ペツル ティキナ VS ブラックダイヤモンド アストロ | bangmaoの部屋

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癒やし系の自転車ブログのつもりが、ご覧の通りの残念な状態に...。
趣味の自転車のほかアウトドアの話も少々。

ヘッドランプは今年4月にGENTOS AUVA(ジェントス オーヴァ)を買ったばかりなのですが、手持ちのペツル ティカ2を弟にあげてしまったので、代替機を購入することにしました。

ネットで比較検討した結果、ペツル ティカ2に一番似ていたペツル ティキナを購入、その後、ブラックダイアモンド アストロも気になったので購入しました。 

 

写真左:PETZL THIKKINA(ペツル ティキナ)
写真右:Black Diamond ASTRO(ブラックダイヤモンド アストロ) 

 

写真上:PETZL THIKKINA(ペツル ティキナ)
写真下:Black Diamond ASTRO(ブラックダイヤモンド アストロ) 

 

 

ペツルはフランスのブランド、ブラックダイヤモンドはアメリカブランドです。
因みに生産国は、ペツル ティキナがマレーシア、ブラックダイヤモンド アストロが中国でした。

ネット情報によると近年は、登山用ではペツルが高性能LEDの新型機種を出して、他メーカーは水をあけられてる(?)みたいですね。
そこで、実際、どんなものなのか比較してみました。

 

まず、値段ですが、ティキナが定価(税込み)3,132円、アストロが2,376円で、アストロは定価販売ですが、ティキナは値引き販売している店舗もあるので値段の差は僅かだと思います。

重量は電池込み(エネループ スタンダード)で、ティキナが実測84g、アストロが88gでした。

 

MAX POWERはティキナもアストロも150ルーメンと互角ですが、照射時間はティキナの60時間に対して、アストロは20時間でカタログ上はティキナの圧勝です。

 

また、ティキナはスイッチを押すと5ルーメン(220時間)→100ルーメン(60時間)→150ルーメン(60時間)の順に変化し、何秒間か照射するとワンクリックで消灯します。

弱い照射から点くので、いきなり強い光で目潰しにならないところがいいです。


アストロはスイッチを押すと150ルーメンが点灯し、150ルーメン(20時間)~6ルーメン(80時間)のディミング機構で無段階で明るさ調製が可能で、ワンクリックで消灯した後に再点灯すると、消灯前と同じ明るさで点灯します。
また、誤点灯による電池消耗を防ぐロック機構や緊急事のフラッシング機能も付いています。

 

ビームの特性は、ティキナもアストロも広域照射ですが、アストロの方がより照射範囲が広いと感じます。

また、遠方はティキナの方がよりくっきり見え、アストロの方がより目にやさしい印象です。
夜の公園に持ち込んで両者を比較したところ、ティキナの100ルーメンとアストロの150ルーメンが同じぐらいに感じ、ティキナの150ルーメンはアストロよりも明らかに明るく感じました。

アストロは広域に光が拡散するタイプなので、150ルーメンであっても少し暗いと感じる方もいるかもしれません。

 

防水性能は、ティキナもアストロも IPX4 と互角で、両者とも万一電池ボックスに水滴が浸入しても点灯し続ける信頼性の高い設計思想のメーカーだったと記憶しています(内部が濡れた場合は、電池を抜いてよく乾燥させて使います)。
敢えて言うなら、ペツルは電池の接点がステンレスで、電子回路もアクリル塗料でコーティングされていたと記憶しています(信頼性が高いので救助のプロの採用も多いとか)。

 

使用電池は、ティキナはアルカリ乾電池(AAA)の他、COREというオリジナル充電池が使え、ニッケル水素充電池にも対応しています(リチウム電池は非適合)。
アストロはアルカリ乾電池(AAA)、充電池の他、リチウム電池も使えます(リチウム電池はやや高価ですが、経年劣化がほとんど無く、低温に強く軽量なので、予備電池や防災用として利点があります)。

 

電池ボックスの開閉は、ティキナは上部が前後に、アストロは後ろ面が横方向に開きます。

 


