リハビリテーション課の長となって何年か過ぎました。

部長医師の穴を埋め、この課を支えるためには、課と病院全体がともにレベルアップしなければならない。

見渡すと、中間管理職で部署の壁を越えて発想している者は恐らく数えるほどしかいない。

(下にはいましたが、その現状なら遠からず辞めていくでしょう)

自分で自分に掛ける負荷は年々高まりました。

 

2度も転職したことへの反省、認めてもらったことに感じる恩義から、自分が逃げ出すという選択肢はとれませんでした。また、
「“自分に合う”ところを求めて転職しても、自分が変わらない限りそんなものはないし、“気に入らなかった場所”を履歴に重ねるより、自分のいる場所をレベルアップさせる方が有意義だ」
という思いが強くなったからです。

 

何度も起こる危機を乗り越え、なんとか人も増え始めて、収益を確保しつつ、課と病院のレベルアップを支えているつもりでした。

しかし、人事問題は常に私を悩ませるものでした。

求人の形態をシステム化・活動拡大していき、入りを確保したものの、毎年何人も辞めていく。

(今考えると、当たり前のことだったのかもしれません。しかし、職場に疑似家族を求めていた私は、「定着」にこだわりました)

今いる職員が長く勤めてもいいと思えるレベルに、病院が達していないのか。プライドを満足させられないのか。

誰が、何が悪いのか。

経営陣か? 中間管理職か? やはり自分か?

 

持ち帰り仕事は慢性的でした。

帰宅時間の遅い日が続き、まだ小さい子供の起きている時間に帰れないことが増えました。

自分自身のための将来像も自信も見失っていきました。つまり、今の職場や地位を離れたとき、自分に何が残るのかわからなくなっていったわけです。

 

不安が毎日を支配し始めました。

酒量もじりじり増えていました。

同時に体重もじりじり増えていました。