院長です。
フェイシャルアイソメトリックスのYouTube動画1分間バージョンを作りました。全部で13回。それぞれ1回に1メニューを紹介しています。下にリンクを貼っておきます。数字をクリックしてください。
No.1 額の筋肉、頭の横の筋肉を鍛えます。
No.2 上まぶたを閉じる筋肉を鍛えます。
No.3 下まぶたを閉じる筋肉を鍛えます。
No.4 上まぶたを開ける筋肉を鍛えます。
No.5 口角を斜め上方に上げる筋肉を鍛えます。
No.6 口角を上方に上げる筋肉を鍛えます。
No.7 口を横に広げる筋肉、頬を凹ます筋肉、首の外側の筋肉を鍛えます。
No.8 口角を下げる筋肉、首の外側の筋肉を鍛えます。
No.9 口唇を閉じる・尖らす筋肉、頬を凹ます筋肉を鍛えます。
No.10 口唇を閉じる・尖らす筋肉を鍛えます。
No.11 顎先の筋肉を鍛えます。
No.12 口を閉じる顎の筋肉、頭の横の筋肉を鍛えます。
No.13 顎下の筋肉を鍛えます。
顔のたるみ対策のための筋力トレーニング方法は書籍やネットで多数見つけられます。しかし、多くの美容皮膚科医、美容外科医はそのトレーニングに否定的な立場です。しない方が良いと考えています。その理由は顔の筋力トレーニングはしわを誘発するからです。筋肉を動かせば一過性のしわができます。口を大きく広げて笑ってみてください。しわが寄りますよね。繰り返し筋肉を動かすことにより一過性のしわは永久に残る固定しわになります。
そしてもうひとつの理由は、負荷が弱すぎる、あるいは負荷がない運動では筋肉は鍛えられないことです。顔の筋肉をただ動かすだけでは筋トレに必要な負荷が不足しています。
「過負荷の原則」と言うものがあります。「その人間が普通にこなせる運動以上の負荷を身体に課すことにより、初めてその機能が向上する」のです。
例えば、腕を上下に動かしてみましょう。これで腕の筋肉が太くなると思えますか。ダンベルなど重い物を持って動かしたほうが筋肉は太くなります。重い物が負荷です。ただ口を大きく開けるだけというような運動では十分な負荷はかかりません。しわを誘発するだけです。
しわを誘発せず、負荷をしっかりとかける運動。それがフェイシャルアイソメトリックスです。
アイソメトリックスとは「筋肉の伸展あるいは短縮を伴わないで力を発揮させる運動」です。もちろん負荷が必要です。下図のように両手を押し付けるように力を入れてみましょう。腕、胸の筋肉に張りを感じますね。
押し合うことで負荷がかかります。これで筋肉を太くできます。下図の様な体幹トレーニングも、アイソメトリックスです。筋肉の伸展・短縮は伴いません。重力が負荷になります。
顔の筋肉にどうしたらアイソメトリックスができるでしょうか。筋肉の端を押さえつけて、筋肉に力を入れても収縮させないようにすれば良いのです。筋肉が収縮しなければ、皮膚は動きません。だからしわは寄りません。
No.6のメニューを見てみましょう。
なかなかうまく出来ないかもしれませんが、正しく行えば筋肉の張りを感じられます。鏡を見て、筋肉が動いていないか、しわが寄っていないかをチェックすると良いです。
筋肉が太くなったら、より強い負荷をかける必要があります。そうしなければ、それ以上の筋力向上は望めません。「漸進性過負荷の原則」と言います。フェイシャルアイソメトリックスでは負荷を増やすことは簡単です。顔の筋肉の収縮力が強くなった分だけ、指でより強く押さえれば良いのです。
さて、顔のたるみと一言で言いますが,具体的にどんな症状を指すのでしょうか。まず頭に浮かぶのが頬のたるみでしょう。
こんな状態ですね。ブルドッグフェイスなんて用語もあります。
別の図を見てみましょう。右半分が老化した顔です。
こちらでは口角の下がり、への字口も強調されています。頬のふくらみも気になりますね。余分な脂肪が付いた顔です。
頬上部のたるみ改善にはフェイシャルアイソメトリックスNo.5が有効です。法令線対策にもなります。フェイシャルアイソメトリックス13種類の中でもっとも重要なメニューです。
口角の下がりについて考えて見ましょう。口角より上にある筋肉は口角をワイヤーでつるすようなもの、口角の下にある筋肉は口角を支える柱や壁のようなものと考えてもらうと良いでしょう。ワイヤーを鍛えるメニューがNo.5とNo.6、柱、壁を鍛えるのがNo.8です。
口角の下にある筋肉は口角を下げる作用があります。「これを鍛えると『への字口』になってしまう。鍛えてはいけない」という意見があります。これは私は間違いと思います。どんなに筋肉を鍛えても、自然に筋肉が収縮するようにはなりません。もちろん何もせずに筋肉が自然に鍛えられることもありません。常に「への字口」になる癖がある人の場合、頻回に収縮させることにより、筋肉が厚くなるのだと思います。への字口になる癖を付けないで鍛えるためには、筋肉を収縮させずに鍛えるアイソメトリックスは最適です。
