前回のブログに続いて不思議な出来事は他にも。

30代前半、着物を自分で着られるようになり、他装のお稽古を始めた頃の事です。
石和の花火大会🎆に 夫と2人で行きました。男性の帯結びを覚えたばかりで 練習を兼ねて夫にも浴衣を着せました。もちろん私も浴衣を着て。


石和の花火大会は、8月の後半に開催され 夏の終わりを感じさせる最後の花火大会です。
凄い人で座る事も出来ず、歩行者天国の道路の端っこでガードレールに寄りかかるように2人で花火を見ていました。 
するとどこからともなく
「すみません!助けてください!」と
見ず知らずの女性から助けを求められました。
上を向いて花火を見ていたので、突然の出来事に驚きました。 

「どうしたのですか?」
「娘の帯が解けちゃったんです!!」

手をわしづかみにされ、人ごみの間を引っ張られて行った先には 半幅帯が解けてしまって困っている娘さんがいました。
私はそこで崩れた帯を外して結び直しました。

「わぁー可愛い!ありがとうございます!!」
シンプルな結び方でしたがとても喜んでくれました。お母様も「助かりましたー!ありがとうございます!」と。

…どうして私に助けを求めてきたのでしょう?
私には着付けをしているなんて名札もついてる訳でもないのに。
その時一部始終を見ていた夫が一言。

「これって着付けを本格的にやれって事じゃない?」

本当に不思議な出来事でした。
が、その時 目の前の娘さんがとても喜んでくれた事は、 私にとって人様のお役に立てれたという喜びがありました。
今思えば これが私の着付け人生の幕開けのきっかけになった事は間違いないと言えます。
そして これは 実は神様から与えられた気付きの機会だったのかもしれないと思っています。



この年齢になってしみじみ感じるのは、
人は 人様のお役に立つ事で 喜んでいただき 自らも幸せを感じられる存在だという事です。
今年はコロナの影響で春先から夏の間、ほぼ着付けの依頼はありませんでした。着物を着せる機会がない生活は 心にぽっかりと穴が空いたように感じられました。そのような日々を過ごす事によって 逆にどれだけ今まで人様から幸せをいただいて来ていたのか…考えると感謝🙏しかないのです。


暑い夏が去り お稽古も普段通りとなり、有り難い事に着付けをさせていただける新たなご縁も広がりました。今ようやく魂が息を吹き返したように感じています。
この仕事は 私にとって「生き甲斐」です。
ひとつひとつの仕事を今まで以上に大切に丁寧に、そして楽しみながらさせていただこうと思っています。

たくさんの女性が着物で笑顔になっていただけるように✨✨