リーガエスパニョーラ第17節
レアル・ソシエダ1-0バルセロナ
先発
FW:ムニル、スアレス、ペドロ
MF:イニエスタ、ブスケツ、シャビ
DF:アルバ、マテュー、マスチェラーノ、モントーヤ
GK:ブラボ
交代
後半から、ムニル→メッシ
後半13分、ペドロ→ネイマール
後半25分、マテュー→アウベス
年をまたいだ休暇明けの一発目の大事な試合。バルセロナはここ数年苦手とするスタジアム、アノエタにて敗戦を喫しました。
今節は、現在リーガ1位のレアル・マドリードがバレンシアに破れたので、勝ち差を埋めるチャンスでした。そんな巡り合わせの中での敗戦は非常に残念です。
敗戦で気になった3つのポイント。
今節の試合では、気になったポイントが3つ程ありました。サッカー玄人の間ではそれぞれよく言われてる事と思いますが、僕の視点から書いてみます。
おおざっぱに言うと前半が悪く、後半は良かった印象でした。というわけで、前半と後半の違いから何となく見えてきた、今節の気になった点を3つにまとめてみました。
近年苦手とするアノエタで、なぜこのスタメンなのか。
前半の右サイドがもったいなかった。
前半のポゼッションが効果的でなかったため、ソシエダが最後まで頑張れたのではないか。
この3つです。そらそうでしょって話かもしれないんですが、3つ目に関しては、サイクルの終焉を感じる今のバルサの大きな問題点なのではないかと感じています。
まず1つ目「近年苦手とするアノエタで、なぜこのスタメンなのか。」
休暇が明けて、南米の選手の何人かの合流がこの試合の2日前だったようです。それを配慮してのメッシ、ネイマール、アウベスの先発落ちということですね。
2015年を占うと言っては大げさですが、年明け一発目の大事な試合にしてはパワーダウンし過ぎたスタメンだったのではないでしょうか。
まして、近年勝てていない鬼門のアノエタです。さらに今シーズンはレアル・マドリードもアトレティコ・マドリードも落としています。万全の準備が必要だったということです。
近年の結果から、バルサに苦手意識はなかったとしても、ソシエダは自信をつけてきていると思います。この場合、追われるものよりも追うものの方が精神的には優位です。なぜなら、ソシエダは基本的にはバルサ相手なら負けてもしょうがない、引き分けで金星というスタンスだと思うので。
そうした前提があって、あの開始早々のオウンゴールから、さらに精神的優位に立ち、プランが明確になったソシエダが、普段以上のパフォーマンスをだせる条件が整ってしまったのではないですしょうか。
続いて2つ目「前半の右サイドがもったいなかった。」
これは1つ目のポイントと繋がってくるんですが、この試合を見ていて、どうしてもムニルの存在感のなさが気になりました。前半の右サイドはモントーヤとムニルのバランスが良くなかったと思います。ただ、この若手2人のバルサにおける存在を考えると、うまく使ってあげられなかったと言った方が正解なのだと思います。
前半の先発メンバーでは、人に使われる選手が多く、人を使う選手が少なかったと思います。右のムニル、左のペドロを見ていて、サイドアタッカーのどちらか1人は起点になれる、人を使うタイプの選手がいて欲しいなと思いました。
最後に3つ目「前半のポゼッションが効果的でなかったため、ソシエダが最後まで頑張れたのではないか。」
バルセロナは後半、メッシが入ってからはイニエスタが前半よりやりやすそうにしていたし(そもそも重かったですが)連携が少しずつでてきて、得点が生まれそうな気配がしていました。ネイマールが入ってからも同じですね。仕掛けが増えてゴールに迫る回数が増えました。
前半からこれが出来ていれば!ってそれは結果論な訳ですが、もっと時間があれば点が取れていたと思います。
ただ、ソシエダは最後まで守り抜きました。交代枠にも余裕があり、1枚は消耗したアタッカーに使いましたが、残りの2枚は90分経ってからでした。つまりは時間稼ぎ込みの交代です。ここにソシエダの余裕が感じられました。
つまり、ソシエダが最後まで守りきれた理由は、単純にチームに体力が残っていたということです。
ではなぜ体力が残っていたのかというのは、やはりバルサの前半の内容の悪さだと思います。個人の仕掛けがなく、連携も少なかったです。効果的なポゼッションが出来ていないようでした。
ソシエダとしては想定内のもので、脅威がなく守りやすかったのではないでしょうか。余裕とは言わないまでも早々の得点でアドバンテージがある上に、消耗も少ない展開。
やはり、ペップ時代のような、作り直し作り直しのポゼッション、ボールを大事にするポゼッションが懐かしくなります。ボールを奪われない、相手を動かし走らせるポゼッションが出来ていれば、後半には相手が消耗して足が止まってきます。そうして崩しやすくなったところを、華麗なパスワークでフィニッシュして欲しいものです。
もちろんペップ時代も上手くいかないこともありましたが、チームの方向性としてポゼッションがあり、選手達が理解して動いていたと思います。今はそれがない。
サイクルの終焉。
バルセロナは昨シーズンは無冠に終わりました。良く言われたのがサイクルの終わり。ポゼッションサッカーの終わり。僕はそこまで思っていなかったんですが、今節、やはり終わっていたんだろうと思いました。それが分かりやすく出た今節の敗戦だったのではないでしょうか。
今はポゼッション「も」出来る、技術の高い選手たちの集まりがバルセロナなのだと思います。