シェルの中で快適に生活したいと考えるときに欲しい電気モノのオプションは

 1,電子レンジ・トースター

 2,エアコン

 3,冷凍庫、冷蔵庫    位かなぁ?

 あれ? 思いの外少ない。照明とかPC絡みは必須だし、FFヒーターなんかは電気は大して食わないと考えているのでココには入れなかった。

 夏場エアコンを使うとどの程度になるかはもう少し先になってからでないと分からないが11月~4月の電気料金請求書を見ると、大体3kw~4Kw/日程度の消費量になっている。

 大凡40wの機器を24時間動かして1kw/日なので冷蔵庫がこれに当たる(大凡バッテリー1個と概算できる)。照明は多分60W程度を18時間といったところだろう。

 冬場は石油ファンヒータを点けっ放していたので、これが80Wで18時間程度。PCがモニタ二台と合わせて100Wで18時間と見積もって3kw/日。そう考えると、それ以外は全く使っていないということになる。

 電子レンジとトースターは使っているが、誤差の範囲に収まっているという形。

 

 正確なところはロガーでも噛ませて観察しないといけないけど、それ程大きな差は出ないと予想。

 

 レンジとトースターは瞬間消費電力は大きいけど、使っている時間が短いのでトータルは大したことない為、デカいインバータが必要だけど、動かしっぱなしにする必要はない。=>電池容量は気にする程ではない。

 普通の家庭用エアコンは(調べたら)6畳用の小さい奴で消費電力 平均して500w(120~850w)程度。これ、起動時に850wという意味なら嬉しいな。大きなインバータなんか不要になるが、そんなに甘くない(後述)。但し、移動体の中で日中フルに動かそうとすると、12V100Whのバッテリが5個~6個必要(500w x 12h)。重量配分の問題点としては室内機を上の方に取り付ける関係でトップヘビーになる可能性がある一方でバッテリが 10kg/個 程度の重量があるので、これを下の方へ積むと多少マシになる・・・かもしれないけど、全体としての重量はとても厳しい。

 一方で、窓枠エアコンは冷房能力が家庭用の半分位しかなくて消費電力はドッコイ(14頁の19番)。但し、不要な時期は取り外して軽くできる等のメリットがある。他に問題があるとすると、熱の取り回しと始動電力。60Hzで運用して運転時6.4Aなのに始動電力23A、約4倍弱とか言っている。50Hz運用だとだと5倍以上!(多分、この倍数は窓枠タイプに限定しないと思われる)。5倍以上の始動電力じゃ巷のポタ電の「瞬間最大電力(大きいものでも2倍程度)」じゃ賄えない。つまり、普通のエアコンを運用しようとすると最低でも「消費電力」の2倍程度、できれば 三倍のインバータでないと支えられないということ。

 つまり、消費電力600Wのエアコンだと瞬間3000wなければならず、これの公称インバータ出力は最低でも1500W、多分2000wないと駄目。(で、この数字を見て感じるのは、屋内配線の VVF 線の定格が15Aなので一般的なエアコン側の起動電力や消費電力をそれに合わせて設定しているのかな?と思ったこと。どんなもんでしょうね。)

 とまれ、車の中で商用線で動かす前提のエアコンを運用するのは厳しいというか、難しいというか、ハードルの高い要求だということですね。

 

 冷蔵庫は冷凍庫とクーラーボックスで代用すればいいかな。熱的にもその方がよさそう。

 

 

 

 

閑話休題

 あるとき、キャンパーに乗っている人にキャンパーで生活する上でのボトルネックは何ですかと尋ねたら一言「電気」と言われた。

 こうやって計算してみると電気が無ければ生活できないし、電気さえ有ればソコソコ快適に生活できることが分かった。

 

 

 で、この辺を踏まえて一日あたりの電源容量を見積もると、電力的に一番厳しいエアコンで電池6個。その他の通常消費(照明・PC・レンジ・冷蔵庫)でバッテリー3個。合計9個が電力補充無しで一日に必要な数。冬場は半分以下だろうけど、一応夏を想定。

 これに太陽光パネルを背負って補充しつつ使うと考える。

日中(12時間と仮定)の発電量で1日分を稼ぎ、夜はバッテリーから供給。

 

 一日の必要量9kwh/12時間x効率50% ≒ 1500w

 

 でかい! Youtube を見ていても400W程度のパネルを背負って「異次元」とか言っているのが多い中、1500wも必要なのか?とも思うが、偏にエアコンの電気くい虫ぶりが原因。

 発電効率100%でも750w必要というのは厳しい。

 

 因みに、想定している箱の天井が180*320≒5.6平米なので、200wのパネルってカタログ値で 680*1500 ≒ 1平米 これが5枚 ≒ 5平米(\17,000*5)で1kwとか、100wパネル 550*1100 ≒ 0.6平米 9枚 ≒ 5.4平米(\10,000*9)で900Wなので、物理的に1.5kwとかは積めないこと確定。

 

 こうなるとまずシェルの中の温度を上げないのが絶対条件なんだが、人間一人の基礎代謝(発熱量)が100w程度あるので、いくら断熱で外からの熱を遮断しても、中で生活する限りその分の熱はエアコンで排熱しなければならないと考えると(ヒートポンプで効率が2近くあっても)厳しいものが・・・。

 

 電池は補給無しの仮定で9個/日なので、太陽電池を背負って下支えすることを考えると、半分の4個(12V 100Ah *4 = 4.8kwh)程度あれば事足りるだろう。足りるんじゃないかな? 足りたら嬉しいな。 と、希望的観測。

 

 次の問題は運用電圧、12Vにするか、24Vにするか、48Vにするかを悩むことかな。

 エアコン850wを12Vで動かすとなると70A位流れる。これはきつい。48Vなら15A程なのでこれで動かしたいが、そうするとチョットした12Vのガジェットが動かせない。=>専用のバッテリー設計にしなければならない。

 考えられる対策はポタ電をフロントエンドにして、サブバッテリーをソーラパネルと勘違いさせた上でこのサブバッテリーをソーラパネルで充電するという程度かな。

 エアコンを支える以上インバータは常に動かしている形なので、そのロスが勿体ないと感じてしまう。加えて、その分の排熱処理も考えなければならない。

 一緒にレンジも動かそうと思うとインバータ(ポタ電)の瞬間容量は更に厳しくなる上、正弦波インバータで運用する以上そのロスと排熱が更に気になるが仕方ないと諦める。

 

 

 こうやって計算して見ると、電気機器を何も考えない家に固定して商用電源に繋いで使っている現在の生活ってとても楽ちんなんですね。

 

 

 最後に

 電池1個が大凡10kgで、接続の限界が4直4パラか4パラ4直というのが多いので、一般的には48V運用は可能(だが、96Vは難しい)。で、最大16個まで積める・・・が計算値で積むと8個で80kg。しかも一つ3万円以上するので30万弱。

 

 値段的に商用線で買う電気約50ヶ月分程度なので、1日一回の充放電で1500回=1500日=4年使ってやっとツーペイ。

 

 そう考えると、移動体で”普通”に電気を使った生活をしようというのが、不可能とは言わないまでも、かなり贅沢で金の掛る行為であり、望みだということですね。