ティキナは他のペツル製品同様、電池交換がとても容易で、エネループ(スタンダード)でも全く問題ありませんでした。
アストロは、最初、エネループを入れてみたら固くて入らず(蓋が閉まらない)、電池を外そうとしたら固くて難儀し、素手で外れませんでした(構造的に蓋のロック部分と反対側の蓋の部分が電池を外す際に干渉)。
付属の中華製アルカリ電池でもピチピチでしたが、入れたり外したりする内に、エネループでも入るようになりました。
電池を入れっぱなしにしておいたら馴染んできて、もう少し取り外しが楽になるかも?と思い、只今、入れっぱなしにしています。
私的には、ティキナであれば暗がりの中でも電池交換が容易ですが、アストロは暗がりの中での電池交換には不安があります(電池を外すのに少しコツがいりそうで、特に一番下の最期の一個が外しにくいです)。

 

オンオフのスイッチは、ティキナもアストロもカッチリした感じで、アストロの方がより操作感が軽いです。
アストロのボディの外周にはゴムが巻いてあって、手で持って滑りにくく、また、スイッチの軽さと防水性に貢献しています。

 

外観はティキナはレンズカバー以外にも本体部分に透明樹脂を使っていて傷が入りやすいので、持ち運びにはソフトケースに入れるなど取扱にはやや気を遣います。
一方、アストロは四角いボディーと相まって、よりラフに扱っても大丈夫そうな印象です。

本体自体の剛性はティキナよりもアストロの方が丈夫そうですが、大事に使った場合、ボディーにゴムを使ってないティキナの方が長持ちしそうな印象です。

 

ゴムバンドはティキナは堅めのゴム質のバンドで、汗をかいたり雨の中でも水分を吸いにくく、丈夫で長持ちしそうな印象です(肌触りは固いです)。
アストロもゴムバンド自体はしっかりしているのですが、裏地の布がヤワで毛羽立ちやすく、私が購入したものは最初から擦れたと思われる部分がほつれていました(肌触りは良いです)。
なお、換えのゴムバンドの入手性はブラックダイヤモンドの方が容易だと思います(輸入元代理店の対応が良さそう)。

 

また、アストロの四角いボディーは手で持って馴染みやすく、ゴムバンドをボディーに巻き着付けてちょっと間ズボンのポケットに入れたりでき、また、スイッチが軽く、消灯前の明るさを覚えていていてくれて一発で再点灯できるところが便利で気に入っています。

 

 

以上のことから、両者ともコスパの高い優れものと思いますが、敢えて2つの内から一つを選択するなら、御来光登山など夜道を歩くことが多い人はティキナが、日中の行動がメインだったりテント泊の人はアストロの方が使い勝手が良いのではと思いました。
テント泊の場合、100ルーメンで周囲を照らすと明るすぎると思うので、私的には30ルーメンぐらいの設定もほしいところです(ティキナは5ルーメンの次は100ルーメン)。

 

二つ分のお金でもっと上位のモデルを買えたのですが、私的には150ルーメンもあれば十分明るいと思います。
上位機種は更に明るいですが、ハイパワーな機種ほど照射時間は逆に短くなってしまいます。

 

(※ ブラックダイアモンド アストロは、やはり電池ボックスがキツキツで、エネループを取り外す度に、電池が痛む印象です。よって、エネループを使用する場合はペツル ティキナをお勧めします。  2018年9月10日追記)

 

 

 

(追記)
バックパッキングのテント泊ぐらいの使用の私の場合、以前ご紹介させて頂いたGENTOS AUVA(ジェントス オーヴァ)でもレンズのカタカタ音鳴りが気になった程度で特に不満はありませんでした。
オーヴァは単四電池2本式なので照射時間は短いものの耐塵・1m防水・1m落下耐衝撃とのこと。
明るさもメインの100ルーメンの他、エコモードの30ルーメン、サブの暖色スポットライト5ルーメンと使い勝手がよいです。

 

ついでにジェントス オーヴァの画像も貼っておきましょう。

 

 

上部が前後に開き、電池ボックスのマイナス端子部分がコイルスプリングなので電池の入れ替えが容易で、防水性能も1m防水なので、前述のティキナやアストロよりワンランク上です(オーヴァの蓋が固いというレビューが目立ちますが、これはペツルも似た構造で、ロック部分を下から上へ持ち上げるようにすれば簡単に開きます)。

また、大きく開くので、万一、電池が液漏れした際もメンテナンスが容易です。

さらに、アルカリ電池は通常8本組、4本組など偶数単位で売られているので、単四電池2本式だと無駄が出なくてよいとか、予備電池の重量が軽くなるメリットがあります。

 

 

