とうとう来ました!ここ一番の盛り上がりの章です。
あ、最初から読みたい方はこちらから♪
https://ameblo.jp/barbyinfdt/entry-12407702483.html
ある日バーニャに会えたときに「私、逃げ出そうと思うんだよね。」と伝えてみました。
彼は大賛成。「うちにおいで!」と言ってくれました。
彼の家族に私はとても気に入られていて、そして心配もされていたから。
問題はいつにするか。。
時は年の瀬
新年のパーティーをしようと2世の留学生で話しており、
出し物のダンスを練習したりしていました。
年末のタイミングでいいんじゃないかな。
みんな私はもう大丈夫だと思ってる。
みんなに出し物のダンスを教えながら申し訳ない気持ちでしたが、
私はもう決めたんだ!運命は動き出している。
決行の日まで私は楽しく過ごせました。だってうまくいく予感しかなかった!
バーニャに住所を教えて、大晦日の夜中の三時に迎えに来てもらう約束をしました。
が、しかし!なんと決行日の前日から年末なので、ロシア人の教会のメンバーが数人○さんの家に泊まることに
なってしまい、
私はもうどうしよう。夜中誰もおきてないよね?とドキドキ
部屋の沢山ある家だけど、人が多いのはちょっと危険だわ・・
その日遊びに来ていた2世の留学生仲間も帰って
教会のメンバーも一緒に晩御飯食べて
祈祷会もいつものようにしてそれぞれの部屋に解散。就寝・・・
私は静かにそのときを待ちました。
ラッキーだったのは私が一人部屋だったこと。
パッキングして準備万端。確か靴も履いていた。部屋だけど。
この辺の要領のよさはこの頃からあったらしい。笑
夜中の3時少し前に、電気を消したまま部屋のドアを開けて
月明かりの入る薄暗い廊下にトランクを運び出します。
少しの物音もたてちゃだめ。
部屋のドアを静かに閉める。いや閉めなかったかも。
玄関までいくつか部屋の前を通るから注意して
静かに静かに・・
ちなみに私のトランクはパパのお古で大きくて
よく音もなく運べたと思う。
長い廊下を抜けて玄関にたどり着いたけど
玄関が真っ暗!
あ~、もうこの先は手探りで鍵を開けるしかないや・・
真っ暗で広い玄関の隅にトランクを置いて
私はまた静かに動き出します。そのとき
ガササッ!!
玄関の空間の中で物音がしました!
誰か隠れてた!?みつかった!?
私はもう逃げられなくて今度は監禁されて
日本に強制送還か!!
目を凝らすけど何も見えない・・・!
早鐘のようになる心臓を抑えて、私も氷のように動けずに息を殺していました・・
ニャ~
あ、あーびっくりした。ここで飼ってる猫!
驚かさないでよ・・
ほっとして、静かにいくつかの鍵を開けていきます。
ウクライナはロシアと同じで貧富の差が激しいので強盗に入られないようにと、
寒い国なので扉が2重になっています。
○さんの家は硬い鉄の扉だったような気がするな。
鍵が沢山ついていて。
玄関扉を静かに静かに開けて
トランクを運び出し
また静かに、音を立てないように閉める。
次は外の大きな門の扉。こちらも鉄の重い扉だったかな。
もう数週間住んでるので開け方は完璧。
それでもやはり音が出ないように用心して開け閉めしました。
ほっ。無事に外に出れた誰も起きてきてないよね?
窓からとか見てないよね・・やっと表へ出れた!
大きなトランクひとつと帽子にコート手袋マフラーブーツで通りに出た私。
後は待ち合わせるだけ・・
年末の夜中の三時のウクライナ
私は静かに目の前に広がる雪景色を見ていました
街灯がないから雪明りなのね。
私の胸中とは反対に静かにふる雪。
何の物音もしない。自分が雪を踏む音だけ。ギュって。
バーニャがこれなかったらどうしよう。
行く当てもないし、静かに戻るだけかな。笑
そんなこと考えたりしてたら
二つのライトが遠くからそろそろと近づいてきました。
それがバーニャ達の乗ったタクシーだったのです
つづく