枚方市議会議員ばんしょう映仁です。
枚方市議会は、9/2に全員協議会を開催し、終日に亘り、「枚方市駅周辺再整備について」12人の議員が、理事者に質問しました。私も10番目(最後から3番目)に質問の機会をもらいました。
この全員協議会での他の議員の発言を含む内容については、別のブログ記事に掲載しました。
今回は、何を聞き、何を伝えたかったのか、その内容の要旨をお伝えします。
収益的な施設の誘導なしに、持続可能なまちを実現できるのか?
まず、私からは私が何度も「いつ示すんだ」と発言してきた④街区の「魅力を高める」コンテンツが、今回示されたということだが、今回の資料のなかで、何をどのように示したのか?
④⑤街区の実現性を高め、さらに魅力的なまちづくりとするため、市民意見聴取やサウンディング型市場調査、UR都市機構との意見交換などを参考とし、議会のご意見も踏まえながら、視覚的に分かりやすくするため、土地利用のイメージ図もちいて、「④⑤街区の市有地を有効活用したまちづくりの考え方(案)」を示している。
その中で④街区においては、⑤街区方面へ続く「みどりの大空間」を設けるとともに、公園・広場と連携した商業・健康増進施設、子育て支援施設、教育、医療などの利便性・快適性の向上に繋がる施設、体験型の文化芸術などの市民交流に資する施設のほか、多様な働き方が可能なインキュベーション施設、様々なニーズに対応した居住機能を導入するなど、本市のまちづくりの考えを示している。
具体化については、土地区画整理事業を進める中で、民間ノウハウを活用して複合的な土地利用を促進する考え。
聞き方を変える。サウンディング型市場調査で、もともと市がこの調査の実施時に想定していたコンテンツと比較して、新たに提案があったコンテンツはどのようなものがあったのか?逆に提案がなかったコンテンツはどのようなものがあったのか?
今回、実施したサウンディング型市場調査では、この調査の実施要領において、「④⑤街区のまちづくりの考え方(骨子案)」で本市が想定してたコンテンツついては、民間事業者からのご提案をいただいた。
新たなコンテンツとしては、本格的なスポーツや音楽などのイベントにも活用できる多目的アリーナや、イベントホールや伝統芸能施設に関する提案があった他、デジタルシアターなどの商業施設、医療機関等と連携したフィットネス、スポーツリハビリ施設などの提案があった。
「魅力を高める」コンテンツを④⑤街区で考え、集客的な施設としては多目的アリーナ、デジタルシアターなどがあったものの、それを活かす収益的な施設の記載がなかったように思うが、そういう商業のまちにはならないということでしょうか?そういった意味での「賑わい」ではないということでしょうか?
「④⑤街区の市有地を有効活用したまちづくりの考え方(案)」では、ニッペパーク岡東中央を新たに拡充する「みどりの大空間」を構成する公園・広場が市民交流の場として利用されるように整備するとともに、公園・広場に隣接して、例えば、カフェ等の店舗を配置することや、民間活力導入エリアにおいては、フィットネス、子育て、文化・芸術、教育などのまちの魅力を高める複合施設に加え、インキュベーション施設などの地域活性化に寄与する業務施設を誘導し、公園・広場を活用した多様な交流を促進していく。
また、⑤街区においては「まちの魅力を高める施設」を検討することとしており、④街区と⑤街区で一体となって、さらなる地域の活性化と、まち全体の賑わいの創出に向けて取り組みを行っていく。
「魅力を高める」コンテンツを④⑤街区で考え、集客的な施設としては多目的アリーナ、デジタルシアターなどがあったものの、それを活かす収益的な施設の記載がなかったように思うが、そういう商業のまちにはならないということでしょうか?そういった意味での「賑わい」ではないということでしょうか?
「④⑤街区の市有地を有効活用したまちづくりの考え方(案)」では、ニッペパーク岡東中央を新たに拡充する「みどりの大空間」を構成する公園・広場が市民交流の場として利用されるように整備するとともに、公園・広場に隣接して、例えば、カフェ等の店舗を配置することや、民間活力導入エリアにおいては、フィットネス、子育て、文化・芸術、教育などのまちの魅力を高める複合施設に加え、インキュベーション施設などの地域活性化に寄与する業務施設を誘導し、公園・広場を活用した多様な交流を促進していく。
また、⑤街区においては「まちの魅力を高める施設」を検討することとしており、④街区と⑤街区で一体となって、さらなる地域の活性化と、まち全体の賑わいの創出に向けて取り組みを行っていく。
④街区で実現する「賑わい」とは、「まちが活気や賑わいのあるような状態」を指すのか?または、「商業が盛んで商売や取引が繁盛しているような状態」を指しているのか?
