枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。

 10月29日(金)は、第5回「関西教育ICT展」の見学のため、インテックス大阪に行って参りました。

 

 

 

 

私が気になったものだけ、まとめておきます。

 

【セミナー】
小学校プログラミング教育・次の一手

和歌山大学教職大学院 豊田充崇氏

 40名程入る会場は満員。皆さん、熱心にメモを取りながら聴かれておられました。

 

 

 

 

小学校プログラミング教育は何からはじめればいいのか
「プログラミング教育」の目的
  • 産業界からの要請
    • IT人材の育成
    • 諸外国のプログラミング教育に追いつきたい
  • 学習指導要領
    • プログラミング的思考の育成
    • 教科の学びをより確かなものにする
  • 豊田氏の考え、気付き
    • 身近な生活でコンピュータが活用されていることを知る
    • 問題解決には必要な手順があることへの気付きがある
    • コンピュータの働きをよりよい人生や社会づくりに活かそうとする態度の育成

 

「プログラミング教育」の4つの授業形式 

 

 

 

授業の様子・効果
  • 授業形式①フローチャートの作成の効果
    • ものごとの考え方の整理に結びついている
    • 社会課題の改善へのステップに繋がるのではないか
  • 授業形式②チュートリアル型で成功体験
    • 授業時間内で何度も成功体験を繰り返すことができる

 

課題認識
    • 授業時間内では、子どもからの「もっとこうしたい!」というアイデアや発想をさらに引き出す時間が取れない
    • コンピュータでしかできないオリジナリティの高い作品ができたとしても評価する手段がない
    • 小学校の算数では、座標などを学んでいないので、基礎的な数学の理解がないなかでプログラムを組むことの困難さ
     
    向かうべき方向性

    【これまで】

    「正答」に向けての試行錯誤

    【これから】

    クリエイティビティ=創作性 に向けたアイデアの実現

     
    参考リンク

     

     

     

     

     

    【パネルディスカッション】
    学校の有益なデータの見える化により、教育の質の向上へ
    「大阪市のスマートスクール・次世代学校支援システムとは」

     

     

     

     このパネルディスカッションには、約100名の参加者で、こちらも皆さん熱心にメモを取られていました。

     

     まず、教育委員会から事業の説明があったあと、小学校長、中学校長それぞれの取組み紹介がありました。

    大阪市 の取り組んだ実証事業 概要

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    パネルディスカッションの模様(パネラー:実証校小中学校長6名)
    「心の天気」は生徒指導に有効
    • 校長の意見・感想
      • 導入時は、「人間的な教育ができるのか」という疑問持ってスタートしたが、今となっては大きな手応えを実感している
      • ICT未導入校に異動するのが、不安なぐらい
      • いわゆる荒れた学校にも、前向きに導入してみたが、効果を実感している
      • 校長として気になった子どもの情報が、瞬時に分かり、担任へのフォローもスムーズになった
      • 若手教師(学校内の60%が10年未満)への指導をエビデンスを持って行える
      • 生徒は指導を行ったあと、必ず「心の天気」に変化があり、心の状況をつかみやすくなった
      • 「心の天気」にしきい値を設定し、子どもの変化を子どもの発信する情報として見ることができ、担任が声掛けしやすくなっている
      • 仕事をさばく校長から、変化に挑戦する校長になっていけていると思う
    校長先生が口々に有効性を語った「心の天気」とは
     
    ばんしょうの視点

    プログラミング教育について

     授業時間を増やすことが困難なほど、詰め込まれた授業をやっていると言われている義務教育で、さらに新たな、しかも基礎学習を超える授業を導入することにどのような意味があるのかという疑問を持っていましたが、今回のセミナーを聴いてその意義は伝わってきました。

     フローチャートを他の教科でも活かし、授業時間中に何度も成功体験できるということで、子どもたちが社会課題(ものごと)をマクロとミクロで捉え、解決策を考えることに繋がるということは素晴らしいと思いますが、卵が先か鶏が先かの議論かも知れませんが、基礎的な国語や算数が分からなければ、その時間も水の泡です。そのバランスをどう取るのか、という私の疑問は拭いきれていません。

     

    大阪市のICT実証について

     教育ICTもここまで来ているのか!という驚きとともに、校長先生からはマイナスの意見が全く出てこなかったことが、よいことなのか悪いことなのかと気になるくらいでした。特に「心の天気」について有効性が明らかなようでした。自分の心を客観視することは、子どもだけでなく、大人にも必要な作業なのかも知れません。

     教育データの蓄積が、今後どのような社会変革を起こすのか、一人ひとりにどのように影響するのか、短期でも長期でも注目されますが、教員・児童生徒・保護者など関わる人通しの目的の共有がもっとも大切だと考えます。枚方でも、セキュリティルールをしっかりと決めることを前提に、できるところからでも、より早いスタートを望みます。

     

     

     

    一人ひとりが笑顔、ひらかた万笑!

     

     

     今回は、教育におけるICTの展示会でした。会場は、学校や保育園の管理システムが多くの企業が見られました。業務の効率化は、データ化から始まります。これは結局は、プログラミング教育の必要性をより重要なものにしていくようにも感じました。

     学校現場だけでなく、企業や自治体にも限りある資源をどのように効率的活用し、どのように社会課題を解決していくかは同様です。

     今と未来、ミクロとマクロ、視点を切り分け、持続可能な一人ひとりの笑顔を目指す目的を「なぜ」「なぜ」…と繰り返し問い続け、よりよい社会を創っていくことが私に求められていると再度感じて帰ってきました。

     

     引き続き、関西教育ICT展の隣では、「防犯防災総合展2020」が行われていました。そちらも報告します。