◆マシンの空力面でのメリットを狙う
2024年からステークF1チームとして活動するザウバーのニューマシン「C44」は、カラーリングが一新されているが、最も大きな変更点はフロントサスペンションかもしれない。
プッシュロッド式から、プルロッド式に変更されています。2022年に現行レギュレーションが導入された際、レッドブルとマクラーレンが同様の変更を実施しており、当時マクラーレンに在籍していたジェームス・キーが現在ザウバーでテクニカルディレクターを務めていることは無関係ではないだろう。
レッドブルは2022年と2023年に大きな成功を収めている。マクラーレンも昨シーズン途中に躍進を果たしたことから、他チームも必然的にこの選択肢を検討するようになった。ザウバーも全く新しいボディワークとともに、空力的なメリットを求めてプルロッド式のフロントサスペンション採用を選んだようだ。
9月からザウバーで働き始めたジェームス・キーは、ニューマシンのC44と先代マシンであるアルファロメオC43とほとんど共通点がないという。
「リヤに若干キャリーオーバーしている部分がある程度で、事実上全く新しいマシンだ。チームでは私が加わるかなり前から野心的な方向性を打ち出していた。メカニカルな面で多くの変更があり、そのうちのいくつかは全く見えないモノだが、非常に目立つものもある」
「フロントサスペンションは完全に新しくなっている。我々のような規模のチームにとってはタフで野心的なプロジェクトだ。もちろん空力的にも多くの変更が行なわれている。これが開発の主要分野であることを考えれば、予想されることではある」
「全体的に、昨年のマシンとは全く異なるように見えるだろう。我々は多くの新しい、エキサイティングな方向性を打ち出し、そのすべてがかなりのポテンシャルを秘めているように見える」
キーは、この2年間で各チームがコンセプトの選択という点で収束してきたことを認める一方で、まだ様々なアイデアを考える余地が残っていると示唆した。
「このレギュレーションが導入された2022年以降、マシンは非常に急速に発展しており、マシンの多くの部分で多くのポテンシャルがある。こうしたトレンドはおそらく3年目も続くだろうが、トレンドに逆らう人たちも出てくるかもしれない」
「この2、3年でかなり進歩した部分もあるし、今年もそうなるだろう。例えば、フロントサスペンションは他のチームも採用しているプルロッド式に変更した。これはメカニカルな理由ではなく、エアロダイナミクスによって決定された選択だった」
キーは、空力面で大胆なステップを踏むと同時に、マシンにメカニカルな変更も導入するのは難しいことだと認めた。
「これは非常に重要なプロジェクトなんだ。適切なバランスをとるのは難しいが、チームは計画通りに機能するものを作るという素晴らしい仕事をしてくれた」
「もちろんエアロダイナミクスが支配的であるため、あなたたちが目にする外部的なものの多くは、より効率的なダウンフォースを発生させるためのものだ。今のクルマでは、ボディワークが大きな戦場となる。前の世代よりもずっとね」
「そこにトレンドが生まれつつあるのがわかる。我々が選んだ方向性は、昨年よりもずっと極端だ。チームにとっても新たな出発だが、このようなトレンドの方向性により沿っているんだ。ライバルの一部は同じようなことをやっていると思うから、それを見るのは面白いだろう」
「もちろん、クルマの下、フロアはダウンフォースの大部分を発生させる場所だ。我々はその部分でかなり異なるアプローチ、新しいコンセプトを持っている。そのすべてが新しいものであり、一皮むけばさらに多くのものがあるんだ」
ステークF1チームの「C44」は、フィルミングデーを活用し、9日(金)にバルセロナでシェイクダウンされる予定となっている。
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