④街区の公園広場においては、主にまちが活気や賑わいのあるような状態をイメージしている。
収益的な施設の誘導なしに、持続可能なまちを実現できるのか?
仕掛けづくりのない間に合せの計画ではないか?
④⑤街区の再整備について、私として残念なのは、「みどりの大空間」がメインコンテンツであり、これといった収益的な商業施設の提案がない状況だということです。結果的に大きな収益は分譲マンションを売った一時金ということです。ここは、市にとって重要な土地であり、高額な土地となるはずです。もともと私が思っていたような経済的にサステナブルな成長を伴うまちではないことは意外であり、残念です。
商業的な賑わいとして、継続的な収益性が期待できないのなら、新庁舎を⑤街区に移さざるを得ない理由はないように私には思えています。
ただ一方で、④⑤街区のまちづくりでは、文化的なまちを目指すならば、それには期待を持っています。
人が主役のゆとりと賑わいのまちを本気で目指すべき!
「みどりの大空間」を中心としたまちづくりの考え方をもう一度、具体的に確認したいが、改めて、新たな道路、デッキについて質問なり意見したいが、まだ計画の変更はできるのか?
「④⑤街区の市有地を有効活用したまちづくりの考え方(案)」では、まちづくりの内容をわかりやすくお示しするために、道路ネットワークの強化などを図る新たな道路整備と、回遊性を高めるなどのためにペデストリアンデッキを整備する考えを示している。
今後、この「まちづくりの考え方(案)」をもとに、まちづくりの具体化を図っていくため、土地区画整理事業などに関する都市計画手続きに向けた準備として、関係機関との協議の実施などを行うこととしている。
なぜ、④街区の真ん中に生活道路があるのか、そしてその上のデッキを人が歩くのか?ということ。枚方市駅周辺再整備ビジョン【基本コンセプト】は「人が主役のゆとりと賑わいのまちへ」とされている。
人中心のまちづくりではないように思える。これでは、自動車中心のまちづくりになっているのではないか?
今回、「④⑤街区の市有地を有効活用したまちづくりの考え方(案)」でお示ししているように④⑤街区では、ウォーカブル機能の向上に取り組み、多くの人が集い、多様な交流が促進されるまちづくりをめざしている。
そのため、公園・広場を拡充してウォーカブル機能の中心となる「みどりの大空間」を形成し、市駅から⑤街区の新庁舎・天野川方面へのみどりの景観軸の形成やペデストリアンデッキの整備などに取り組む。
議員ご指摘の新たな道路は、市駅南口駅前広場の課題となっている通過車両を振り替え、流入を抑制することにより公共交通などの交通結節点機能を強化するために整備するもので、民間活力導入エリアと連携して居心地の良い魅力的な歩行空間を確保するなど、人中心のまちづくりを支えるウォーカブル機能の向上に寄与する。
人が主役のゆとりと賑わいのまちを本気で目指すべき!
(ペデストリアンデッキは人を呼び込まない。「みどりの大空間」と複合施設は密接に連携を!)
市として、いろいろ検討した結果、デッキは苦肉の策だということは理解しました。
しかし、私の控室の席からちょうど今のデッキが見えます。市役所前から枚方市駅に行く場合、デッキを通る人が非常に少ないことに気付いたんです。もちろんもう少し歩いてエスカレーターに乗ろうと思っている人も多いのかもしれませんが、このことは実は人間の深層心理なのではないかと思えてきたんです。人は、特に必要に迫られなければ、歩道橋を歩きたくないのではないでしょうか。なぜならデッキは、歩く以外の機能がなく、歩いていても刺激が少なくて楽しくないから、自然に皆さん、避けているのではないかと思うんです。そうであるならば、人が主役、ゆとりと賑わいのまちを目指すのであれば、デッキを歩かせるのはナンセンスなのではないでしょうか。
また、④街区の複合施設のコンテンツは「みどりの大空間」と密接に連携していることに意味があるのではないでしょうか。結果的に民間がどのように使うのかということを非常に心配します。また、例えば、車椅子でも同じように行き来できるようにすべきです。
人に無理をさせたまちは居心地が悪いわけで、人は喜んで集まってこないのではないでしょうか。人のいる気配がいきいきと感じられる、そのような視界が広がっているまちの光景に、人は惹かれるのではないでしょうか。それが、人が主役のゆとりのまちづくりだと私は考えました。ぜひ諦めずに考えてほしいと思います。
あらゆる場面で市民に伝え、判断してもらわなければ、この事業は進まない!
