編集部から与えられたテーマを著者なりに解釈、雑誌「GOETHE」に2011年から2015年に掲載、2015年8月に単行本化、2018年8月に文庫化したエッセイ。

目次をあげてみます。

 

無趣味のすすめ・贈り物の効用・クールジャパンと偏愛・韓流ドラマと復讐・「おいしい」ワイン・新年にあたって・企業の不祥事・モーレツと目標・日本が誇れるもの・インターネットと読書・仕事と家族・日本人の政治意識・オリンピックと貧困・成功体験について・日本語の乱れ・争点の喪失・「昔はよかった」のか?・忠誠心と信頼・アベノミクスの功罪・賃金は上がるのか・ITの皮肉・需要は増えるのか・社長になりたいですか・お金で幸福は買えるか・非寛容の時代・現代の革命とは・夢を持つべきなのか・高齢化社会は悪なのか・情報の取捨選択・メンタルな強さ・質問する能力・地方の自立、その光と影・加齢と労働・物流を守れるか・IT・情報技術のフロンティア・イノベーションとは何か・観光立国への道・人口減少と晩婚・未婚化・増税延期、その心理的影響・二極化の行方・おしゃれと無縁に生きる・理想の住まいとは・歴史に学ぶ・定年というシステム・我慢に利益はあるか・小さな経済圏について

 

著者は私より年上ですが、生きてきた年代が近いせいか、読んでいて言葉一つ一つに共感し、たくさんの付箋をつけました。

その一部を紹介します。

情報量と人的ネットワークの向上のない加齢は、救いようがない p40(新年にあたって)

多くの人がいまだ高度成長時の亡霊のような価値観で、生きている。p53(モーレツと目標)    
信頼だけは、金持ちも貧乏人も同様に、「誠意あるコミュニケーション」を継続しなければ得ることはできない。p149(お金で幸福は買えるか)
好奇心を失わず、興味あることに積極的に接していれば、いつか必ず何かに出会うp167(夢は持つべきなのか) 

「避ける」「逃げる」「休む」「サボる」そういった行為が全否定されているような社会は、息苦しいp203(加齢と労働)
 
 家族だろうが、同居人だろうが、信頼関係がない人とはいっしょに住めない。p245(理想の住まいとは)  

 

著者の生き方が出ていますね。

シニアの私も自分の生き方をもう一度見つめてみたいと思います。