6月のサービスボトル | BAR white L(ホワイトエル)のブログ

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天神橋最南端のBARです。
「身近で温かいオーセンティック」
をコンセプトに下町のbar文化を発信していく所存です。
心地良く背筋を伸ばし、限りなく心に寄り添う。
white Lはそんなお店でありたい。

BAR white L
ほぼ無休 18時〜4時
大阪市北区天神橋1-10-9 2F

先日は京都を訪れました。



貴船に一泊しましたが、ここが丑の刻参り発祥の地だと現地で知る...。
されとて「床」は思いの外素晴らしく、風情と伝統に心打たれました。失礼な言い方ですが、お料理も意外と美味かった。



これからも出来る限りの未知に触れたい。
一生バーテンダー、一生旅人。鈴木です。


6月のサービスボトルを御紹介致します。
シングルモルトウイスキー二本立て! 



王道かつ奇跡的なコストパフォーマンスを誇るグレンリベット18年と、今年も入荷したアードベッグのお祭り限定ボトル!

先ずはグレンリベット‼︎



ザ・グレンリベット18年
¥1400/shot

毎年サービスボトルで紹介する一本。
このご時世で、このクオリティ・熟成年数でこの価格。奇跡のシングルモルトウイスキーです。
恐らく何時かは高騰する。と言うか少しずつ高騰してきた。今の内にお楽しみ下さい。

スコッチウイスキーの歴史は密造酒の歴史。
課税から逃れる為に細々と密造を続け、決してスコットランドから外に出る事は無い地産地消の「田舎の酒」でした。
当時連合王国の中心イングランドではブランデーやワイン、ビールが嗜まれていた。

そして1800年代。時の国王ジョージ4世がスコットランド行幸の最中「美味い密造酒」の噂を耳にし、中でもある貧しい男が造る酒を大変お気に召された。
男の名はジョージ・スミス。1824年、彼の蒸溜所は初の政府公認蒸溜所を取得し、イギリス中で販売され人気を博す。
「田舎の密造酒」が「スコッチウイスキー」に変わった瞬間です。

そしてそのウイスキーこそがスコットランド・スペイサイド地方の、「ザ・グレンリベット」‼︎

ジョージ・スミスは密造仲間から妬まれ、時には命まで狙われます。
その後は他の蒸溜所もスタイルを真似、次々と政府公認を取得。真似たのは生産スタイルにとどまらず、何と商品名迄パクった。
皆が「グレンリベット」を名乗ったのです。

今日酒棚にドヤ顔で鎮座するマッカランすら、当初は「マッカラン・グレンリベット」の名で販売されていました。

堪り兼ねたグレンリベットは法に訴え、「グレンリベットのみがグレンリベットを名乗れる」なる当然の判決を勝ち取ります。

その際、我こそが本物かつ唯一のグレンリベットであると主張する為、定冠詞「THE」を付け

ザ・グレンリベット

と改名したそうな。

今でも一部のウイスキーラヴァーは敬意を込めて「ザ・グレンリベット」と略さずオーダーされます。
その他シングルモルト蒸溜所名にもTHEが付く物もありますが、グレンリベットとは重みが違いますね。

仕込み水に硬水を使う以外は特に奇をてらわず伝統製法を重んじる。熟成は主にバーボン樽、一部シェリー樽も使用。
真っ直ぐなスペイサイドモルトですね。

中でもこの18年物。
一言で表すなら「エレガント」。

ファーストフィル、セカンドフィルのバーボン樽とシェリー樽、3種の樽を組み合わせ18年以上熟成された、マスターディスティラー「アラン・ウィンチェスター」渾身のウイスキー。

フルーティーで、リッチで、香ばしく、エレガント。高貴な一杯をどうぞ‼︎

お次は今年も入手、アードベッグのお祭りウイスキー‼︎



アードベッグ スペクタキュラー
¥2400/shot

世界中のBARで争奪戦となる年に一度の限定品。スコットランド・アイラ島の超スモーキーシングルモルト「アードベッグ」のお祭りボトルを今年も御紹介‼︎
毎年5月最終週から6月一周目にかけてアイラ島では大きなお祭りが開催されます。
『スコッチウイスキーの聖地・アイラ島』らしく、期間中は日替わりで各蒸溜所がイベントを行う。

そして島を代表するヘビーピートウイスキーの造り手「アードベック蒸溜所」が毎年担当する最終日は『アードベックDay』と呼ばれ、毎年祭り限定の新作のウイスキーがお披露目されます。

アードベッグDay限定商品は極少量生産故に毎年即完売し、翌日に数倍の価格でネット取引される...。
手に入れられるのは一握りのBARと酒屋。
それをお客様に届けず高額で転売するとは、心無い奴が居るもんです。
バーテンダーがウイスキーの価格高騰に加担してどうする( ̄▽ ̄)

当店はメーカーから直接定価で仕入れますので常識的なお値段、更に今月は特価にて御提案致します‼︎
入手困難な限定アードベッグ。
そんなドル箱ウイスキーこそサービス品で!
これぞ、『下町のオーセンティックバー』たる使命です。
にしても、定価もどんどん上がってくなぁ...。

今回のテーマは
「ダークサーカス」!

『「ピート」を主演とするアクロバティックなテイスト。まるでサーカスを鑑賞しているかのような高揚感を彷彿させる仕上がり』

だそうな。

製法としてはアードベッグお得意のバーボン樽熟成原酒と、アードベッグ初のポートワイン樽熟成原酒をヴァッテイングしたもの。
ポート樽原酒由来の甘く濃いテイストがタールとピートのフレーバーと入り混ざって実に心地良い。
ミントやナッツ、塩キャラメルの要素もあり。

近年のアードベッグDAY商品の中では秀逸な出来ではないでしょうか⁇

一杯の満足度が極めて高い。

スコットランドのお祭りボトル、南森町の片隅で御堪能あれ‼︎