チェーンの耐久性とコンポのグレードの話(私信) | bangmaoの部屋

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癒やし系の自転車ブログのつもりが、ご覧の通りの残念な状態に...。
趣味の自転車のほかアウトドアの話も少々。

聞くところによりますと、10sチェーンは僅か2,000~2,500㎞で伸びて来て、変速のキレが悪くなってしまうのだそうです。


チェーンはリンク部分が摩耗してすり減って来るので、その結果、チェーンの輪っかが全体的に伸びてきます。
チェーンが伸びたからと言って、チェーンが直ぐに切れてしまう訳ではありませんが、伸びたチェーンのまま乗り続けると、スプロケットの歯を摩耗してしまい、やがてチェーンリングの歯も摩耗してしまいます。


高いグレードのスプロケット(材質がより硬質で摩耗しにくい)の場合、チェーンが伸びる前にチェーン交換して、スプロケットを使い続けることがよく行われますが、低いグレードのスプロケットの場合、伸びたチェーンによってスプロケットが摩耗してしまうと、チェーンだけを新品に交換してもスプロケットの歯との噛み合わせが悪く、最悪、チェーンが滑って転倒・落車してしまう恐れがあります。


ですから、7sや8sの低価格のスプロケットやチェーンの場合、スプロケットとチェーンを同時に交換してしまうことが自転車店では一般的のようです(チェーンとスプロケットは相性を保ったまま摩耗してきているので、そのまま使い続けて同時に交換する考え)。

 

私がやってしまった失敗は、ヤマト号(往年のDEORE XTの7s)のチェーンが走行距離約6,000㎞なので、そろそろ交換時期だろうと思ってチェーンだけ交換したところ、噛み合わせが悪い気がした(上り坂で滑った気がした)のですが、チェーン交換したばかりだからまだ馴染んでいないのだろうと思って乗り続けていました。


年内最後の遠乗りになりそうな日にヤマト号で意気揚揚と出発し、河川敷の自歩道から堤防に登るスロープでダンシングしたところ、まるでチェーンが切れた如く、チェーンがスプロケットの歯から滑って思いっきり落車・転倒してしまいました。


ダンシングで右足に体重が載っていたので、何のリカバリーも出来ないまま、地面が急激に接近してきたような感じで、ひしゃげたカエルのように地面に打ち付けられました。
幸い、右肘に青たんが出来たのと、軽い打撲、タイツが少し破れたぐらいでヤマト号も無事でしたが、以来、トラウマからダンシングすることを躊躇うようになり今でも下手なままです。


ヤマト号を最初に自転車店に持ち込んだ際、チェーンは大丈夫そうとの店の判断でそのまま使い続けていたのですが、内部に錆が回っていてチェーンが伸びるのが早かったのではないか?と思います。
また、街乗りが多かったので、スプロケットの4段目の歯が特に摩耗していました。

 

さて、10sチェーンは僅か2000~2,500㎞で伸びて来るとのことですが、9sはどうかと言うと5,000㎞はもつようです。
メーテル号のスプロケットはアルテグレードのCS6500(12-27T)ですが、5,000㎞でチェーン交換してもチェーンはあまり伸びておらず違和感ありませんでした。
レースで勝つためとは言え、9sから10sになったことにより、チェーンの耐久性が大幅に低下しているのです。

 

これは、チェーンの幅がより狭いナロータイプになったから、それだけリンク部分の摩耗が早くなってしまったということです(11sも10sとほとんど差はないと思われます)。
また、チェーンのグレードは主に表面のメッキ処理の違いによるもので、チェーンが伸びることとグレードの高い低いはあまり関係ありません。
同様にスプロケットの多段化に伴い歯の厚みも薄くなって、より摩耗しやすくなってきているようです。


更に、9sのチェーンが切れることはまずありませんが、10s,11sのチェーンはプレートが薄くなっているので、メカトラブルなどで切れてしまうケースがあるそうです。

・BRM430須波1000k 参加れぽ(2)(「こなきの’ドンマイ1000km’」さんのブログより)
http://www.hiromachi.com/wpwpwp/?p=15576

 

チェーンが切れると、いとも簡単に転倒・落車して、大怪我に繋がるリスクがあることはご承知の通りです。

 

自転車はエコな乗り物だと言われていますが、チェーンがたった2000~2,500㎞で伸びてきてポンポン新品に取り替えるのはエコとは思えませんし、レースに出ずにホビーで楽しむ分には9sあれば十分だと思っています。


しかし、ご承知のとおりTIAGRAは9sから10s化し(しかも10sはTIAGRAしかありません)、105以上は全て11s化されました。
その代わり、SORAが8sから9s化しましたが、私はTIAGRAとSORAの間にはまだ歴然とした差が(特にSTIレバーや変速性能に)あるように思います。


同じ変速段数で使い続けようとすると、シマノの場合、年数が経つとグレードが下がってきたり、規格(ブレーキの引きしろなどパーツの互換性)が変更されてしまうので、まるで、新しいコンポへの総入れ替えを催促されているようです(グレードが下がっても互換性のある部品を提供し続けてくれているだけ良心的だと思います)。

 

