朝7時台の山手線。すでに車両はパンパンなのに、さらに詰め込まれる乗客たち。ドアが閉まる音は、もはや「カチッ」ではなく「ギュウゥウッ…」と悲鳴に近い。乗車率200%超えのその空間は、ただの移動手段ではない。生き残りをかけたデスマッチなのだ。
目の前にスマホを持った人、背後から押し寄せるリュック、横からは謎の肘がわき腹にヒット。気づけば、自分の足が微妙に浮いている。人間って、こんなにも物理的に密着できるんだなぁ…と妙な感動すら覚える。
しかもこの状況下で、必ず現れるのが“イヤホン男”。両手を上げて吊革を掴みつつ、音漏れ全開でアップテンポなEDM。こっちは鼓膜よりも心が壊れそう。さらに、痴漢疑惑を恐れて両腕を上げたまま固まる自分の姿に「これ何の修行だっけ?」と自問。
駅に着いても油断できない。降りる人より乗る人の方が多いというカオス。降りたいのに出口方向に人の波。ようやく車外に押し出された頃には、髪はぺしゃんこ、シャツはしわしわ、心はどこかに置き忘れてきた。
誰かが言ってた。「人生は旅だ」って。
でもサラリーマンにとっては、この通勤電車こそが、毎朝繰り返されるサバイバル旅なのかもしれない。
――あなたはこんな経験、ありますか?

