脱サラしてBARをやってみた                ~<追記>コロナ禍での新たな気付き 個人経営飲食店の実態 -13ページ目

家賃はお店を始める前から大きな経費として認識していましたが、始めてみて想像以上に負担になったのは電気代でした。

 

飲食店には何台もの冷蔵庫があり、常時稼働しているわけですから、それだけでかなりの電気を消費します。

当店でも、業務用冷凍冷蔵庫(3扉)が2台、アイスストッカーが1台、ワインセラーが1台、家庭用冷凍冷蔵庫が1台、家庭用冷凍庫が1台あります。

それだけで月2万円以上の電気代がかかっています。

 

それに業務用エアコンがありますので、ピーク時には4万円近い電気代になります。

しかしこれも、かかるものは仕方ないので、僕たちが出来ることは出来る限りの削減しかありません。

 

今では、電力会社が用意したいくつかの契約プランがあって、専門業者に依頼しなくても電力会社に依頼すれば、実際の店舗の時間ごとの電力使用状況を測定してくれて、最も節約できる契約プランをシミュレーションしてくれます。

当店でも、実際に調査を依頼し、プランを変更しましたが、それだけで年間数万円の経費削減になりました。

飲食店にとって最も大きな経費はやはり家賃でしょう。

家賃を優先して人気のない場所でお店をやっても意味がないので、立地、環境と家賃のバランスで納得できる物件を探すことになります。

かかるものは仕方ないので、僕たちが出来ることは出来る限りの削減しかありません。

 

家賃に関して言えば、契約時の交渉はもとより、開店後でも家賃減額の交渉はやるべきだと思います。

その場合には、地域の家賃相場や近隣店舗の家賃情報など、情報武装も必要だと思いますが、それ以上に、大家さん側に家賃を下げてほしい理由を理路整然と伝え、理解して頂く事が大事だと思います。

 

自己店舗の営業状況、今後やりたい対策、改善目標などを具体的に伝え、そのために家賃の減額をしてもらえないかと交渉するわけです。

その場合にはきちんと書面化して伝えることも必要です。

 

ただ漠然と「経営が苦しいから家賃を下げてください」では大家さんも納得して頂けません。

大家さんが「あそこの店は応援してやりたい」と思っていただければ、心強い味方になります。

苦難の開店1年目を助けてくれるのは、それまでに知り合った人々です。

同級生であったり、元同僚であったり、親戚であったり。

 

開店当初は開店祝いとして、その後も忘年会だ歓送迎会だといって来店してくれるでしょう。

じかし、そうやって人脈で助けて頂けるのもせいぜい1年でしょう。

そのうち、定期的に来店頂けるのは最寄駅に住んでいる方、せいぜい同じ沿線に住んでいる方に絞られてきます。

 

それは当然のこととして、人脈で支えて頂いているうちに地元の常連客をつくらなくてはなりません。

過去の人脈でつくられている店よりも、お店の魅力でお客様が構成されている店の方がむしろ健全であると考えるべきです。

前回、BARは2Fや地下にあることがセオリーだというようなことを書きましたが、その他にもセオリーといわれているようなことがあります。

 

よくあるBARの風景を思い出してみてください。

例えば、ハイカウンターである。

照明が暗い。

ジャズかクラシックがかかっている。

バーテンダーは白シャツにベスト、蝶ネクタイ。

チャージやサービス料がある。

などなど・・・。

 

僕はお店を始めるときこれらのセオリーに全くこだわりませんでした。

当店は低い椅子ですし、ロックもラテンもインドネシアの曲もかけますし、夏はアロハと短パンですし、チャージも、サービス料もありません。

当店では採用しませんでしたが、店内が明るいBARがあってもいいと思います。

 

僕は自分の店の設計を行う時に、自分が飲みに行きたいBARを常に思い描いて検討しました。

もちろん、それが独りよがりになってはいけませんが、店舗設計においても、信念はつねに持っていなければならないと思います。

路面(1F)にあるBARってが少ないと思いませんか?

路面にあった方が目につきやすいし、集客には有利そうなのに。

そこにはBARという業態ならではの特性があります。

 

BARは、自分のお気に入りの雰囲気の中でゆっくりお酒を楽しみたい方のご利用が多いと思います。

そこには、隠れ家的であったり、お客様のあまり他の人に知られたくないといった心理があるのではないでしょうか。

 

また、重厚なドアがあり、入り口からは店内の様子が見えないBARが多いように思います。

これにも理由があります。

店内が見える方が初めてのお客様は入りやすい反面、店内にいるお客様からすれば外の目を気にしなくていいから落ち着けます。

BARはあまり目立つ場所を避け、店内が見えない作りにする。

これはBARのセオリーなのでしょう。

 

ただし、これに盲目的に従う必要はありません。

自分がやりたい店に来ていただくお客様が何を求めるのかを想定し、それによって店舗選び、店舗設計を行うべきです。

当店の場合は2Fにありますが、入り口ドアには窓がついています。

ただし、窓からは店内の雰囲気は分かるものの、客席は少しだけ見える程度に設定しました。

また、1Fの路面にメニューなどを載せた看板を設置し、そこに店内の写真などを載せたチラシを常設しています。

 

実は、当店が2Fを選んだのにはもう一つ理由があります。

それは、泥酔のお客様は2Fまで上がって来にくいからです。

実際、効果的です。