● 米軍関係者の「Yナンバー」、自動車税、重量税など巨額の税減免優遇を受けるのなぜか? | エコカーブログ [eddie-k's eco_car blog]    

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■自動車税が1/3、なんで激安? その理由は…
2020年11月末に毎日新聞社は、「米軍関係者の私有車に対する税額が14億円近く税減免されている」と報道しました。

実は、俗に「Yナンバー」を付けた米軍関係者の私有車は、自動車税(軽自動車税)・重量税において日本人が所有する一般車の税額よりも、大幅に安く設定されているといいます。なぜYナンバー車の優遇は大きいのでしょうか。

日本国内には、沖縄、佐世保、岩国、三沢、厚木、横田、などに米軍基地があり、家族も含め約10万人の米軍関係者が日本に駐留しています。

その米軍関係者が使用する車両には、米軍人・軍属及び家族などが所有する私有車と米国陸海空軍が所有する公用車が存在します。(そのうちに宇宙軍もできるかな)


私有車には、「Y(普通車)/A(軽自動車)」ナンバーとなる「Y plate」(Yプレート)と俗にいわれるナンバープレートが付けられています。

公用車には、アメリカ政府のナンバー(識別番号標)が付けられます。サイズは日本のナンバープレートとほぼ同じで、白色の背景に黒、青、又は赤色の明確な識別番号を付したものとされます。

私有車と公用車については、それぞれの取扱いがまったく異なっており、Yプレートが付けられる米軍構成員や軍属の私有車両は、日本国の法律が全面的に適用されることになっています。


しかし、米国陸海空軍の所有する公用車は、外交特権のある大使館車両と同様に道路運送車両法などの日本の法律が適用されないほか、米軍の公用車は自賠責保険に入る必要がなく、自動車税や重量税を納める必要もありません。

軍事公務のために高速道路などを使用する場合も通行料は無料となります。(道路管理者が防衛省に通行料を請求する)同じように公用車はアメリカ政府所有となるため日本の保安基準とは無関係なので車検を受ける必要もありません。

一方の私有車は、日本の法律が全面的に適用されるので、日本で使われる一般車両と同様に登録の際には日本の保安基準に沿った検査がおこなわれ、継続車検も受ける必要があります。

また、前述のように自動車税や重量税などの納付が義務付けられており、高速道路を通行の際には一般車両と同じ通行料を支払います。私有車は、日米間の取り決め(日米地位協定第10条に関連する日米合同委員会合意)で以下の取扱いとなっています。


【米軍人、米軍属の私有車について】
 (1)私有車両は、当該車両の所有者が住んでいる都道府県に登録する。
 (2)登録及び車両検査の事務は、日本政府当局が行う。(登録や車検は通常と同様に運輸支局で行う)
 (3)日本の登録番号標板(ナンバープレート)を車両に取つけたまま帰国することは差支えない。
 (4)臨時軍務のため、所有車両を他府県へ移動する場合には、登録換をしなくてもよい。(通常のように移転登録などをする必要がない)


このように、私有車と公用車が混在する米軍関係の車両では、異なる取扱いに特徴がありますが、そのなかでも日本の法律が適用される私有車には、さまざまな優遇措置が取られています。


◆自動車税・重量税が一般車の1/3に…、その理由は?
日本の法律が適用される私有車には、自動車税(軽自動車税)・重量税が一般車両の税額よりも、大幅に安く設定されているといいますが、具体的に国内一般車両とどれほど違うのでしょうか。

毎年5月末(青森と秋田は6月末)が納付期限となっている「自動車税」や「軽自動車税」。通常は、排気量に応じて納付額が決められていますが、米軍関係者の私有車には税額が以下のように決められています。(カッコ内は一般的な排気量税額)

 ・ 軽自動車(四輪以上のもの):3000円(1万800円)
 ・ 小型乗用車:7500円(2万5000円から3万6000円)
 ・ 普通乗用車(4.5リッター未満):1万9000円(4万3500円から7万5500円)
 ・ 普通乗用車(4.5リッター超):2万2000円(8万7000円から11万円)

このように、どの区分においても一般車両よりかなり安い税額となっています。


また、車検の際に納める重量税も大幅に安くなっています。これは、租税特別措置法90条の11によって定められた税額となっており一般と同様に0.5トン刻みで変わります。

例えば、一般車両の「1トンから1.5トン以下」では1万5000円(エコカー減税適用ナシの本則税率)ですが、私有車では5000円となり、税額はおおむね「1/3」となっています。


自動車税や重量税が安く設定されている理由はどのようなことでしょうか。それは、日米地位協定のなかで説明されています。
 

◆米軍人等の私有車両に対する課税の考え方
 1.米軍人等は、日米地位協定の規定により、動産の保有等についての租税を免除されるが、道路の使用について納付すべき租税の免除を与えるものではない。
 2.自動車税及び軽自動車税は、財産税と道路損傷負担金の性格を併せ持つと解される。 このうち、道路損傷負担金に相当する部分を米軍人などの私有車に対して課税する。


以上のことから、「財産税」にあたる部分が免除され「道路損傷負担金」に相当する部分だけの課税となるため、自動車税が安く設定されていると解釈できます。

なお、重量税についても財務省主税局の説明では、「税額が安価になっている根拠は自動車税と同様の考え方に基づいている」とのことでした。


米軍関係者の私有車は前述のように、日本国の法律が全面的に適用されることとなっているので、日本人所有の車両と同様に車検を受ける必要があり、その際、自賠責保険への加入も義務付けられています。

なお、国土交通省に確認したところ、「自賠責保険の保険料については一般車両と同じ」とのことでした。しかし、自賠責保険は被害者のケガや死亡、後遺障害に対して支払われる保険のため、車両の損害等については対象外です。

そのため、米軍では1997年1月から日米地位協定の下にあるすべての人員に対し、任意保険(対人3000万円以上、対物300万円以上)の加入を義務づけています。

とはいっても、対人3000万円、対物300万円ではカバーできない事故も多数発生しており、米軍車両との事故は十分な補償が得られない場合が出ています。


このような場合は被害者の便宜を図るため、日本政府が補償金を査定し、米国政府との間で補償金支払いの調整をおこなうよう規定されています。

さらに、もし任意保険に入っていなかった場合(異動などで任意保険の契約を解約。譲り渡しで保険証書だけが車両に残っていたため、勘違いによる未保険車となる違法行為)場合に、日米地位協定の規定の下での扱いとなり、政府が対応する。

事故発生による当事者および被害者の支払い手続きを改善するため、当然のように、被害者には日本政府が無利子融資する制度や被害者の必要経費を米政府が前払いする制度も存在します。(これも優遇ですね)

また、米国政府の支払い額が民事訴訟での判決額を下回った場合には、日本政府が差額を補填する制度なども導入されています。

 

 

 

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