脱サラしてBARをやってみた                ~<追記>コロナ禍での新たな気付き 個人経営飲食店の実態 -5ページ目

長年の夢だった飲食店を始めて11年。

振り返ると、本当にアッと言う間でした。

しかし、本文を書くために思い起こしてみると、日々様々なことがあり、それを地道に積み重ねてきた11年間だったことが分かります。

11年間もよく頑張ってきたなとみることもできますし、たかが11年とみることもできます。

まだ、継続中の僕としてはやはり「たかが11年」です。

 

そして、いまだに、これからもこの店を続けていくことができるのか不安でいっぱいです。

僕がお店を始めるに際して「最初の3年が肝心。3年もてばその後もやっていける」とよく言われました。

しかし、今はもうそんな時代ではないと思います。

1年1年なんて悠長な期間ではなく、日々情勢や状況は変わります。

そんな中を知恵を絞って、体を動かして、乗り切っていかなくてはなりません。

自分でお店をやるという事はそういう事です。

上手くいく日もあれば上手くいかない日もある。

明日の保証は何もない。

もちろん、サラリーマンでもそうなのかもしれませんが、自営業はその不安をより切実に身近に感じるものです。

それは、結果は全て自分だけの責任であり、何の逃げ道もないからです。

 

それでも僕は自分で飲食店を始めて良かったと心の底から思っています。

サラリーマン時代よりも収入は格段に減りましたが、それには代えられない充実感を得ることができました。

サラリーマンを続けていたらきっと出会うことがなかったであろう多くの方々と知り合うことができました。

最初はお客様としてでしたが、今では親友と感じられるような出会いがありました。

そして、こうした毎日は家族に支えられてやって来れることができました。

それを実感するからこそ、家族にも誠実に接することができます。

 

もし、これから経営がうまく立ち行かなくなって閉店を余儀なくされたとしても、僕は脱サラして自分で飲食店を始めたことを後悔しないでしょう。

例えそうなったとしても、自分でお店をやった期間は自分の人生の中で充実した輝く期間だったと胸を張って言えるでしょう。

一度しかない人生。

自分がやりたいことができるという幸せは何事にも勝るものだと感じています。

だからこそ、この素晴らしい人生の瞬間を少しでも長く続けられるように日々試行錯誤し、もがいて、頑張っていきたいと思うのです。

 

これから飲食店を始めようと考えている皆さん。

皆さんの情熱は本物ですか?

自分の人生を、家族の人生を背負う覚悟はありますか?

出来る限りの準備はしたと言えますか?

色々な障害がこれからも待ち受けていると覚悟できていますか?

そんな障害から逃げない自信がありますか?

そして、この本を読んで何か感じてもらえるところがあったでしょうか?

自分の表現力のなさを棚に上げて言わせてもらえるならば、もし、何も感じて頂けなかったとしたら、まだあなたは準備が整っていないのかもしれません。

もし、自分が本気で飲食店を始めようと思っているとしたら、これまで僕が書いてきたことは決して他人事とはとらえられないはずです。

サラリーマン時代は僕にとってとても大切で充実した時代でした。

しかしただ一つ、後悔があります。

それは週末の過ごし方です。

 

サラリーマン時代は週休二日制で、毎週土日はお休みでした。

当時はそれが当たり前で、特に何もせず、ダラダラと過ごしていました。

ところが飲食店を始めると、当店は週休1日。

連休なんてそうそうとれるものではありません。

 

週1日の休みだとやれることが限られます。

泊りで旅行なんて行けませんし、ゴルフに行こうと思えば、営業終了後そのまま徹夜で行くしかありません。

 

自営なので自分次第で休みなんていくらでも取れると思われるかもしれませんが、いざお店を始めてみると、お店を休むことがとても怖く感じられるのです。

お休みをした日の分の売上がなくなることは当然ですが、イレギュラーな日に休みを取ると、それを知らないでお客様がご来店頂いて、お客様を落胆させてしまうのではないかと心配してしまうのです。

いざお店を始めてしまうとそんなもんなのです。

 

