さざなみのよる
「小国ナスミ、享年43。」宿り、去って、やがてまたやって来る―感動と祝福の物語。(「BOOK」データベースより)
NHKのドラマで放映された『富士ファミリー』の小国3姉妹のうち、43歳で亡くなった次女、ナスミ(ドラマでは小泉今日子が演じていました)の背景が、本人やいろんな人の視点により短編形式で描かれています。
ナスミの最期や、彼女がどう生き、誰とどう関わったかが描かれていて、彼女の43年間はとても濃厚だったことがうかがえます。
「お金にかえられないものを失ったら、お金にかえられないものを返すしかない」
「私がもどれる場所でありたいの。誰かが、私にもどりたいって思ってくれるような、そんな人になりたいの」
ナスミの言葉で、家族や友人、知人に残した言葉がとても印象的です。
ドラマ「富士ファミリー」を見た方ならすっとその世界観に入れる木皿泉の小説第2作です。