2台目は、ハイパワーが長持ちする機種にしようと思っていたのと、オーヴァのAmazonのレビューを見ると、使い続けていると比較的早い時期に点灯しなくなったとか、中には最初から点灯しなかったというレビューが目に付き (姉妹品の充電タイプのモデルはハンダ付けが甘いとのレビューあり)、もしや回路が弱いのではないか?と少し気になったこともあって、定評があるペツルとブラックダイヤモンドから選んだ次第です(まあ、ブラックダイアモンドも中国製なので、どこまで信頼できるか不明ですが...)。
逆に、オーヴァは消防・消防団・警察・自衛隊が使用する機材を専門に取り扱う店舗でも販売されてたので、信頼性は高いのかもしれません(まだ発売されてそれほど間が経っていないモデルなので、長期の耐久性は不明です)。

 


余談ながら、LEDは通常3.6V(ボルト)に対応していて、乾電池3本(1.5V×3)が電圧的にバランスが良いのだそうです。
電池2本だと3Vなので点灯しないので電圧を上げる回路が必要になり、逆に電池が4本以上だと電圧を下げる回路が必要になるそうです。

さらに、電池2本仕様と電池3本仕様を比べると、ランタイムが単純に1.5倍どころか2倍以上の差があるそうです。
(因みに、オーヴァの100ルーメン8時間に対して、アストロは150ルーメン20時間、ティキナは150ルーメン60時間のランタイム。)


そう考えると、電池1本分(予備を含めると2本分)の重量減と引き替えに、性能的には随分劣ることになります。
また、単四電池2本仕様はランタイムが大幅に短くなる(電池代のコストは逆に高くつく)ので、コスパ的にはニッケル水素充電池を繰り返し使用しないとメリットありませんが、アルカリ乾電池に比べランタイムは更に短くなります。

 

 

なお、単三電池1本タイプは単四乾電池2本タイプよりも更にランタイムが短くなりますが、災害発生時には単四よりも単三乾電池の方が入手しやすいというメリットがあります。
いくらニッケル水素充電池を持っていても、災害時に電気が通じてなければ充電することができません。

それから、リチウム電池は自然放電による経年劣化が殆どないので、非常用の備えとしてメリットがあります(但し、リチウム電池に対応している機種と対応していない機種があるようです)。
また、登山の場合の予備電池(非常時でもなければ使うことがない)として重量が軽く、低温にも強いというメリットがあります。

 

 

 

(平成30年8月23日 追記)
ジェントス オーヴァの取扱説明書を見ると、ニッケル水素充電池を使用しないで下さいと書いありました。
その理由については明記されてませんが、一般的にニッケル水素充電池は「過放電に弱く、完全に放電してしまうと電池を傷めてしまう(但し、エネループはダメージが比較的少ない)」ということのようです。
要するに、ニッケル水素充電池で過放電になると、充電池を痛めてしまい充電池の寿命が低下してしまうようです。

 

一方、ニッケル水素充電池対応の機種は、充電池が過放電になる前にLEDが点灯しなくなるようです。
また、メーカーによっては、対応電池以外の電池(ニッケル水素充電池など)を使用して故障した場合、保証の対象外となると謳っているメーカーもありました。

 

非対応の機種でニッケル水素充電池を使うと、アルカリ乾電池に比べて暗くなるのが早く、暗い状態で点灯し続け、点灯時間も短くなるケースが多いようです(要するに光量が安定せず、点灯時間も短い)。
ヘッドランプにニッケル水素充電池を使う方は少なくないようですが、日中に行動して夜にテントなどで少々使うような使い方(予備電池あり)の場合、特に問題を生じていないということのようです。

 


私はジェントス オーヴァをエネループで使用していて今のところ不具合は生じていませんが、ニッケル水素充電池を非対応の機種で使われる場合は、くれぐれも自己責任でお願いします。
なお、ニッケル水素充電池を使われる場合も、予備電池はアルカリ乾電池かリチウム電池(リチウム電池非対応機種もあるので要注意)にしておいた方が無難なようです。

 

因みに、私がニッケル水素充電池に切り替えた一番の理由は、中国製アルカリ乾電池の液漏れで、LEDライトやリモコンなどを何台もパーにしてしまったからです(アルカリ乾電池は完全に切れていない状態から液漏れが始まります)。
以前、ペツルのヘッドライトで液漏れした際は、ネジが特殊なネジ山だったので、精密ドライバーセットを購入する羽目になりました。

 

時計やリモコンなどパワーが少なくても良い場合は、昔ながらのパナソニックのマンガン電池(ネオ黒)も液漏れしにくくて良いと思います。