大人になって、大丈夫なふりをしていても、ちゃんと自分の人生のページをめくったら、傷ついてきたことはたくさんある――。それでも、誰かの何気ないひとことで、世界は救われる。悩んだり傷ついたり、生きづらさを抱えながらも生きていくすべての人の背中をそっと押す、キラメキの8編。

今日紹介するのは、「あなたを救ってくれる言葉が、この世界にありますように」と帯で語られた直木賞作家、西加奈子氏の最新短編集です。

収録作品は、

1 燃やす
2 いちご
3 孫係
4 あねご
5 オーロラ
6 マタニティ
7 ドブロブニク
8 ドラゴン・スープレックス

「人はいなくなっても、言葉は残る。誰かの言葉に縛られる絶望は、誰かの言葉に守られている希望に替えていけばいい。本書の物語は、そう力強く告げている。」と詩人 文月悠光は評しています。

私が特に好きだったのは、「孫係」

おじいさんと孫娘へ語る言葉の一つ一つが今も響いてきます。

「正直なことと優しいことは別なんだ」

「自分の体全て自分の意思で動くわけでないんです。(中略)ゆだねられるところはゆだめましょう。私たちはこの世界で役割を与えられた係なんだ」


おまじない (単行本)