◆後輪はエンジン、前輪をモーター駆動のAWD
ジンガー(Czinger)は、カリフォルニアを拠点とする新興ハイパーカーメーカー。ポルシェのレストアやカスタムで有名なジンガー(Singer)ビークル・デザインと間違われることがあるようだが、全く別の会社です。
カリフォルニアには何かとイノベーションを掲げる自動車関連のスタートップ企業が多数存在する。しかし、その多くは計画のみでプロトタイプすら製作できない場合も多い。そんな状況のなか、新興ジンガーは本気だった。
この「ジンガー21C」の出力は1250馬力、車体重量1250kg、つまりパワーウエイトレシオは「1」となる。搭載されるパワーユニットは2.88リッターV8ツインターボ(フラットプレーンクランク)に2つのエレクトリックモーターを搭載する。
ガソリンエンジンはなんと11,000回転時にピークパワーを発生して後輪を駆動し、エレクトリックモーターは前輪を駆動するという4WDレイアウトが採用されている。
◆設計はAI、製造は3Dプリンター
この「ジンガー21C」が画期的と言えるところは、車体の設計をAIが行い、製造は3Dプリンターによって行われるということ。
通常、クルマの開発というとメーカーの設計部門、部品メーカーなどのエンジニアが強度等の計算を行いながら開発、金型設計やパーツ製造等を行ってゆくものと思いますが(ただし最近ではAIを取り入れるところも増えている)、ジンガーではこれら一連をAIソフトに委ねているとのこと。
このソフトは自動車に求められる強度、耐久性、達成したいパフォーマンス、素材などを入力すると最適な設計を導き出してくれるもので、例えばサスアームだとちょっと複雑怪奇な感じだが、左図のように「極限まで」軽量化された構造を描き出してくれます。
ナックル形状を見るに、従来の製造方法(鋳造や削り出し)や設計方法では到底作り出すことができず、AIによる設計そして3Dプリンタによる製造のみが成しうる形状なのかもしれません。加えて、強度や耐久性などもソフトが計算してくれるため、検証やテストにかかわるコストも大幅に省略することができるらしい。
車両はモノコックともスペースフレームとも言えない形状を持ち、これも従来の常識では考えることができなかったデザインかもしれない。
コンパクトでライトウエイトな車体は金属とカーボンとの複合素材、フロントおよびサイドの形状を見ると、なんとなく「レーシングカート」のような外観となっている。乗員もシートレイアウトは「1+1」のタンデム2座でユニーク、もはや常識を完全に逸脱したものとなっている。
0−100km/h加速については1.9秒、最高速は432km/hという。さらにはパフォーマンスを重視した最軽量モデルの「ライトウエイト」バージョンも存在し、そちらの重量は1,218kgにまで軽量化されるという。なお、想定される販売価格は、約2億円ほどとのこと。市販も予定されているが、納車時期については未定とされています。
↑ ↑ ↑ eddie-k's eco_car blog ↑ ↑ ↑
【 Full Czinger 21C reveal : a hypercar built for the 21st century の動画はこちら 】
https://www.youtube.com/watch?v=VgDu6RT-w7M
【 Czinger 21C at Laguna Seca : "Gone in 85 Seconds" の動画はこちら 】
https://www.youtube.com/watch?v=wvoXZghYwEY