最近読んだ本 その21 | どうもこんにちは 番長です

どうもこんにちは 番長です

本編の重大なネタバレはなしの方向で

みなさんどうもこんばんは!番長です!JPY!
というわけで昨日の予告?どおり
今日は本について書こうと思います
前回の本の記事からは約1ヶ月たっちゃってますし
実際は3冊や5冊じゃきかないくらいの冊数を読んじゃってるんですが
とりあえずその中からピックアップして3冊紹介したいと思います

・悪意の手記 中村文則
前回の3冊目は中村文則の掏摸っていう小説で
この人のほかの小説も読みたいと書きました
その流れで読んだのがこの悪意の手記です

絶望的な病から奇跡的に生還した男性を主人公に
その懊悩を描いた小説です
死にそうで苦しい時にその苦しさと恐怖を
人生そのものを否定することによってなんとか耐えていた主人公は
生還したことによって自身が否定した人生を生きなければならなくなりました

生き方そのものを見失ったかのような主人公は
死ぬしかないと思い詰めた拍子に親友を殺してしまいます
しかし主人公が殺したことは誰にもばれることなく
主人公は人間の屑として生きていくことになるのでした

主人公は死の病に冒されたことと
親友を殺してしまったこととを背負って悩んで
苛まれながらずっと生きていきます

人を殺した人間がのうのうと生きるのは許せないと思いますが
この主人公はとてものうのうととは言えない生き方をします
それならば許されるのかと問われればもちろんNoなわけですが
主人公の視点で語られる物語を読んでいると
許されて楽になってほしいと思えたりもします
そのあたりの感じ方は人それぞれでしょうけどね

いろんなマイナスの出来事を忘れて生きていくのは楽ですし
僕もむしろ積極的にそうして生きていくタイプの人間だと思います
それはマイナスの出来事と向き合って苛まれながら生きるような
強さが僕にないためだと思うんですよね

・逢いに来た男 東直己
探偵はバーにいるシリーズの東さんの短編集です
全体的にグロテスクな話の多い本なので
あまり一般受けはしないような気がします

グロテスクでない話は6篇中2篇しかなく
そのうちのひとつの梅雨時雨っていうお話は
ラーメン屋でバイトするソクラテスが主人公っていう・・・
ナチュラルに意味不明でチャーミングです

もうひとつはアダルトな恋愛小説って感じで
僕にはまだ早いかなって感じのするお話でした

一番面白かったというか・・・興味深かったのは
一番最初の困っている女っていうお話です
全体的にグロテスクなんですが
ラストの展開にはすべての人間が持つ狂気みたいなものを感じて
たぶんきっかけさえあれば誰でもこうなるんだろうなって思ってしまいました

・銀河不動産の超越 森博嗣
これを最後まで読んだときに感じたのは
中村文則の掏摸にあった架空の話の裏返しだってことでした
これだけだとホントになんのことだかわからないと思いますが
あくまで本の紹介をしたいだけなので・・・
これ以上書くとネタバレになってしまうのでやめておきます

無気力人間を主人公に繰り広げられるドタバタ劇って感じでしたが
僕の感覚で言うとこの主人公は決して無気力人間ではなかったと思います
自分のことには一生懸命になれないけど
他人のことになると手を尽くすことのできる人なんじゃないかと思いました
たぶんこの物語の主人公になるにはうってつけの人材だったわけですね

最後はハッピーエンドのようでいて
実際はむしろ不気味な話だったような気もしますし・・・
掏摸につながるのもそのあたりなんですけどね


というわけで今日はこのへんにしておこうかと思います
まだ書いてないけど書きたい本が何冊かあるので
機を見て書こうと思います

それじゃあみなさんおやすみなさい!JPB!