出張や旅行で新幹線を使うとき、誰もが一度は味わったことがあるはずだ。
「通路側の席に座るあの人、絶対わざとやってるよな?」ってやつ。
こちらは窓際に座っていて、到着前にトイレにも行っておきたいし、荷物の準備もしたい。でも、通路側の人が…動かない。イヤホンがっつり、目は閉じて、完全に“私は今この世にはいません”モード。いや、いるでしょ、そこに。生きてるでしょ。
しかもたちが悪いのは、こちらがモゾモゾと体を動かして“出たいサイン”を送っても、一向に反応なし。ちょっとカバンをがさつかせてみたり、靴を履き直したり、「ちょっとごめんなさい」の第一声を準備しながらタイミングをうかがってるのに、あの不動の構え。仙人なの?動かざること山のごとし。
やっと声をかけると、「あ、すみません…」って一応は立ってくれるけど、その瞬間に出てくるあの“めんどくさそうな顔”。え、なんでこっちが気まずい気持ちにならなきゃいけないの?そもそも、最初から「次の停車駅で降ります」とか、軽くひとこと言っておいてくれたら済む話なんだよ。
こういうとき、改めて思う。「新幹線の座席は、“場所”じゃなくて“人間関係”なんだな」って。
というわけで、私は最近、迷ったら通路側を選ぶことにしています。だって、通路側って…“強者の席”ですからね(そして心の弱者になる)。

