皆様こんばんは
或いはおはようございます
コンビニで
例えば950円の代金で
まず50円を出してから
しばらく他の小銭を探していると
「その様子だと900円なさそうだな?
どうせ千円札で1,050円なんだろ?」
感満載の顔でレジの店員さんが
すでに100円玉握りしめていたので
諭吉さん出してドヤ顔
今回の勝負は俺の勝ち
そんな勝負も
自動精算機が導入されてからは
負けっぱなし
もっともカード派 カズアキです
さて、wLの洋酒辞典2ページ目です
今回は「蒸留酒」の話を
ちょっとだけ力を入れて書きますので、長くなりますがどうぞお付き合いくださいませm(_ _)m
ではスタート
wLの洋酒辞典
Page 2「世界の酒の大分類~蒸留酒 編~」
前回は、世界の酒を大きく3つに分類した
・醸造酒
・蒸留酒
・混成酒
のうち、醸造酒の話をしましたが、今回は蒸留酒です
ジン、ウォッカ、ラム、テキーラ、ウイスキー、ブランデー等
Barにとってはなくてはならない酒たち
そもそも、蒸留酒とはなんぞや?と
そこに疑問を持つ方も多いと思いますので、かるく触れておきます
蒸留酒 (ジン・ウォッカ・ウイスキー等)
そうしてつくられた酒が蒸留酒
醸造とは違い、既存のアルコール(酒)が無いとそもそも蒸留はできない
↑ここポイント
蒸留酒の要となるのは、何と言っても「蒸留」です
(まんまですね 笑笑)
その蒸留を行うには、必ず発酵という工程が必要になるのですが、、、
ざっくりいうとこんな感じ
【原料→発酵→蒸留】
じゃあちょっと詳しく見ていきます
蒸留酒の製法
簡単に言うと、液体を熱することで蒸気(湯気)となって蒸発していった気体を集めて、冷やしてもっぺん液体にすること
それが蒸留
後に触れますが、蒸留ってのは何も酒をつくるためだけの技術じゃあなくって、エリクサーとか、香水とか、錬金術的な
いわゆる色々と混じった液体をクリアにする技術なんですね
蒸気(湯気)を液体に戻すことで、より純度の高い液体をつくり出すのが蒸留
そこを、酒だけに当てはめるとアルコール度数を高める技術となるわけです
上の写真にもあるように、もろみを容器に入れ、ガンガン火を焚きます
そうすると、どんどんもろみの温度が上がっていきます
ここで大事なのが、沸点です
100℃で沸騰する水に対して、アルコールの沸点は78℃
この沸点の違いを利用して、アルコールだけを蒸発させます
蒸発して気体となったアルコールを、冷やしてもう一度液体に戻すと、もろみだった頃よりも純度の高いアルコール液が得られる
そんな寸法です
死に物狂いでやったとしても、発酵だけで得られるアルコールは、せいぜい20度まで
そこに蒸留を加えることで、アルコール度数を40度以上に高めることが可能となるわけです
めちゃくちゃ頑張ったら90度以上のアルコールをつくり出すこともできます
度数が高くなればなるほど、原料由来の成分の割合が低くなり、純度の高いアルコールになっていく
そのかわり、原料の味は薄くなります、良い意味で
クリアになると言った方がいいですかね
そこをふまえて、もう少しだけ、製法について話します
単式蒸留と連続式蒸留
酒の蒸留方法は、主に単式蒸留と連続式蒸留のふたつに分けられます
ざっくり言ったら、
1回ずつしか蒸留ができないアナログが単式蒸留で、連続して一気に蒸留ができるハイテクが連続式蒸留
単式蒸留は昔からある技術で、連続式蒸留は比較的新しいものになります
アナログだからだめ!
ハイテクだから良い!
ってことはなくて、それぞれにそれぞれの良さがあります
じゃあちょっとそれぞれを詳しく
単式蒸留とは
(画像はネット上のものをお借りしています🙇♂️)
名前の通り、単式蒸留器(ポットスチル)を使った単発の蒸留技術
昔からある伝統的な製法
アルコール度数は高めたいが、原料の風味もある程度残したいんだよね〜
ってときにおすすめ
1回の蒸留で得られるアルコール度数は、元の液体の約3倍ほど
だいたい原料のもろみは約7度なので、初蒸留で得られるアルコール度数は20度くらい
ウイスキーなんかは、この作業を2〜3回ほど繰り返して、アルコール度数60度前後の原酒をつくり、そっから熟成やら何やらします
(この話はまたいつか)
蒸留回数を増やせば増やすほど、得られるアルコール度数は高くなりますが、原料の風味は失われていきクリアになります
その辺の塩梅は各メーカー(蒸溜所)によって異なります
さて、ではつぎは連続式蒸留
連続式蒸留とは
こちらもそのまんま、連続式蒸留機(パテントスチル)を使った蒸留技術
19世紀頃からの技術で、単式蒸留にくらべ新しくて機械的な製法
原料の風味はいらない!
