◆欧州でのEV戦略に懸念、延期も視野…?
ドイツの主要自動車メーカーであるアウディAGは、2033年までに内燃エンジン車を段階的に廃止する計画だが、EV(電気自動車)の需要変動に応じて「柔軟」に対応していく姿勢を見せている。
EV需要の成長鈍化を受け、複数の自動車メーカーがEVへの移行計画を縮小または延期している。しかし、アウディのゲルノート・デルナーCEOは「自動車の未来がEVであることに疑いの余地はない」と述べ、最終的な電動化目標は変わらないとした。
アウディは今年、大規模な新製品展開を開始する。新型電動SUVのQ6 eトロンを皮切りに、2024年から2025年にかけてEVと内燃エンジン車の約20のモデルを発売する予定だ。
今年後半には、EVのA6 eトロン、内燃エンジン車のA4(A5に名称変更予定)、Q5が登場する予定となっている。
アウディは、2026年までに「すべての主要セグメント」にEVを導入することを目標とし、2033年までにEV以外の販売を段階的に廃止するとしている。
デルナーCEOは年次記者会見で、「eモビリティに全面的にコミットしている」としながらも、将来の計画においては「両利き」でなければならないと述べ、プラグインハイブリッド車(PHEV)の重要性を強調した。
「アウディはEV移行期において、バッテリーEVとクリーンで効率的な内燃エンジン、プラグインハイブリッドの各パワートレインを組み合わせて展開しており、今後もそうしていくつもりです。ポートフォリオ全体を刷新し、非常に柔軟な態勢を整えています」
「中長期の計画では、2026年に最後の内燃エンジンとPHEVのワールドプレミアを行い、2033年に内燃エンジン車を段階的に廃止する予定です。これに変更はありません。しかし、需要の浮き沈みに対して、動向には柔軟に対応していきます」と含みをもたせるコメントで締めくくった。
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