● フェラーリ代表「取り組みは『無駄』じゃない」レッドブルとの差はあるが今後の進歩に自信

◆大きな差を認めつつも前年からの進歩に自信
フェラーリF1のフレデリック・バスール代表は第2戦サウジアラビアGP終了時点で、まだレッドブルとの間に大きな差があることを認めつつも、彼らに挑むことは“無駄”ではないと話した。

2024年シーズンのF1は、開幕2戦を終えた段階でレッドブルが圧倒。昨年に続き強さを発揮し、マックス・フェルスタッペンが連続でポールトゥウィンを達成。フェラーリはそれに次ぐ位置を確保し奮闘しているものの、対抗馬にはなれていない状況にある。

レッドブルに対峙するためにはかなりパフォーマンスを上げる必要があることは明らかだが、フェラーリ側はその目標は不可能なモノだとは考えていない。

バスール代表はどんなアップデートを施しても苦しい状況を変えられない“役立たず”だった2023年と比較すると、フェラーリが今年直面している状況は全く異なるシナリオになっていると考えている。

「今は悲観的にはなりたくない」と開幕2レースを終えたバスール代表は語る。

「なぜなら良い週末だったし、我々は楽観的になるべきだ。こういった瞬間を楽しむ必要があるんだ。ただ、レッドブルがまだ先を行っているのは明らかではある」

「予選で彼らはおそらく我々に0.2～0.3秒の差をつけている。そしてレースではもう少しつけられているかもしれない。だがレッドブルが最大限プッシュしているかどうか我々には分からないため、推定するのは難しい」

「しかしフィーリングはよりポジティブなんだ。我々が一歩前進すれば、彼らにプレッシャーをかけられる位置に戻ってきたのだから」

「1秒離されていた去年は無駄だったかもしれない。だが今は良いスタートを切ればそこで戦えるんだ。ジェッダ（サウジアラビア）は彼らが優れたトップスピートを持っていたことで簡単にオーバーテイクされてしまったが、他のサーキットでは我々にもチャンスはあるだろう」

バスール代表は2024年マシンのSF-24には、パフォーマンスを改善して行く上で良いベースがあり、その点に励まされていると語った。

「チャンピオンシップの状況を考えすぎているわけではない。今は45ポイントほど（実際には49ポイント）獲得したが、昨年は3戦で25ポイント（実際には26）だったと思う。良いスタートを切ることが重要なんだ」

「我々のマシンが運転し易いとは言いたくないが、実際にこのマシンはパフォーマンスとは関係は無いにしても、昨年よりは走らせやすいクルマになっていると思う」

「それは開発していく上で優れたベースなんだ。ドライバーにとってマシンの挙動が読みやすくなったことで、改善すべき場所はどこなのかがより理解しやすくなる。そしてその状況が我々の全体像にとって一歩前進なんだ」

フェラーリは今年は、2023年に問題となっていたタイヤのデグラデーションへの対処を進めてきた。そして今はさらにパフォーマンスを発揮するために、あらゆる領域でプッシュする時だとバスール代表は話した。

「パフォーマンスは様々な所から集まってくる。マシンを0.5秒速くするひとつだけの策なんてモノは決してないんだ」

「追いつきたいならあらゆる領域で改善する必要がある。昨年もそうやってアプローチしてきたし、最終的に上手くいった。我々はしっかりと前進してきたが、まだ全ての領域でプッシュして行く必要がある」