とにかくクリアなアルコールが欲しい!
そんな方におすすめな蒸留方法
※因みに、伝統的な「単式蒸留器」に対して機械的な「連続式蒸留機」ってことで「器」と「機」が使い分けられてます、知らんけど
ビルみたいな機械の中に、いくつもの単式蒸留器が連なっていて、オートで何度も何度も単式蒸留が行われる
その結果、連続式蒸留
そんなイメージです
アナログな単式蒸留とは異なり、いっぺん蒸留機を動かすだけで90度くらいのアルコールが得られます
もちろん原料の風味なんてほとんど残りません
かーなりクリアな、純度の高いアルコールを効率的につくり出せる蒸留方法
時間と手間があまりかからないので、大量生産に向きますかね
では、蒸留酒の歴史をみていきます
蒸留酒の歴史
蒸留酒と言いましたが、蒸留技術は酒に特化したものではなく、主に「錬金術」が絡んで発展した技術です
蒸留器の誕生はなんと5000年前!
メソポタミア文明のテペ・ガウラ遺跡で発掘されたものが最古の蒸留器とされています
当時の蒸留器は主に香水をつくるための物で、今ほど活用方法はなかったのだとか
紀元前3世紀にはエジプトのアレキサンドリアで、船乗りの飲み水として、海水を蒸留したという記述が残っています
この時点で蒸留器が誕生してから3000年は経っています
それでもまだ蒸留酒なんて登場しません
そうして時代が進み11世紀頃
中世の錬金術時代ですね
掌を合わせるだけで武器やら何やらを生成したり、「炎の」の二つ名でごっつい攻撃をしたり、、、
そういうのじゃなくて、科学の延長な感じ
今で言う科学者が当時の錬金術師であり、彼らによって磁器や火薬や色んな化学薬品が発明されました
とは言うものの、彼らが本当につくり出したかったのは、やっぱりあれです
万病を治し、不老不死を実現し、鉄屑から金を生成できる究極のあれ
みんな大好き「賢者の石」
その石の生成方法は諸説あるみたいですが、その中のひとつが蒸留器を用いる方法でした
アラビアの錬金術師たちは、蒸留器を使ってなんとか賢者の石をつくり出そうと、必死になっていたそうな
その途方もない試行錯誤のなかで高純度のアルコール溶液が偶然生まれたのでした
こうして出来上がった蒸留酒を「アクア・ヴィテ(生命の水)」と呼び、病気を治す秘薬として飲用するようになりました
14世紀のイタリアではペストの民間治療薬として、蒸留酒がつくられていたとか
正に 酒=薬‼︎ な時代
この頃、蒸留器はアラビア語で「アル・アンビック」と呼ばれ、これが訛って「アランビック」となり蒸留器全般を指す言葉になります
11世紀になるとアラビアの商人たちがこのアランビックを世界中に伝搬し、シルクロードを通じて中国の雲南に伝わり、そこからモンゴルや中国全土、タイなどの東南アジアへと広まったそうな
日本に蒸留器が入ってくるのはそのだいぶ後
14世紀頃ですね
当時アジア諸国の交易の中継地として栄えていた琉球(沖縄)に、東南アジアのシャム国(今でいうタイ)からインドシナ半島を経由して入ってきます
琉球はその頃、ラオロンというシャム国の蒸留酒を輸入していたのですが、同時に蒸留技術が伝わって、それが徐々に広まって、日本初の蒸留酒「泡盛」が誕生しました
その後蒸留技術は九州にも伝わり、焼酎ができて
それが日本全土に広まって、江戸時代にはアランビックがさらに訛った「らんびき」の名前で蒸留器が発展していったそうな
そんな感じで中世のアラビアの錬金術師たちによる賢者の石の研究は、蒸留酒の製法を確立しただけでなく蒸留技術や蒸留器の発展にも大きな影響を与え、今日の我々(一部の人間が対象ですが、、、)を支える「蒸留酒」という嗜好品を生み出したのでした
最後にひとこと
はーい
めちゃくちゃ長かったですね 笑
「蒸留酒の歴史」に加えて「蒸留器の歴史」まで書き出すと、あとたぶん倍ほどの量になるので、もうやめます
じゃあ軽く蒸留酒についてまとめておきます
蒸留とは、アルコールの純度を高める技術で、既存のアルコール液(酒)がないとそもそもできない技術
水とアルコールの沸点の違いを利用し、蒸発したアルコールの気体だけを再度液体に戻すことで高濃度なアルコールを得る
単式蒸留とは、単発の昔ながらな蒸留方法で、原料の風味が残りやすく手間もかかる
連続式蒸留とは、連続した近代的な蒸留方法で、原料の風味はほとんど残らずクリアな酒質になり、効率的的に行える
はい!
以上!!
では次回は「混成酒」の話です
長らくお付き合いありがとうございました
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