今日は小説「BOC」の螺旋プロジェクトで生まれた朝井リョウ氏の作品をご紹介します。
植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。二人の間に横たわる“歪な真実”とは?毎日の繰り返しに倦んだ看護師、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年ディレクター。交わるはずのない点と点が、智也と雄介をなぞる線になるとき、目隠しをされた“平成”という時代の闇が露わになる―“平成”を生きる若者たちが背負う自滅と祈りの物語。 (「BOOK」データベースより)
「桐島、部活やめるってよ」でデビュー、「何者」で直木賞受賞した朝井リョウ氏の活躍を楽しみににしている一人ですが、本作品は著者にとって2年7ヶ月ぶりの新作長編です。
舞台はまさに著者が活躍した平成。
我が子たちも育った時代で、生きるという意味を問いかけて生きる堀北雄介(山族)と海山伝説にこだわる父に反発して生きる南水智也(海族)を中心に時代を象徴するような人物たちが交わっていきます。
あらゆることがただ繰り返されている日々の中で、何が生きがいになり得るのか。(白井友里子:看護師)p37
その人の背景が変わるだけで、その人が所属している場所が変わるだけで、その人までが変わってしまったように見える。(前田一洋:転校生)p94
「全然違うもので人間が二つに分けられちゃっても、みんな、そういうものだから、って簡単に諦めるのかな」(坂本亜矢奈:高校生)p159
見返してやりたい。そんな萌芽が顔を出した。(安藤与志樹:大学生)p233
「雄介が探しているものって、生きがいっていうより」[実際に見つかったのは、生きがいっていう名前のものじゃないと思います]「死にがい、じゃないの」(弓削晃久:ディレクター)p398
ここには引用しませんが、著者が今までの作品でも言い続けたテーマがこの作品でも生かされていて、それがわかるのが、最後の南水智也の独白p468です。
螺旋のように繋がりを持つプロジェクトの作品は、どこに繋がりを持ってきているかを追う楽しみもあります。
9作品のうち3作品を読み終えました。(伊坂氏の作品は単行本1冊にまとめてありました)
あと6作品も読みたいと思います。

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