皆さんのご納骨のお手伝いをしていて、少し気になることがあります。
それは、骨壷について・・・
関西(特に大阪)では当たり前のように、大小2個の骨壷で骨上げされており、
大きい壷(胴骨)はお墓に…
小さい壷(本骨)は本山に…、と言うことのようです。
(実際にはほとんどの方が、両方をお墓に納骨されていますが・・・)
ほとんどの地域では、大き目の壷にすべてを拾骨するようですが、
なぜ両者でこのような差があるのでしょうか?
ある文献による、『死生観の違い』というのが、一番ピッタリと説明出来て
いる気がしました。
関西で喉仏を本骨として別に取り扱うのは、火葬後に成仏した仏様が、
霊魂となった象徴として喉仏を拾い上げ、死を霊魂と身体の分離と見る
観念からくるのではないかという考え方でした。
拾骨の際に全部を拾わずに、一部を残したまま(合祀される)、という
関西の残骨へのこだわりの無さもこれで説明がつくような気がします。
一方、その他の地域では灰まですべてを拾骨するため、壷も大きいサイズに
なっているケースが多くなっているようです。
これは、関西の霊魂に変化する考え方ではなく、あくまでも死者そのものを
対象者とした考え方で、関東では遺骨はあくまでも仏様そのものという事なの
でしょう。 (ちりとり状の道具で、粉状の骨まで集めるのは驚きでした)
両地域での違いがあることは、以前からなんとなくは知ってはいましたが、
日々お手伝いさせていただく、ほとんどのお客様もその意味をご存知無く、
どうしたものか?・・・と、相談を受けることもしばし…
でも、ここのところってとても大切なところで、
宗派や地域差、故人とのつながりなど色んな条件で変わってくるとは思いますが、もっと学んでおくべきところではないのかな?・・・って思ってしまいます。
しかし、どこで学べばいいんだろうか!・・・ってね?
本当はお寺の存在がもっと身近になったらいいんでしょうが…
ちゃんとした理由を知った上で、自分の大切な家族を見送る時には、
どんな方法を取るべきなのか???
もう少し、ちゃんと考えておいたほうがいいかもしれませんね。
安部則明