また、この口角の下にある筋肉は「表情筋の力こぶ」と呼ばれ、盛りあがりが分かる人が結構います。盛りあがりがあると凜々しい顔立ちになります。No.8は大事ですよ。
No.6で鍛える口角を上に上げる筋肉も発達すると盛り上がりが分かるようになります。
これもあると凜々しい顔立ちになります。
頬下部をすっきりさせるメニューはNo.7、No.9です。たるんではいないけど、頬のふくらみがある人にもお勧めです。
頬外側をすっきりさせ、きれいなフェイスラインを目指すにはNo.12も有効です。しかし、この部位の筋肉が発達して四角い顔になっている人はすべきではありません。
首の外側の浅い部分の筋肉を鍛えることもブルドッグフェイス対策として有効です。No.7とNo.8でこの筋肉も鍛えられます。
さて頬のたるみ対策として筋肉をしっかりと鍛えると、どのような顔になるでしょう。下の図を見てください。顔を斜め横から見ると、頬上部が盛りあがり、頬下部が締まってくぼみ、S字状のカーブができています。オージーカーブと言います。これがあると若く見えます。このカーブ作りを目標にしてください。フェイシャルアイソメトリックスのメニューでもっとも重要と考えられるNo.5ともうひとつNo.9が大切です。このふたつだけでも続けてみて欲しいものです。
もう一度、加齢の絵を見てみましょう。
上まぶたがたれて眼が開きにくくなっています。これも顔のたるみのひとつと考えられます。眼の下はどうでしょう。目袋ができています。
高齢になると眼が開きにくくなります。すると、額の筋肉を収縮させて、眼を開けようとします。その結果、眉毛は八の字状になり、額に固定しわできます。これらも顔のたるみに関連した症状です。
眼がぱっちり開き、眉毛は八の字ではなく、額にしわがない。これが理想ですね。必要なフェイシャルアイソメトリックスのメニューは額の筋肉を鍛えるNo.1と上まぶたを開ける筋肉を鍛えるNo.4です。
額の筋肉も鍛える事が不思議に思われますか?額の筋肉が緩むと眉毛は下がります。眼が開けにくくなります。だから鍛えた方が良いのです。筋肉が太くなっても収縮させる癖が付かなければしわを誘発することはありません。
上まぶたを閉じる筋肉を鍛えるNo.2はどうなんだと思われましたか。この筋肉を鍛えるべきか判断がむずかしいところです。「高齢になっても上まぶたを閉じる筋肉に老化の所見はない」という研究報告がある一方、「上まぶたが老化して見える人は、上まぶたを閉じる筋肉が薄くなっている」との研究報告があります。眼をぎゅっとつむる様な運動はしわを誘発しますので絶対ダメですが、アイソメトリックスでなら鍛えても良いかなと考えております。
目袋対策としてはNo.3が有効です。ただし、目袋には骨の融解が大きく関連していますので、筋トレのみの対策には限界があります。
なお、No.2とNo.3は例外的に筋肉の端を押さえません。眼瞼というデリケートな部位を触らないためです。そのため筋肉は動き、眼が閉じます。
口唇もはっきりした老化の徴候が見られる部位です。10代、20代の人の口唇はとんがっています。加齢とともに口唇は厚みがなくなり、横に広くなり、とんがりがなくなります。そして鼻の下は長くなります。若い間は下図左側、高齢になると右側のようになります。
口唇の筋肉を鍛える事で、とんがり口唇は作れます。そのために必要なメニューはNo.9とNo.10です。
顎の先の筋肉がたるむとどうなるでしょうか。Eライン(エステティックライン)に関係して来ます。Eラインとは鼻先と顎先を結んだ直線です。この内側に口唇の先が収まれば美しい横顔とされます。横顔の美の基準のひとつです。顎先がたるむと、Eラインがくちびる側にずれてしまいますね。
もうひとつ、横顔の美の基準としてmentolabial angleがあります。オトガイ唇角と訳せば良いと思うのですが、下口唇と顎先の角度です。下の図を見てください。
白人男性での研究なんですが、この角度は107~118度がもっとも魅力的とのことです。顎先のたるみにより、この角度は広がってしまいます。また、顎先の筋肉の衰えは二重顎の原因のひとつにもなります。この筋肉を鍛えるのはNo.11です。
二重顎対策としてもちろん顎下の筋肉も鍛える必要があります。No.13で鍛えましょう。
フェイシャルアイソメトリックスは基本的に1メニュー7秒×3回行います。13種類すべて行っても5分以内で終わります。続けてみてください。動画モデルのかよ子さんも毎日、頑張っています。
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