今振り返ると、週休二日制なんて夢のような生活です。

今、週休二日制で今後自営業を始めようとされている方は、連休のありがたさをかみしめて過ごしてください。

夜の商売というと、家庭は妻任せというイメージがあるかと思いますが、実は逆で、僕はサラリーマンのお父さんよりも育児に貢献できているという自負があります。

 

具体的には、保育園のお迎えに毎日行っています。

子供とも毎日最低2時間程度は一緒に遊べます。

日曜日は僕が起きて子供が寝るまで僕が子供の世話担当です。

一緒にお風呂に入り、寝かしつけまでします。

子供もお店屋さんごっこの延長で、自分でお店をやっている父親を嬉しく思っているらしく、よくお店にも遊びに来たがります。

 

サラリーマンのお客様からはよく「子供が起きる前に家を出て、寝てから帰るから寝顔しか見てない」と言う話を聞きます。

そこは自営業の強みで、自分の気持ちと努力ひとつで子供との時間をつくることができます。

まだ保育園に行っている年齢だから出来ることかもしれませんが、もっと大きくなっても、子供の宿題を仕込みをしながらみるなど、自分次第で子供との時間は作れるのではないかと思っています。

当店の営業時間はランチが11:45-14:00、夜が19:00-26:00です。

お客様からはよく「長時間で、しかも遅くまで大変だね」と言われます。

ところが、僕にとってはサラリーマン時代よりも生活が規則的になり、体の調子もいいように感じます。

 

僕の日常を大まかに紹介します。

 

・10:00 起床

・10:45 入店

・10:45-11:45 ランチ営業準備

・11:45-14:00 ランチ営業、仕込

・14:00-15:30 掃除、仕入、仕込

・15:30 一旦自宅に戻る

・15:30~16:30 食事

・16:30~18:00 子供を保育園にお迎え、子供と遊ぶ

・18:00 再入店

・18:00~19:00 開店準備

・19:00~26:00 営業

・26:30 帰宅

・26:30-28:00 風呂、晩酌

・4:00 就寝

 

営業日はほぼこの通りに過ごします。

つまり、とても規則的な生活を送っているわけです。

 

サラリーマン時代は、朝こそ決まった時間に出社するものの、帰りは残業があったり、飲みに行ったり、帰宅する時間はバラバラでした。

帰宅する時間によって睡眠時間も決まっていたようなものでした。

 

一方、今は睡眠時間も安定して6時間確保できますし、通勤時間も自転車で10分ほどなので無駄な時間も少なくなりました。

また、仕事を終えたあと、遊びに行く場所もないので、まっすぐ帰宅することも規則的な生活につながっています。

 

どのような生活が合っているかは人それぞれですが、僕には昼夜逆転していても、規則的な生活を送る方が体が楽なようです。

僕は営業中にお酒を飲むことはほとんどありません。

もちろん、お酒は好きですし、お客様から勧められれば売上にもつながります。

お酒を飲めば営業の質が下がることも懸念されますが、それは自分でコントロールしながら飲めば、それほど神経質になることはないと思っています。

むしろ、一緒に飲んでいるという雰囲気が生まれて、お客様も心地よく過ごしていただける効果があるかもしれません。

それよりも、僕の場合は、健康面に気を遣って飲んでいないのです。

 

習慣とは恐ろしいもので、飲むのが当たり前になってしまうと、毎日お酒を摂取することになり、しかも抑えながらとはいえ営業時間は長く、1日の営業時間でなかなかの量のお酒を飲むことになります。

それが続けば、当然体にもよくないでしょう。

 

当店は一人で営業していますから、僕が体調を崩せば即お店を休むことになります。

だから、短期的な売上よりも、長くきちんとお店を続けられることを考えているわけです。

 

営業を始めたばかりの事は「お客様と一緒に飲みたいな」とよく思っていましたが、習慣を味方につければ、飲まなくても何ともなくなります。

そして、幸い僕はバイク通勤をしているので、お客様から勧められた時にそれを理由にお客様の気分を害することなく、お断りすることもできています。