2021年の代表質問の答弁では「その実現には並々ならぬ想いをもって成し遂げる決意を持っている。」、④街区は「大空間と連携してまちの魅力を高める施設の誘導などを加えた一体的なまちづくり」を実現したい。そして、2月の本会議の議案質疑で、市長は「実現に向けた決意を強く持ち続けている」と答弁されたが、市長自らが「どんなまちを実現したいのか」、それ以降、しつこく語ることはなかったように私は思っています。「『まち』への思いを、しつこく、熱く、語ることなしに、この大仕事は成し遂げられません。」と私は意見しました。
しかし、未だに私は、市長の実現したいまちを理解できぬまま、実現したいまちに進んでいるのかも理解できぬままでは、私としても市民に示しがつかない。
改めて、どんなまちを実現しようとしているのか、その通りいっているのか、お聞かせ頂きたい。
昨年、総合文化芸術センターが開館し、③街区については万博開幕に向けて建設が進んでいる。そしてその一方、枚方市駅南口ではサウンディング調査にて、いろいろご提案を頂いている。まさに基本計画にもある食学住楽、働く場があり、学ぶ場があり、楽しむ場所、楽しむ場所、イベントも開かれ、様々な人たちが集まる、市内外から訪れたい場所がある枚方市駅周辺をつくっていきたいと考えている。このなかで、他のまちにはない枚方市オリジナルが必要だ。訪れる目的が1つではなく、イベントを訪れたあとは食事をしてもらったり、アリーナができれば、コンサートやスポーツの試合。スポーツも色々考えられるバレーボール、バスケットボール、卓球、見本市、ファッションショーも行われるかもしれない多様な人たちが訪れるまち。そして、枚方市の未来がかかっている。少子高齢化、ここ20年ぐらいは増えることがない人口の中で立ち止まっていいのか。まちを活性化させて、賑わいを確保し、選ばれるまちとしたいと考えている。
「こういうまちにしていきたい」という議論を皆さまと積み重ねていきたいと考えている。
あらゆる場面で市民に伝え、判断してもらわなければ、この事業は進まない!
今回は、ご自身の言葉で語っていただいたことについては、嬉しく思います。ぜひ、この場だけでなく、過去は取り戻せませんので、今後、あらゆる場面で市民にお伝えいただかないと、この事業は進みません。
「誰一人取り残さず笑顔になっていい時代をつくっていく」まちづくりを!
さて、私から言いたいのは、これからのまちづくりは、文化を大切にし、誰一人取り残さず笑顔になっていい時代をつくっていくことを目指すべきです。例えば、東京2020パラリンピックを見てどう思ったか、もう一度思い出してください。老いも若きも、障害があろうがなかろうが、多様な市民が自己開示、自己表現、自己実現できる場をつくっていく。そういった強い思いをもとにまちづくりを進める。それが、枚方市民みんなを笑顔にすると私は信じています。
最後に、私の尊敬する方(松下幸之助創業者)の言葉をお伝えします。私たちの目指す国家は、経済大国ではなく、精神大国を目指すべきだとおっしゃいました。今回は、この「国」を「まち」に置き換えて考えてみてください。その精神大国の指導者の精神とは、1つは衆知を集めること、2つ目は主座を保つこと、3つ目は和を貴ぶということであるとおっしゃいました。主座を保つとは、主体性をしっかりと持っていなければならないということです。
今現在の市長に聞いて頂きたいと思いました。今後に期待します。
長文、お読み頂きありがとうございました。
今の市の進める枚方市駅周辺再整備事業について、私が疑問に思っていることを質しました。これまでもこれからも枚方市は暮らしの街です。文化のまち、笑顔になれるまちを目指すべきです。ただ一方では、そういった集客施設を設置するならば、経済的にも自立したまちを目指すべきです。
一人ひとりの笑顔のために!今も未来も 9月議会にこのまま突入です。引き続きがんばります。