山と海の旅 天川村「花子」編 | BAR white L(ホワイトエル)のブログ

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天神橋最南端のBARです。
「身近で温かいオーセンティック」
をコンセプトに下町のbar文化を発信していく所存です。
心地良く背筋を伸ばし、限りなく心に寄り添う。
white Lはそんなお店でありたい。

BAR white L
不定休 18時〜4時
大阪市北区天神橋1-10-9 2F

世間は三連休ですね!
日本中のプールが一気にオープンします。
泳ぐのは、海よりプールが好きです。海を見ながらのプールが1番好きです。プール越しの夜景も最高です。
要は、プールに行きたい、鈴木です。


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山と海の旅・天川村「花子編」

大阪から車で2時間、ジブリより大自然、奈良県の秘境。
川のせせらぎと虫の合唱、星の声。
ここには在るべきものがあり、それ以外何もない。初めて訪れても何処か懐かしい。
それが、天川村。

そんな天川村の入り口、一軒の小さなお宿、「花子」

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夕飯はお部屋に隣接する食堂で頂きます。

先ずは川魚。

鮎は残念ながらこの日釣れず、先日この川で上がり直ぐに〆て冷凍された物を塩焼きで。
普通に美味い。やはり天川の鮎は美味い。
勿論、生きてる鮎が1番やけど...

代わりに女将さんが、
「良いアマゴあるよ?食べる⁇」と。

食べる食べる!
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ヌシ級のデカい奴が釣れたらしく、塩焼きで頂きます‼︎
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マジで、デカい!
鮭のような風味を持ち、より爽やかで繊細。
初めてのお味。
大変おいしゅう御座いました。

そして、この日のメインディッシュ。

噂を聞き大阪から前以て予約した一品。

「花子」さんは元々御夫婦で始められた季節料理屋さん。食堂兼自宅の一部を改装し、1日1組限定でお宿を営んでおられます。
勿論お料理のみの利用も可能です。
女将さんは昔堺市でエステサロンを経営されていたそうで、現在もお綺麗な方。年齢聞いたらビックリします。バーテンダーの私がビックリするんです。リアル美魔女。
旦那様は数年前にお亡くなりになり、今は女将さんが1人で切り盛りされている。
亡き旦那様は地元の名猟師。
鹿や猪撃ちの達人だったそうな。
その名残で今でも「花子」さんは、極上の猪肉、鹿肉が手に入るそうな。

white Lのお客様に狩猟をされる方がおられまして、その方に「花子」さんを御紹介頂きました。

日本一の猪肉が、ある。

そんな情報と共に。

猪肉、牡丹(ボタン)肉。牡丹肉と言えば牡丹鍋。
硬く臭いがキツいイメージがありました。
それ故牡丹鍋は味噌で味付けし、香りを誤魔化して食べる、と。

そもそも何故「猪肉」が「牡丹肉」なのか?
仏教の殺生戒で畜獣肉を公に食べられない時代、お肉は隠語で呼ばれていたそうな。
猪肉はその肉の色とお皿に牡丹の花に似せて盛られる事から、牡丹肉となった。

獣臭が強く硬い為、味噌で鍋にするのが一般的。

しかし花子の女将さん曰く、それは、違う。

先ずはエサ。
自然溢れ充分なエサ(木ノ実)が得られる場所では、猪肉は柔らかい。豚でもドングリを主食とするイベリコ・ベジョータなどは極上ですものね。
天川の大自然で育った豚はとても柔らかい。

もう1つ、とても大切な事。
仕留め方。
猪はとても素早い為に狩が大変。
数人ががりで猟犬を使い追い詰め、仕留める。
その際必ず首から上を狙い一撃で終わらす事。
胴体に弾が入ったり暴れたりすると一気に血が回って肉が臭くなる。
罠も同じで、罠に掛かった猪が暴れ、血が回る。

そもそも数人ががりで一匹とれるかどうか。
かなり稀少なお肉なのです。

しかも、充分なエサ場があり、名猟師達が仕留めねば味が落ちる。

美味い猪肉に巡り会うなんて奇跡。

京都や大阪の牡丹鍋屋さんで「何処産で誰が狩った個体ですか?」なんて聞いても誰も答えられないでしょう。

花子は違う。
何処で、誰が、いつ仕留めたか、全てハッキリとした猪肉がある。
その中でも極上の物を出して頂きました。

その猪肉に味噌など必要ない。
牡丹鍋ではなく、猪すき焼きで食べなさいと勧められ、言われるままに。

さぁ、極上の猪肉、頂きましょう‼︎
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じゃーーん!

色がピンクじゃない!黒みがかっている!

これが美味い猪肉の証拠だそう。

一枚一枚大切に焼いて頂きます。

うーまーーいーーー(≧∀≦)‼︎
猪肉が臭いなんて、嘘。猪肉が硬いなんて、嘘。
柔らかく優しく、旨味たっぷり。

そして何と言ってもこの脂身。
脂っぽさなど皆無。しかも、食感がある!「コリコリ」、に近いかな?
ジュワーと旨味が溢れ、コリっと歯応えがあり、清々しい。こんな脂身食べた事ない‼︎

付け合わせの野菜も地元の物。
猪肉の出汁をシッカリ吸って、これも美味。

最高でした。
極上でした。

猪肉の価値観が180度変わりました。
が、それ故、ここでしか食べたくありません。

最高の食事の後は最高の酒が欲しい。
旅で購入したウイスキーでは、申し訳ないけど役不足。

花子さんの酒棚に素晴らしいブランディを発見致しまして...。レミーマルタン・エクストラ・オールドボトル。
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薄々分かってます。
此方を御紹介して頂いた「あの方」の私物だという事は。
でも、いただきまーす。

部屋に持って帰り持参したダビドフとベランダでマリアージュ!
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降るような星空の下、大自然に身を任せ、極上のブランディとシガー。
これ以上何をのぞむ?

ぐっすり眠りました。

皆様。
天川村に、日本一の猪肉があります。
天川村で、忘れ物全部拾えます。

是非!