実際に開店してみてうまくいくかどうかという保証は、どんなに緻密に準備しようと、どんなに努力しようとありません。
それは自分がコントロールできない要因も大きく関与してくるからです。
結局、そのお店の評価はお客様が決めるものであり、周りの環境や時勢も関わってくる以上、自分のコントロールできる範囲だけでは如何ともしがたいものがあるのが現実だと思います。
また、極端な例かもしれませんが、開店直後に火災に見舞われてお店を失うこともあり得ます。
だからこそ、もしダメでもゼロからやり直すという覚悟は開店前から必要だと言えます。
僕の場合には、ゼロからやり直すために、借金をしないで開店を迎えるということを自分に課しました。
つまり自己資金で開店できるようお金を貯めるまで開店を待ちました。
ダメになった時に借金があればゼロからではなくマイナスからやり直すことになり、それを避けたかったからです。
もうひとつ、開業前に、こういう状態になったら廃業しようという指標を設定していました。
実際上手くいっていないのに、「もう少しで改善するはず」とズルズルとしがみつくのを止めたかったからです。
僕の場合は38歳で開業し、ダメになればまたサラリーマンをやるつもりでしたので、雇用してもらうためには年齢的に1年でも早い方がいいという事情もありました。
詳しくは後述しますが、この指標を設定するに当たり、これから死ぬまでの人生で一体いくらのお金が必要かというのをかなり細かいレベルでシミュレーションもしました。
そうして、自らが納得できる引き際を設定することで冷静な判断を下す準備をしたのです。