2013年から2016年にかけて雑誌「小説現代」に発表され、2018年2月に単行本化された木原音瀬氏の作品。

私にとって、初木原作品です。

 

「あれの味は知っている。羽をむしると、どんな音がするのかも。」――「衝撃」という言葉以外この作品を表現できない、怪作「虫食い」ほか、人間の弱さ、不思議さ、愛おしさを描き出す、4つの鳥肌短篇集。

「罪と罰」 整形外科医の棚田のもとに、深夜、階段から突き落とされた若い男が運び込まれた。爽やかな好青年であるこの患者のために棚田は懸命に治療をするが……。  

「消える」弟を愛してしまった僕。その切なさに距離を置いていたが、弟の運転する車で事故に遭ってしまい、僕の身の回りの世話をする毎日。未来永劫、僕から離れられない。  

「虫食い」幼なじみの隼人だけは、日向が虫を食べることを知っている。そしてそのことに欲情することも。 

「ミーナ」 しわしわネームの亀井道代は自分のことを「ミーナ」と呼ばせている。親友の若菜はミーナの華やかさに惹かれているが、なぜかクラスメート達は遠巻きにしている。

 

以上がAmazonなどで説明されている内容ですが、どれも予想をはるかに超える衝撃を受けましたが、その中でも「ミーナ」は女心の虚栄心をうまく描いた作品です。 

 私の若い頃にもこういう見栄を張る女はいましたけれど、  今のJK世代はもっと醜いのかもしれませんね。

 

「昔から嘘ばっかつく女だったけど、顔も名前も変えたんだ」(中略)返事をする前に、ツイッターに飛んだ。白鳥美衣菜で検索すると、亀井道代、整形・・・情報が生き物のように拡散されていく。いくらミーナが嘘をついても、生きてきた二十七年間にかかわった人はいる。世界はミーナの理想の嘘を拒否している。p196-7

 

現実は小説よりも奇なり。生きにくい世に中になっているから、現実味を帯びてくる恐ろしい作品。