ところで、2年ほど前に野間の大きやき(能勢町)で休憩していたところ、イタリアンレッドのように赤いレトロなダブルレバーのクロモリバイク(フレームは確かチネリだったと思います)に乗った私よりも年配のローディが、メーテル号を見て近づいて来られて、「久しぶりに峠を越えてきたら脚が攣りそうになりました」と笑って話しかけて来られました。

ディレーラーはカンパのヌーヴォと言っておられ、とても大事に乗っておられる印象でした。


バイクを見れば、フロントはアウターばかりかインナーまで大きなチェーンリングに、リアとても小さなスプロケット。

私よりも随分年配と思しき方が、こんな大きなチェーンリングに小さなスプロケットであの峠を越えて来たのかと思うと、正直負けたと思いました。


それまでは、新しく出たばかりのリア30Tが欲しいなと思い始めていたのですが、以来、TIAGRA4500系(9s)で乗れるだけ乗ってやろうと心に誓いました。

 

更に、私よりもよほどロードバイクに造詣の深いサイメンの飯倉さんが今も往年のアマンダのフレーム(前三角がカーボン、シートステイとチェーンステイがクロモリ)に8sのデュラのコンポで乗り続けておられ、安易に目新しいバイクに手を出されていないことにも背を押されました。

・DVDでミスっちゃったんでpart1 (サイメン飯倉さんのYouTubeより)
https://www.youtube.com/watch?v=JP0kYxvk0xI

 

メーテル号のリアディレーラーは5,000㎞を超えた辺りで、プーリーがキュルキュルと音が鳴りだし、メンテルーブを差してもしばらくすると音が鳴り出すので、BBB ローラーボーイ 11T(BDP-02)に交換したところ快調ですし、念のため売り切れる前にTIAGRA4500系のリアディレーラーを買い足しておいたので当分もちそうです。
STIレバーもTIAGRA4500系(9s)は変速がスパスパと切り替わる上、とても丈夫なので当分もちそうな気がします。


以上の様な次第で、これから新しいロードバイクを買うのであれば10sや11sもやむを得ないと思いますが、TIAGRA4500系(9s)の私は当面10s,11s化しないで乗り続けることにしました(私はメンテナンスは嫌いな方ではありませんが、さすがに11sのスプロケの掃除は面倒に思います)。
このため、10s,11sに関しては当ブログはお役に立たないと思いますが、もとよりレース志向のブログではございませんので悪しからずご了承下さい。

 

 

(追記)
6/7/8s用チェーンは9sチェーンに比べると更に丈夫で伸びにくいと思いますが、スプロケットの品質が以前より低グレードになったことと、変速段数の少なさから特定のギアに負担がよりかかると思われるので、私的には9s同様5,000㎞を目安にチェーン交換した方が良い(?)と思っています。

 

次にMTB系のコンポのツーリングバイクへの使用についてですが、南北アメリカ大陸を縦断し、現在アフリカ大陸を縦断中の染谷裕太さん(ブログ「自転車でゆく!地球一周旅@」)によると、

「正直、コンポはDEOREでも必要以上なくらいの性能なので、金が余ってる人でない限りはここで高級品を入れる意味は限りなく薄いと思います。ALIVIOやACERAあたりでも良いくらい。ただしハブだけはDEORE以上が望ましい。それ以下のハブはシール性が悪いから。」とのこと。
http://1986yuta.blog.fc2.com/blog-entry-680.html

 

自転車販売店で社員としての勤務経験があり現在世界一週中のチャリダーさんが、以上の様に言われているのですから、それより上位グレードのコンポはレースに出るのでもなければ趣味や道楽の範疇だということでしょう。
私もヤマト号で老朽化したコンポは順次、シマノALTUSに交換していってますが、街乗りやツーリングならこれで十分だと思っています。

 

ただ一点私が不満に思っているのは、新しくツーリンバイクを組もうとすると、ALTUS、ACERA、ALIVIOのチェーンリングはスチールで、DEOREでもミドルとインナーはスチールなので、使い続けていると錆びてきてしまいますし、また、マウンテンバイク用のクランクはQファクターが大きい(両足の間隔が広い)です。


できれば、シマノ以外の製品で変速性能が多少落ちたとしてもチェーンリングはアルミ製のものにしたいのですが、レース志向の煽りを受けて上位グレードのものはチェーンの耐久性の劣る10s化してきていて、8sまたは9s対応のリーズナブルなアルミチェーンリングが見当たらない状況です(シマノのロードバイク用トリプルクランクはツーリングに使うにはチェーンリングが大きすぎます)。


メーカー(とりわけシェアの大きなシマノの影響大)のレース志向が強すぎるあまり、ツーリングバイクにとって受難の時代になってしまったような気がします。
スギノのツーリング用トリプルクランクまで10s化されてしまいました(大量発注するメーカーさんにはリーズナブルな9s用も卸しておられるのでしょうが...)。

私的には荷物も乗せて運ぶツーリングバイクを耐久性に乏しい10sで組むなんてあり得ません。それだったらSORAやCLARIS、MTB系コンポで組んだ方がましだと思います。

 

最後に、以下のサイメン飯倉さんのYouTube動画も是非ご覧下さい。まるで、自転車もコンポも現在の「使い捨て」の世相を反映しているようです。

 

・飯倉の与太話2016秋
https://www.youtube.com/watch?v=vcNCUTmT53o