枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。
4月15日(木)は、昨年に拡張工事が完了した新安居川ポンプ場、蹉跎ポンプ場を会派で視察しました。
写真多数になってしまいましたので、記事を2つに分けました。
枚方市内の特に京阪沿線では、川の水面がそのまちの地盤面よりも高くなっており、そのような地域に一定規模以上の雨が降った場合、下水道管や水路を通じて雨水を自然に河川へ排除することができません。そこで、降った雨が流れる水路から河川へ強制的に排水するが、雨水ポンプ場の役割です。
下図のように、ポンプ場の排水能力を超えた雨が降ったり、ゲリラ豪雨などで短時間に大量の雨が降り、下水道管に呑み込めない雨水が道路上などにあふれることは、内水氾濫(ないすいはんらん)と呼ばれています。
枚方市内は、河川より低い土地が多いため、9つの主要な雨水ポンプ場があります。今回、視察したのは、黄色でマークした新安居川ポンプ場と蹉跎ポンプ場。
については現場で確認し、後ほど解説します。
そこそこ排水時間が記録されている「新安居川ポンプ場」。同じ枚方市にありながら全く運転なかった「蹉跎ポンプ場」。この理由は現場で確認します。
新安居川ポンプ場は、以前より計画排水量と比較して排水能力が特に脆弱という課題がありましたが、ポンプ場の拡張工事(大ポンプ場を建設)を実施し、令和2年6月に完成。排水能力は 409m3/min(旧ポンプ場のみ) から 932m3/min (旧ポンプ場+大ポンプ場)へと大きく向上しました。
今回は、大ポンプ場を中心に視察しました。
※矢印は水の流れ
左側の屋根が錆びている建屋が旧ポンプ場。右の大きな白い建屋が今回中を見せてもらった大ポンプ場です。
新安居川排水区150haの雨水がこの水路に流れ着き、天野川に排水されます。それなりに水が溜まっていますが、視察時は排水せずに水が溜まっている状況とのこと。ある程度溜めてまとめて排水しているようです。
水と一緒に流れてくるゴミを取ります。様々なモノが流れてくるとのことです。新安居川ポンプ場の新設備は、稼動後まだ1年経っていないですが、既にゴミを取り除くフィルターを一度交換したとのこと。ゴミを流すのはご法度です。
取り除いたゴミはベルトコンベアでこのバッカンの中に入る設計になっています。
縦型のポンプと横型のポンプ、電気ポンプと重油燃料ポンプを組み合わせて、晴天時、少し雨水が増えたとき、だんだん雨水が増えるとき、フルパワーが必要なゲリラ豪雨のときなどに対応できる施設になっているとの説明を受けました。
重油ポンプは船のエンジンと思うと私には分かりやすかった。
晴天時にちょろちょろ入ってくる水については、この地下の水ピットの中にあるポンプで天野川に送っているとのこと
ポンプの力で天野川に排水されます。新安居川ポンプ場は、この地が天野川の水面より低いことなどから自然吐水ができないため、晴天時でも流れ込む水を天野川に排出する必要があります。
こちらは従来の旧ポンプ場の建屋です。
2020年6月に拡張工事が完成した新安居ポンプ場。能力も一気に向上しました。今後はポンプ場に雨水を誘導する水路の整備も行いつつ、旧ポンプ場をお役御免にしつつ、現在スペースを開けている空間に新たにもう一台のポンプを導入していくストーリーを持っているとのこと。
水は高いところから低いところに流れます。低いところから上に上げて排水するのがこのポンプ場の基本的な役割。ポンプ場がなければ、生活できない土地にいることを認識させられました。現に数年前には、枚方市駅周辺一帯が浸水したことも記憶に新しいところです。笑顔を保ち続けるには、地道な浸水対策が欠かせません。
⇒【②蹉跎ポンプ場編】はこちらです。