● 仏プジョー、ブランドのキーカラーが「紺」から「黒」へ、一新の狙いは? | エコカーブログ [eddie-k's eco_car blog]    

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プジョー・シトロエン・DSのインポーターであるグループPSAジャパンが、東京・名古屋・大阪の3大都市でプジョーのカスタマー向けイベント「LION EXPERIENCE 2021」を開催した。

2022年に導入予定の新型308と参考展示の508 PSE(プジョースポールエンジニアード)が初公開されたが、東京・六本木ヒルズで行われたプレゼンテーションでは新しいロゴマークをお披露目するとともに、キーカラーを紺から黒に変更し、書体も刷新したことも紹介された。


プジョーのロゴ変更については、今年2月にフランスで発表されていた。しかし、キーカラーが黒になったということはウェブサイト等でも公開されておらず初耳となった。

プジョーと言えば、かつてディーラーネットワークをブルーライオンと呼んでいたこともあり、青のイメージが強い。なのでなぜ黒に…?、と思った人がいるかもしれないが、長い歴史を振り返ると、昔から青や紺を使っていたわけではないことがわかる。


プジョーはこれまで10個のロゴマークを使ってきた。すべてがライオンをモチーフとしたもので、クルマを手がける前、自転車やペッパーミルなどの鉄製品を作っていた頃に定めら使用されている。当初のロゴマークは、矢の上にライオンが4つ足で立っているものだった。

クルマづくりを始めてからもしばらくこれを使うが、車体にエンブレムとして装着はしなかった。中央に0を挟んだ3ケタ数字の車名を使い始めた1930年代には、この車名をフロントグリルに掲げ、青・白・赤のトリコロールで数字を塗り分けていた。


ところが第2次世界大戦後になると、最近まで使われてきたデザインの原型と言える、後ろ足で立って前足を伸ばしたポーズに変わる。こちらは戦後初の新型車である203のフロントに採用しており、地色が紺、ライオンが黄色と、初めてブルー基調になった。

実はこの絵柄と配色、プジョー創業の地であるフランス東部のフランシュ・コンテ地域圏の紋章とほぼ同じだ。つまりプジョーのブルーは、この地域のクルマであることをアピールしたものだった。しかし、1960年の404の登場に合わせてロゴマークが再び一新された。


今回発表されたものに似た横顔のアップになり、地色が黒、顔が銀になった。エンブレムには引き続き全身の立ち姿が起用されたが、色は黒と銀で、まもなく銀が金になり、ついには周囲の盾がなくなった。百獣の王というイメージを金で表したのかもしれない。

再びブルーを使うようになったのは、1970年代後半だった。この頃プジョーは仏シトロエンと合併してPSAを結成したのに続き、クライスラーの欧州拠点を買収し、かつて使われたタルボのブランドをここにあてた。


当然ながらロゴマークも新たに考えられたが、プジョーとタルボは同じディーラーで販売することになったので、タルボは水色+赤、プジョーは紺が基調になり、両者を並べる際は間に黄色のラインを入れたものだ。

1980年代になって、プジョーは205ターボ16でラリー世界選手権「WRC」に参戦し、2年連続チャンピオンを獲得するが、このときのワークスチームがプジョータルボスポールという名前で、4色をストライプで使っていたことを記憶している人もいるだろう。


実はシトロエンもプジョーと合併するまでは、紺地に黄色のダブルシェブロンという、プジョーに似た配色だった。しかし、タルボブランドが1980年代中盤に消滅すると、赤地に白のダブルシェブロンに変わっている。

なぜ赤なのかは、プジョーの紺に対比する色であるほかに、このブランドが本拠を置き続けてきたパリの紋章が赤字に白い帆船であり、やはり地域の色にちなんでいるという見方ができる。


21世紀に入って3Dデザインがポピュラーになると、プジョーのライオン、シトロエンのダブルシェブロンともに、立体的なデザインに変身した。地色を敷くのは違和感があるからだろう、どちらもブランド名の文字のみ色を使うことになった。

シトロエンからDSオートモビルが独立したのもこの時期で、同じように立体的なロゴとした。地色が黒になったのは、プレミアムブランドであることに加え、夜のパリをイメージしたという仕立てのためもありそうだ。


しかし近年、YouTubeなどのデジタルメディアがポピュラーになると、立体的なロゴマークはむしろ使いにくくなった。そこでフラットかつシンプルなデザインに変えるブランドが増えてきた。日産やフォルクスワーゲンは代表例だが、プジョーの新しいロゴマークも、こうした時代の変化に対応したものと言える。

たしかにプジョーのオフィシャルサイトを見ると、ロゴマークやインデックスが写真の上に白抜きで表示されている。こうした使い方は、これまでのデザインでは難しかったはずだ。


さらにサイトを観察すると、たしかに黒ベースではあるがモノトーンになっているわけではなく、水色のアクセントカラーが各所に使われている。DSもそうで、ベースカラーは黒にチャコールを組み合わせ、文字などにシャンパンゴールドを起用することで独自性を出している。

キーカラーの変更は、グループPSAが今年FCAと統合し、ステランティスになったことも関係しているのかもしれない。合わせて14ものブランド(日本へは現時点で8ブランドを導入)を擁することになったわけで、それぞれに違う色を使うことは不可能と思われろ。ましてや、これまでブルーはランチアやマセラティも使っているからだ。


そこでプジョーは過去にも使用実績があるブラックにしたのかもしれないが、他のブランドのオフィシャルサイトを見ても、地色は白あるいは黒で、アクセントカラーでブランドイメージを表現していることに気付く。アバルトとアルファ・ロメオ、フィアットはすべて赤をイメージするイタリアンブランドであるが、赤の色調を微妙に変えて差別化を図っている。


さらに最初に紹介したプレゼンテーションでは、新しいロゴマークとキーカラーを採用した理由について、“上級市場への移行の体現”という説明があった。今回と似たロゴマークが使われていた頃のプジョーは、403と404の2車種構成で、どちらも後輪駆動のセダンやワゴンが主力という、メルセデス・ベンツやボルボのようなラインナップだった。


一方のシトロエンにはDSが君臨していたが、同時に2CVも売っており、プジョーのほうが上質と捉えられていたはずだ。プジョーをその頃のポジショニングに近づけることで、フランス車に詳しくない人にも、シトロエンやDSとの違いをわかりやすくしようという戦略が透けて見える。ブランドのイメージというのは、時代時代で変化し魅力的に感じられるようアレンジされるものなのですね。

 

 

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【 508 Peugeot Sport Engineered Revealed の動画はこちら 】

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