脱サラしてBARをやってみた                ~<追記>コロナ禍での新たな気付き 個人経営飲食店の実態 -17ページ目

僕はお店を始める前は電機メーカーに勤めていました。

職場はお店から電車を使って約1時間ほどの都心にありました。

なので、サラリーマン時代の同僚が頻繁に来店頂く事はあまり期待しない前提でお店を始めました。

 

ところがふたを開けてみると、特にオープンから半年ほどの間は職場の同僚、取引関係のあった会社の皆様など、たくさんの方にご来店頂き、立ち上げの時期をずいぶん助けて頂きました。

中には片道2時間かけてご来店頂いた方もいらっしゃったり、本当にありがたかったです。

 

僕は勤めていた会社を辞める際に、自分の勝手な都合で辞めるので、出来るだけ会社にかける迷惑を減らすように心がけました。

例えば、仕事を引き継げる体制をつくったり、退職する時期を仕事がひと段落する時期や部下がいない時期としたり、有給消化をしなかったり。

 

今思えば、そういう僕の姿勢が、同僚が多く店に足を運んでくれた要因なのではないかと考えます。

当然の権利と言って有給消化などして開店準備を進めるよりも、辞めた後に同僚に迷惑がかからないように仕事を整理したり、今までお世話になった方にあいさつ回りでもすることの方が有効な時間の使い方だと思います。

家庭を持っている方にとっては、言うまでもなく、家族の理解と協力が大事です。

大事というよりも必要不可欠で、理解が得られないなら止めた方がいい、もしくは得られるまで待つべきだと考えます。

 

個人の飲食店はサラリーマンに比べて収入は不安定なのはもちろん、生活リズムも普通の人とはかなり異なります。

当店の場合は営業時間がランチが11:45~14:00、夜営業が19:00-26:00で、日曜定休。

仕事の日は10:00時に起き、10:30出勤、開店準備をした後ランチ営業。

その後、仕入れや仕込みをして一旦自宅に戻り、18:00に再度出勤、19:00から26:00まで夜営業。

閉店後26:30時頃に帰宅、朝4時前後に寝るという生活でしたので、昼間生活の家族とは真逆の生活でした。

 

ただ、開店当初から子供ができる2年ほどの間は妻も一緒にお店をやっていましたので、妻も僕の生活リズムや飲食店の実態について理解をしてくれました。

逆に僕ができることとして、仕込みを終わらせたあと、子供を保育園に迎えに行き、そのあと家族そろって自宅で夕食をとり、再び店に戻っています。

そうすることにより、妻の負担を減らせるだけでなく、家族の接点も毎日持つことができていると考えています。

 

家庭の問題などを抱えていると、どうしてもそれがお客さんへの接客などにもあらわれてしまいます。

飲食業に興味を持ったきっかけは大学生時代のアルバイトでした。

4年間、同じダイニングバーでアルバイトし、学校にも行かず、そのアルバイトに没頭していました。

もうその頃には飲食業の面白さを感じ、いつか自分でお店をやってみたいと思っていました。

しかし、大学卒業後は電機メーカーに就職しました。

 

結局、その企業に16年半勤務し、その後、現在のダイニングバーを開店することになります。

大学卒業時に、飲食業を就職先に選ばなかったのは、飲食業以外の業種も経験してみたかったからです。

全く違った業種を経験したうえで、自分が本当に飲食店を開業したいのか、自分の気持ちを確認しようと考えました。

 

つまり、大学卒業時点では本気で自分で飲食店をやりたいと思っているのか自信がなかったのです。

そして結果、16年半サラリーマンをしている間も、飲食店を開業したいという気持ちは消えませんでした。

 

振り返ってみると、サラリーマン時代は、金銭面の準備も含め、自分の気持ちを確かめる期間だったと言えます。

飲食店として独立してやっていくことは、それを飯の種として、自分や家族の生活を背負う覚悟と自信が必要であり、それでもやりたいという気持ちに自信があるか、今一度自分に問いかけてみてください。

脱サラしてダイニングバーを初めて11年になります。

僕の場合、16年半やったサラリーマン時代から、いつか自分で飲食店をやりたくて、少しづつ準備をしてきました。

 

その間、飲食店開業に関する本を何冊か読みましたが、開業するための手続きや一般的な飲食店経営の仕組みが書かれた本は多くありましたが、開業後の生々しい実態について書かれたものはなかったように思います。

 

今思えば、開業することはお金や最低限の知識があれば誰でもできることで、開業後、続けていくことが最も肝心な事であり、そのことをもっと真剣に考えておくべきだったと感じました。

しかし、それは経営者として実際に店舗を運営することで経験しないと得られないものでもあります。

 

そこで、僕が実際にダイニングバーを開業して店舗運営することで、改めて気付いたこと、感じたことをまとめることにしました。

自分にとっては、これらまとめた内容は、今考えれば当然のことだけど、経験して改めて気付いた所謂「目からうろこ」の事ばかりでした。

そんな僕の気付きが、これから飲食店を開業しようとしている方の参考になれば幸いだと考えています。

 

一方、これから書くことは単なるノウハウではなく、小規模飲食店の実態です。

個人事業主として飲食店を運営していくということは、きっと皆さんが開業前に考えているよりもずっと厳しい道のりだと思います。

僕の経験した実情を踏まえて、それでも自分で飲食店をやりたいか、もう一度考えてみてください。