僕はバルセロナを見続けてまだ3シーズン目なんですが、こんなに展望の見えないチーム状況は初めてです。(にわかなので悪しからず>>ごあいさつ
バルセロナの試合で面白いのは、試合中に相手を見て穴を探していくところ。攻められるところを見つけると、そこを繰り返し繰り返しポゼッションしながら突いていく、というものだと思います。そして、時間が経つと当たり前に氷が溶けていく様に、狙っていた攻撃で得点を取る。そんな攻撃サッカーが魅力だったのです。
では、相手チームの穴(穴は言い過ぎでしょうか、そこ攻めれば行けるんじゃね的な)を見つけるのは誰がしているんでしょうか。バルセロナにおいてはシャビ、そして何より監督でしょう。
グアルディオラの、タッチライン際まで出て来て戦況を見つめて、表情豊かに事細かく指示を飛ばしていた姿が思い出されます。
ペップバルサの場合は頑なにポゼッションを第一と捉えて、その中でメッシの位置を変えたり、3バックを試したり、哲学ありきで試合中にいろいろな手を打ってた様に思います。
もうすこし思い出を語ると、初めてシーズン通してのバルセロナを見た時に、何に驚いたかというと、キーパーまでボールポゼッションに参加しているということ。たしか解説者の方が、「スペインではキーパーにも足下が要求されますからね。」と平然と言っていたのを覚えていますが、僕には異様な光景に見えました。今振り返ってみても、あそこまでのボールの繋ぎをキーパーが勤めているチームというのは、あの時のバルセロナだけではないでしょうか。
中盤での2選手間だけで繰り返されるショートパスも衝撃的でした。3~4回は平気で壁パスをしている。まるでフットサルの様な光景。サッカーのTVゲームで性格の悪い奴がやってくる相手のおちょくり方のような。これは、それこそTVゲームのように相手をおちょくって引き出す効果や、味方のポジション調整や把握など呼吸を整える効果があると思います。
これに関連して、選手間の距離が非常に近いポゼッション。ボールを奪われてもパス交換していた選手達が近くにいるから、切り替えを早くすればすぐに2~3人で囲い込めます。「攻撃は最大の防御」という言葉をさらに一歩進めた様な戦術です。
世界最高峰のチームで世界最高峰の選手達が、特異に見えるサッカーをしている。このことが僕がバルセロナを見続けるきっかけの一つだったように思います。
さて、現在のバルセロナ。クラシコ2連戦におけるより大事な試合、勝ち上がり戦のコパでカンプノウでの完敗。それを受けての今日の一戦に、戦術的なプランはなかったようにみえました。
両チーム慎重に入って、そしたらレアルが先制して、ずるずる…という感じでした。メッシのゴールで追いつくものの、バルセロナの時間は無かったように思います。レアルが敷いて来たバルセロナ対策に対して、バルセロナの次の一手が見られませんでした。
今日の敗戦で、ただむすっとしている監督代行を見て、グアルディオラの表情豊かな指揮を思い出したので、こんな記事を書いてしまいました。なんだかタイトル負けな感じですし、論理的でないですが、何か吐き出したい気持ちだったので。
うーん選手のコンディションは落ちていると思います。しかし、今日の敗戦、選手のコンディションよりもなによりも、バルセロナのサッカーに次の一手が見られなかったこと。それが残念です。