BL含めアオイホノオ的な本の衝撃というか | 一本木蛮電脳公司

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先に、島本和彦兄ィから「車田正美のアオイホノオ読んだか?!」と言われ
「まだだけど、どうだった?」と聞いたら
「な…なんか…なんかもう、すごかった…!!!!!」
と言われてて気にしていた「藍の時代」。

ちばてつや先生も読んでいる、
竹宮恵子さんの「少年の名はジルベール」

どっちも

「すごかった」

と言うのが私の感想。

車田作品のアオイホノオは、もう…ベタの中のベタ(なのに、自伝)!

なんじゃこりゃあああーと言う他ない感じです^^;


竹宮惠子さんの「ジルベール」は
文章の本なのでまだ半分くらいなのですが…これ、フツーじゃない!!!
という…
文章なので読み飛ばしそうになりますが、作業状況を想像できる>漫画作業及び凹み加減>だけに、行間から色々読み取れるわけです。

いきなり冒頭から「当時はファンレターをくれたファンの方と文通が始まって、地方に住む漫画家が上京したときおウチに泊めてもらって原稿を描く」…この状況からしてナニソレ?!なのですが・・

読み進めるに、右も左もわからない新人作家と担当さんのやり取りや、同世代のライバル(まずそこで萩尾望都さん!)との…
とかとかで…もう!です。

しかし、
しかしですよ?

今、手軽にBLを読める環境(イコール、描ける、描くことを許される、という意味合い)を、その礎を…週刊連載を(たぶんアシスタントなどは手の空いてる友人と手伝いっこ程度)しながら、「少年愛」を描くため出版業界を切り開いてきた少女、だったんだなと思うと…

恐ろしいです。

表現の自由が厳しくなった、なんて最近言われたりなんだりしてますが、それより手前にあった、大きな大きな壁をコツコツと崩していった偉人だ!と。
勿論そこには、理解者あってこその賜物とはいえ…!!

私は少女漫画をほとんど読まずに育ってしまったので、そんな私が言うのも変かも知れないのですが…どうやって、その少女はそれだけの仕事をこなしながら「その道」を切り開いてきたのか、どうやってメンタルを保てたのか…

大先輩に対して言うのもものすごく失礼な気がしますが
「スゲー!!!」
って感じです。


どんな土俵でも、その土俵自体を「身を持って」作って、後輩たちにその場所を作ってきた人は、すごいです。
それは…漫画に限らずですが、ジャンルを作る、ということであったり、手法や〇〇風、を築き上げることであったり、
…言ってみれば「それまでに(ほとんど)なかったもの」を「スタンダード」として確立してしまう、ということですから。

漫画を描き続ける覚悟の本、という印象です。

当時の少女漫画読みにはたまらない内容だと思います(そうじゃない私が衝撃食らってるくらいですから!)