の表情はどこか変…。
数秒後、チャットに現れる無慈悲なメッセージ——「○○さん、声が聞こえません!」

恥ずかしさと焦りで脇汗が全開。咄嗟にマイクをオンにしようとして逆にカメラをオフにしたり、PCを再起動しようとしてteamsごと落ちたり。
一度ミュートになっただけで、なぜここまでパニクるのか?
それは、自分の存在が“音もなく会議室に漂う幽霊”になってしまったような気がするからなのだ。

しかも、復帰しても「あ、すみません、どこから聞こえてませんでした?」のくだりが待っている。
誰も答えてくれない時のあの孤独感よ…。
「全部です」って言われた日にゃ、心のミュートが外れなくなるわ。


結局、リモート会議に必要なのは、最新のウェブカメラでもノイズキャンセリングでもなく、**“ちゃんと声が届いてる安心感”**なのかもしれない。