随分涼しくなりました。そりゃそうだ、あと2週間で10月だもの。毎回痛感するけど、季節の移ろいは無情で刹那。毎回後悔する。もっと夏を満喫すれば良かった、と。
海・プール率、生涯ワースト。鈴木です。
旅行を趣味と定めて以降、常に感じていた「虚しさ」。
それは一泊二日で温泉宿を利用する度、痛感します。
新しい土地・観光地、良い湯、温もり溢れるサービス、御当地料理と美味い酒。
それらを15時チェックイン朝9時チェックアウトの18時間の以内に、出来る限り堪能し睡眠も取る。「のんびりする」どころか1秒も余裕ありません。結局、睡眠不足&二日酔いで朝を迎えます。楽しかったけど疲れたな、が毎回の印象。
朝を迎える度に思う。
同じ宿にもう一泊出来たら幸せなのになぁ...
と。
朝食すっ飛ばして昼前まで惰眠を貪り、温泉浸かって目を覚まして午後から近隣を観光。
なーんて最高やな。
しかし貧乏性故にそんな旅はした事がありませんでした。
もし連泊するなら宿を変えたいし、そもそも二泊以上有れば海外やら沖縄やら行ってしまう。
国内の同じ温泉宿に二日以上滞在するのは「勿体無い」と思ってしまうのです。
そして時は2020年、コロナ禍で海外旅行が封じられ、沖縄は飽きる程訪れた。
今こそ長年の夢を叶える時‼︎
そう、同じ温泉宿に二泊し、本物の「ノンビリ」を体感しよう!
折角なら訪れた事がない場所に行こう‼︎
2020年10月、岐阜県は下呂温泉へ向かいました。
御目当ての宿は御常連様から教えて頂いた下呂温泉ど真ん中の「小川屋」。
大阪から車で4時間。
旅らしい距離かつ二泊する価値ある所要時間です。
途中「平成」推しの道の駅で休憩。
この一帯は昔平成(へなり)と呼ばれていたそうで、元号が平成に変わった際に平成村(へいせいむら)として町興しを始めました。しかし現在、実際にはそんな地名は無いんだとか。
岐阜には他に「大正村」「昭和村」も存在するらしい...。
逞しいな( ̄▽ ̄)
はい、下呂温泉到着ー。
岐阜県下呂市、飛騨川沿いに位置する大温泉街。
有馬・草津に並び「日本三名泉」に数えられます。
約1000年前に下呂温泉東方の湯ヶ峰山頂付近に温泉が湧出したのが起こり。山頂の温泉は枯れてしまいましたが、飛騨川の河原に再び温泉元が見つかり今日の下呂温泉の礎となる。
しかし度重なる川の氾濫の度、温泉街は壊滅。遂には湯脈が破壊され、大正から昭和に掛けて地元民の尽力で徐々に復興を遂げました。
軌跡を辿れば古いが、温泉街としては比較的新しい訳です。
泉質はアルカリ性単純温泉、源泉温度84度。
つまり特に硫黄臭がある訳でもヌルっとした泉質でも無く、むしろ源泉掛け流しの宿はほぼ無い為に少し消毒臭のする「普通のお湯」...。
泉質目当てで訪れる場所では御座いません。
それでもこの土地に皆が足を向ける理由が有る。
先ずはロケーション。
厳しい山間部に突如現れる温泉街。
広すぎず狭すぎず、程よく雄大な飛騨川を眺めながら過ごす時間は、明らかに時計の針が遅く進む。状況は全く異なりますが、沖縄でビーチに落ちる夕日に飲み込まれる様な感覚。
河原には無料かつ24時間入浴可能な混浴露天風呂が有ります。
昔は本気の混浴風呂やったそうですが、流石に昨今では水着着用が義務付けられたとか。
余り変な期待はされぬ様お願い致します。実際は殆どの方が足湯利用です。たまに気合の入ったオバチャンが水着で浮かんでます。
余り期待されぬ様...。
で、この下呂温泉。
町の中心部に何故か映画「キッド」のワインシーンを模したチャップリンの等身大ブロンズ像が有り、明らかに『チャップリン推し』。
何っ⁇下呂温泉とチャップリンって縁あるの⁈
と調べると、何と、
チャップリンと下呂温泉は何の縁もゆかりも無い
そうです...。
観光協会主導で温泉街を盛り上げようと様々な有名人の像を設置する計画が途中で頓挫し、チャップリンだけが残されたらしい...。
うーん。
僕ぁ、好きだよ。
このノリは凄く好きだ。
最早色々踏まえて「情緒」を感じる。
町を散歩し駅に遭遇。
しかし凄いネーミングよな。
下呂。
「下呂温泉」なら良いけど、当然御当地土産には地名が入りますから、下呂饅頭やら下呂蕎麦がある訳ですよ。片仮名表記はヤバいよね。
アルファベットはあったけど。
ゲロゲロバター。
偉いよね。
「ゲロバター」はヤヴァいけどゲロゲロバターなら可愛い。言葉って不思議。
このお店のこの足湯はシュール過ぎて...、これも何だか『ツボ』。大変楽しい。大変宜しい。
地名に関しては、律令制で設けられた駅家(宿駅)としてこの一帯に下留駅(しものとまりえき)が置かれ、いつしか音読みで「げる」と呼ばれ始めた後に更に転じて「げろ」となったそうな。
初日はお宿でご飯を頂きました。
朝食は最終日のみ。
このスケジュールをやってみたかった‼︎
一泊目にしこたま飲んで昼まで惰眠を貪るには朝食は必要ありませんからね。
そして二泊目は町に出て夕飯を食べたい。
要は二泊するけど夕食・朝食は一度ずつしか頂かない訳です。
ただ一泊目夕食のみ二泊目朝食のみ、なんてプランはありませんから、一泊は朝・夕ご飯付き、二泊目は素泊まりで予約。
これで朝食だけ最終日にずらして貰える様、数週間前に宿側へ交渉したのですが、対応出来ないとの事。
つまり、一泊目の朝食を食べるか食べないかはお客様の自由。食べなくても代金はそのまま。ただ最終日に朝食を頂くなら素泊まり料金に朝食代を別途払ってくれ、と淡々と電話を切られました。
残念。
まぁ、向こうの言い分も正論なんやけどね。
しかし当日突然言ったならまだしも何日も前に交渉する中で、私、そんなに我儘な事言ってますかね⁇
コースのデザートや肉料理を先に出してくれと頼む事と何が違うのか?
滞在中はフロントや食事会場の方々皆素晴らしくホスピタリティに溢れるスタッフさんやったし、館内も設備も清潔感溢れる居心地の良い空間でしたので、電話対応をした方の当たりが悪かっただけやもしれません。
夕食ー。
勿論ゲロビールをオーダー。
なんじゃかんじゃ食べた。
竹に入った冷酒も飲んだ。
でも最後はお部屋でオリオンビールと明宝ハムや‼︎
結局DNAが沖縄を求めてしまう...。
ちなみに、この某ゴルフ場運営大手ア◯ーディアグループ御用達の「明宝ハム」、岐阜が本場らしいですよ。
計画通りしこたま飲んで就寝!
一泊目、終了‼︎