脱サラしてBARをやってみた                ~<追記>コロナ禍での新たな気付き 個人経営飲食店の実態 -6ページ目

長い間、夢見てみてやっとかなえた自分のお店ですが、日々お店をやっていると、どうしても慣れが生じてきます。

それは特に接客に現れるように感じます。

 

僕自身もたまに、自分でも気づかないうちに雑な接客になっていると感じるときがあります。

いわゆる「手抜き」です。

そういった、お店側の「手抜き」にお客様は敏感なので、少しづつお店の魅力低下につながっていくはずです。

開店当初の一生懸命で初々しい気持ちを持ち続けることは、意外に難しいことです。

パートナーなり従業員がいれば、まだ冷静でいられるのでしょうが、僕のようにひとりでやっているとどうしても自分の安きに流れていきがちです。

 

大切なのは時に冷静に自分を見つめ、そのたびに初心を思い出す事だと思います。

お店がうまく回らなくなって、それに気づいても、取り戻すには相当な期間と努力が必要です。

だからこそ、以前書いたように、定期的に自分とお店をレビューすることが大事だと考えます。

以前、お店の立地の選択肢について書いてきましたが、要はやる側が何を重視してお店をやりたいかで、どんな場所を選ぶべきかは変わってきます。

 

本当は、常連のお客様を中心としたコミュニケーション濃度の濃い店づくりをしたいのに、利益を優先するために繁華街を選んだ場合、痛し痒しではありますが、ストレスがたまる場合があると思います。

利益としては順調なんだけれども、これが自分がやりたかった事かと疑問に思うわけです。

逆に自分の理想を追求した挙句、経営として成り立たないのではもともこもありません。

お店を成り立たせるために、妥協も必要ですし、仮にどんなに理想を追求しても、お店を運営していくうえで、少なからずストレスは溜まります。

 

僕の場合は、自分の理想形でお店をスタートさせ、実際に店舗運営をやりながら、自分がうまく付き合える許容範囲のストレスを見極めて、自分がやりたかいことと経営を成り立たせるための手段の妥協点を探っていきました。

そして、その試行錯誤は今でも続いていますし、これからも続いていくのだと考えています。

前項で、「有効と思えばやってみればいい。それがダメなら、また次の対策を考えればいい。」と書きましたが、こういうスピーディーなトライ&エラーができるのも組織としての承認作業が必要でない個人店舗の強みだと考えています。

 

大きな組織では、何らかの施策を実施するうえで、組織の承認を得る必要があります。

ある意味、組織の承認を取るという作業がやっかいで、思わぬ時間と労力を取られる場合があります。

実は「敵は内にあり」というわけです。

もちろん、データなどによる検証などが必要なことも多々ありますが、そういった作業を含めて、事業主の意思決定次第でスピーディーに行うことができます。

 

当然、その結果の責任も個人で負わなければなりません。

でも、「その施策がダメなら、また次の対策を考えればいい。」

上手くいくまでやり続ければいいわけです。

前項でも述べたように、事業計画にはつねに誤算が生じます。

その要因は、分析不足や係数設定の誤りなど自分に起因するものもありますが、景気動向、気象環境など自分ではいかんともしがたい外的要因によるものもあります。

 

大事なことは結果に一喜一憂するのではなく、結果を受け止めて、期待した効果との誤差を埋めるためにどういう手立てをとるかという対策を素早く実施する事です。

 

当店では3か月に一度、事業計画をレビューし、誤差を埋めるための対策を練ります。

そしてその対策を実施する前提で次の3か月の事業計画を立てます。

さらに3か月後にはまたそれをレビューする。それを繰り返しています。

 

もちろん、その対策がうまくいくとは限りませんが、少なくともその対策はその時点では有効ではないという事が分かります。

そして、そのうえでまた次の対策を練ることができるのです。

 

悩みもがいて実践したことは経験となり、次の施策を生むための血となり肉となります。

大切なことは、最短距離で有効な経験を得るやめに、理論的、効率的に思考する仕組みを作ることです。

お店を開業する時点で、メニューやサービスなどお店の骨格となる施策は固まっているはずです。

しかし、お店を運営するなかで、思ったような成果が得られないことは多くあります。

むしろ、思ったような成果が得られる方が少ないかもしれません。

 

そんな時には、しっかりレビューしながら知恵を絞り、新たな施策を実施していくしかありません。

例えば、早い時間の来客数を増やすために、早い時間限定でフード一品とワンドリンクで価格をお得に設定したセットメニューを始めることにするとします。

この施策はかなり分かりやすい内容なので、即効性を期待してしまうかもしれません。

しかし、現実には数週間程度でそれほど効果が出るわけではありません。

短期間で効果が出ないからと言って、その施策が意味がないわけではありません。

それぞれの新サービスがお客様に認知してもらえるのに時間がかかりますから、ある程度長い目で見てそれぞれの施策を評価する必要があります。

 

そして、ある程度の期間が過ぎても成果が芳しくない場合は、さらに手を打つ必要があります。

例えば、セットメニューという骨格は残しながら、

・選択できるドリンクやフードの種類を増やす。

・提供時間を拡大する。

・認知を広げるためにチラシを配る。

・サービス提供時間外に来店頂いたお客様にもセットメニューの紹介をする。

などなど、いくらでもやれることはあるはずです。

 

「即効性のある施策などない」と最初から考え、「うまくいかなければ、うまくいくまで手を替え品を替えやり続ける」くらいのタフさが必要だと思います。