Bittern Storm Over Ulm / Henry Cowの拍子記号を採譜してみた。
Henry Cowというのは60~70年代英国の、いわゆるプログレッシブ・ロックのバンドで。
プログレというのは、私などは、マントを着用したキーボーディストがキラキラと輝きつつ両手でメロトロンとオルガンを弾くイメージしかないですが、このバンドはかなりハードコアな感じで、それもそのはずバリバリのソーシャリスト、70年代ヨーロッパのインテリジェントな左翼の方々、「Rock in Opposition 反対派ロック」です
文化的な面では、20世紀の左翼ほどおもしろいものは他になく、今世紀初頭、きっと左翼はリバイバルヒットすると思います(自分でも書いてて意味不明です)。
この曲は"Unrest"というアルバムに入っててYardbirdsのパロディらしいです。ユーモラスなメロディで、Frank Zappaの影響があると思う。
それで、プログレファンの方々の大好きな「変拍子」というやつが使われてます。しかし私は「変拍子」という言葉、あまり好きじゃないです。
なんというか、拍子記号をつかまえて「変」呼ばわりするのは、拍子に対して失礼だろうと。ブルガリアやギリシアの民族音楽の立場はどうなるのか。全ての拍子記号は、平等であるべきではないか。ついでに私有財産は廃止、レコード会社を全部国営にして名前をメロディアに変えるべきではないか。
そういう、ハードコアかつ左翼的なムードを高めつつ、この曲の変拍子を聴くと、2拍子のユニットと3拍子のユニットの組み合わせとして捉えれば、ある意味シンプルに感じられると思います。まあプログレに限らず、奇数拍子は1950年代にジャズでも流行ったし、それこそ東欧の民族音楽では普通なのであります。結婚式とかで奇数拍子でダンスしてる訳です。
12/8というのは、シャッフルのリズムとしても演奏できるし、3拍子系にもとれる。ポリリズムですな。
12+8/8ととれば5拍子。そういう、拍子は全て平等であるべきだ、という、One Nation Under the Groove、いや、むしろnationは揚棄されるべきであり、one groove under socialism、そういう左翼思想がリズムによって表現されています。嘘ですが。
また東欧の民族音楽的な、「長い拍」と「短い拍」がある2拍子系と3拍子系の混合だという感じもする。あんまよく知らないがRadioheadというバンドの"Pyramid Song"というのもそんな感じでした。
time signature for Bittern Storm Over Ulm by Henry Cow
12/8 | 8/8 | 12/8 | 9/8 | 12/8 | 8/8 | 12/8 | 9/8 |
12/8 | 8/8 | 12/8 | 12/8 |
(0:29)
12/8 | 9/8 | 12/8 | 9/8 |12/8 | 8/8 | 12/8 | 9/8 |
12/8 | 8/8 | 12/8 | 6/8 | 4+3/8 |
(0:57 funny riff)
12/8 | 8/8 | 12/8 | 9/8 |12/8 | 8/8 | 12/8 | 9/8 |
12/8 | 8/8 | 12/8 | 6/8 | 4+3/8 |
12/8 | 8/8 |12/8 | 9/8 |12/8 | 8/8 |12/8 | 9/8 |
12/8 | 8/8 | 12/8 | 6/8 | 4+3/8 |
(1:53 break)
6/8 | 8/8 | 4+3/8 |
6/8 | 6/8 | 6/8 | 4/8 | (maybe)
(2:01 coda) 8/8 throughout till end
。
。
」という話。なんとも偉人たち大終結のエピソードですが、これなんかもジャズ演奏をギャンブルにかえれば、麻雀放浪記の世界だと思う。





