行く夏を惜しむかのように

何気なく見ていた雲が季節の移ろいとともに変化している。


入道雲が見えたと思えば、うろこ雲、いわし雲



様々な表情を見せる秋の空は、

天空一面のキャンバスに 油絵で描いたような、まるで壮大な絵画のように感じる。



さて、

私は仕事柄、早朝にお客様のもとに出向く時、朝陽に出会うことが多い。卒入学式、成人式、結婚式、告別式人生の大切なセレモニーのために女性は、着物を着る。成人式にいたっては、夜明け前から準備を始める。

山の端から姿を現す朝陽と たなびく雲の共演は、素敵なハーモニーとなって互いの存在を際立たせ、まさに美しさを超えて神々しささえ感じる。




同じ形状が他に存在しない唯一無二、人に例えれば、

まさに「邂逅(かいこう)」

一瞬の出会いと同じだ。



この一日の始まりの時、きもの姿になった女性は、照らされた朝陽で まるで美しく咲き誇る花々のように光り輝くのだ。その瞬間に関わることができる喜びや感謝と同時に 人生の一ページが、輝かしい日になりますようにと願わずにはいられない。





現在は世の中全体が滞った様相であるが、全ての人たちが笑顔になるそんな夜明けを心から待ち望んでいる。