
リアルフェイス (実業之日本社文庫)
美を創り出す芸術家のように、依頼者の顔を変える天才美容外科医・柊貴之。金さえ積めばどんな要望にも応える彼のもとに、奇妙な依頼が舞い込む。いまの妻の顔を前妻の顔に変えろ、ある男を別人にしてほしいなど。さらに、整形美女連続殺人事件の謎が…。予測不能の一気読み医療サスペンス×ミステリー!(「BOOK」データベースより)
今日紹介するのは、沖縄出身で内科医でもある知念実希人氏の作品です。
私にとって著者の作品は、本屋大賞にノミネートされた「崩れる脳を抱きしめて」、「祈りのカルテ」についで3つ目です。
この作品は2015年に幻冬舎文庫から『改貌屋 天才美容外科医 柊貴之の事件カルテ』として出版されたものを今年改題・改稿して発行された作品なので、すでに読まれておられる方も多いかもしれません。
随所に現れる「顔を変える理由」「本音」と「建前」など非現実的でありながら、人間臭さも感じ、さすが著者がドクターだけあって、主人公も冷静沈着でごくごく淡白な口調でありつつ実は患者の内情を気配りしているし、医療施術に関する説明はより専門的でリアルに描かれている点も、いつもの著者らしさを失わない作品です。
「私と同様に、神楽誠一郎もたしかに天才だった。だからこそ、私はあの男に四年間も『柊貴之』を任せたのだ。」P339
ミステリーとしてはとても軽い感じで、謎解き好きには物足らないかもしれませんけれど。
【目次】
●プロローグ
●第一章 芸術を刻む外科医
幕間
●第二章 仁義なきオペ
幕間
●第三章 虚像の破壊
幕間
●第四章 二枚のペルソナ
●エピローグ
